
不正調査開示事例の分析 調査報告書から見る不正の傾向と考察 第2回:不正の概要と調査形態
PwCリスクアドバイザリーは2020年~2023年に上場企業が開示した不正行為に対する調査結果について、2024年4月末時点の公開情報を基に集計、分析しました。その集計結果から不正の概要と調査形態について解説します。
日々の業務の中で飛び交うメールの内容を分析し、不正リスクの兆候や発生因子を早期に検出し対処できるようにする施策のことです。従業員のメールを適切にモニタリングすることで、企業および従業員を不正リスクから守ることができます。
メールモニタリングへの関心が高まっている背景として、法令違反や不正が顕在化してしまうと、その対応はもちろんのこと、企業価値の毀損や社会的信用の喪失など、莫大な損失が発生することが挙げられます。昨今の不正事案を踏まえて株主や当局から企業に対するコンプライアンス順守に関する意識が高まる中、企業には社会的責任の1つとしてコンプライアンス体制の強化が求められています。
このようにコンプライアンス順守の重要性が増す一方で、具体的な施策として何を実施したら効果的であるかが分かりづらいという課題があります。リソースが限られる中で、企業は効率的にコンプライアンス体制を強化できる施策を必要としています。また、コンプライアンス体制の強化を社内外にアピールすることは、不正行為に対して牽制する姿勢を示すことにもつながります。
図表:不正予防への効果が期待される手段
PwCが実施した「経済犯罪実態調査」によると、毎年多くの企業が不正行為や経済犯罪を経験しています(図表)。不正や不祥事がひとたび生じれば、企業は大きな損害を受けてしまいます。そうならないためには、甚大な事件・事故につながる前にリスクを見つけ、対処することが重要です。
PwCでは、これまで企業の不正や不祥事に関わる実態調査や証拠収集を数多く行ってきました。その調査の1つにメールデータ分析がありますが、多くのクライアントから「有事だけではなく、平時からメールデータをモニタリングすることはできないか?」と相談を受けることがありました。
PwCのメールモニタリングサービスは、AIを活用して、不正リスクの高いメールを抽出するサービスです。企業のコンプライアンス担当者は、このAIによって抽出されたメールをチェックすることで、不正リスクの早期発見と発生因子への抑止が可能となり、不正による被害の拡大を防ぐことができます。
図表:過去24カ月以内に不正行為や経済犯罪を経験した企業の割合
発覚してしまった不正に対しては受け身の姿勢ではなく、先んじて不正の芽を摘む能動的な姿勢が求められます。その能動的な姿勢こそが、重大な危機から企業や従業員を守る強固なリスク管理につながります。積極経営のための守りの一手。私たちはPwC Japanグループのノウハウを結集し、企業活動のリスクヘッジをサポートします。
1. クライアントメールデータの受領
クライアントが抽出したメールデータをPwCが受領
2. メールの分析
文面を分析するAI分析と、定量的な情報(日次、アドレス、キーワードなど)を分析するルール分析の2つを組み合わせて分析
3. ハイリスクメール(相対的に不正リスクの高いメール)の抽出
分析結果に基づき、不正の類型ごと(カルテル、会計不正、ハラスメント等)にリスクスコアを付与
4. メールレビュー実施の準備
リスクスコアが高いハイリスクメールを、オンラインレビューツールでレビューするための環境設定
5. ハイリスクメールのレビュー
クライアントの担当者がハイリスクのメールをレビューツールで確認
AI分析および数多くの不正調査の経験により蓄積されたルール分析により、不正リスクの高いメールを抽出します。担当者は、抽出されたメールをチェックすることで不正リスクを早期に把握し、能動的に対処することができます。
不正調査やリスクマネジメント、コンプライアンス体制の検討支援などに豊富な経験を有するPwCのフォレンジックサービスのメンバーが、クライアントの担当者と並走してメールモニタリングサービスの導入をサポートします。
データの保全、収集、分析、レビュー等の多様なデジタルフォレンジック関連業務の実績に裏付けられた、安全・安心なメールモニタリング環境を提供します。
PwCリスクアドバイザリーは2020年~2023年に上場企業が開示した不正行為に対する調査結果について、2024年4月末時点の公開情報を基に集計、分析しました。その集計結果から不正の概要と調査形態について解説します。
PwCリスクアドバイザリーは2020年~2023年に上場企業が開示した不正行為に対する調査結果について、4月末時点の公開情報を基に集計、分析しました。その集計結果から不正の傾向や背景について解説します。
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