
積極的なCX向上施策を可能にするプライバシー対応
デジタル空間で良好な顧客体験(CX)を提供するために企業に求められるプライバシー対応を解説します。
データの利活用とプライバシー保護を両立したデータ活用サービスを構築し、ビジネスモデル変革を進めるためには、事業戦略の策定から設計、実装の各フェーズに応じたデータ管理やプライバシー保護が必要となります。具体的には、事業戦略を実現するためのデータ管理、業界横断的なデータ取得・利用、顧客のプライバシーを考慮したサービス設計、法令準拠や情報資産保護を行い、事業推進と伴奏しながら信頼されるデータ活用を実現していきます。
グローバルに事業を展開する企業が全社的なデータの利活用と保護を進めるためには、顧客戦略、マーケティング施策、そして各国・地域の規制を踏まえたうえで、提供価値と顧客保護が両立するサービスを設計しなくてはなりません。
データ利活用と保護に関する現状の課題として、以下のような点が挙げられます。
これらの状況が生じる背景には、コンプライアンス部門に対して、グループ全体のプライバシーリスクへの対応という、従来の職務範囲を超えた役割を求めてしまっている実態が挙げられます。
この問題を解決するためには、各国・地域のグループ企業が順守すべきルールを策定し、サービスの設計フェーズにおいて、必須事項としてプライバシーを考慮する必要があります(プライバシーバイデザイン)。
PwC Japanグループでは、各国・地域の規制への対応が喫緊の課題であることを考慮しながら、グループ全体の事業におけるプライバシーリスクを特定し、組織全体の理解を促進するアプローチを用いてサービスを提供します。具体的には、アシュアランス業務で培ったリスクアプローチにより、効率的かつ効果的にプライバシーリスクを評価するとともに、エビデンスベースの評価を通じて現状を実証的に把握します。さらに、評価、課題の識別、施策・ロードマップ立案の実施を経て実行可能な管理モデルを策定し、それらの実現までを支援します。
ビジネス課題となる固有リスクを算出します。プライバシー管理態勢の評価に適したNISTプライバシーフレームワーク、プライバシーリスクの評価に特化した国際基準規格(ISO/IEC 29134:2017)、欧州一般データ保護規則(GDPR)のデータ保護影響評価(DPIA)に関する欧州監督機関のガイドライン、そして各国・地域の法令をもとに評価軸を設計します。
グループ全体で各事業がプライバシーリスクに対応するための必要事項を整理し、課題を明確にします。
NISTカテゴリ、ISOカテゴリ、PwC独自のトランスフォーメーションの枠組みに沿って実行可能な管理モデルを策定します。
デジタル空間で良好な顧客体験(CX)を提供するために企業に求められるプライバシー対応を解説します。
実臨床から収集した膨大な医療情報である「医療ビッグデータ」の利活用にあたっては、個人情報保護と研究倫理に関するそれぞれのルールに留意する必要があります。「サービスベンダーによる医療情報の外部提供」と「大学病院との人工知能(AI)の共同研究」の2つの想定事例を取り上げて、データ利活用の観点から法的問題点を解説します。
ビッグデータと人工知能(AI)を用いて個人の性向や属性などの推測を行う「プロファイリング」は、プライバシーの侵害につながる可能性があります。日本でも広がりつつある信用スコアリング事業を取り上げながら、日本における個人情報の取り扱いの法的課題について、個人情報保護法やプライバシーの観点から解説します。
職場以外で勤務するリモートワークが多くの企業に導入されていますが、中には従業員の健康状態のスクリーニングや接触履歴の追跡といった措置を採る企業も見受けられます。行き過ぎたモニタリングは、従業員のプライバシーを侵害するリスクにつながります。今こそ企業に求められる従業員のプライバシー保護の在り方を考えます。