流動性の最適化と管理

英国のEU離脱(ブレグジット)を支持する国民投票の結果を受けて、多くの国やセクターの取引環境は変化することになります。サプライチェーンや物流の取り決め変更から規制の変更、外国為替の変動、債券格付の変更、そして景気低迷のリスクに至るまで、これら全ては不確実性が増大する時期に資金の流動性管理が欠かせない要因です。

流動性の管理には次のような方法が考えられます。

運転資本の改善

運転資本から資金を開放すれば、フリーキャッシュフローに直接影響して、資金の流動性が改善します。国民投票によるブレグジット支持の結果を受けて、クロスボーダーでの資金管理・運転資本管理に伴う問題の検討をされているのではないでしょうか。

EU加盟諸国全域での貿易支払条件を制限するEUの法律は、今後、英国との貿易には適用されなくなる可能性があります。そのため、この点につき、ブレグジット後のサプライヤーやクライアントとの関係に及ぼす影響を把握することが重要です。また、欧州やその他の国のサプライヤーやクライアントへのアクセスを確実に維持するための綿密な計画を策定し、新たな貿易協定や取引関係が運転資本や資金の流動性に及ぼす影響について理解することも不可欠となります。サプライチェーンが伸長し、クロスボーダーでの取引が複雑性を増す中、こうしたことに備えていない企業に運転資本と流動性の問題が大きくのしかかってくるリスクが現実味を帯びています。こうした事態への対応策として、クロスボーダーの取引に伴う資金の最適化から物流問題への対応まで、できることはいくつもあります。

管理情報の改善

事業戦略を策定する上で、ブレグジットのシナリオによって生じるおそれのあるリスクや感応性を把握することが重要となります。ストレステストを実施すれば、今後の流動性基準の適用範囲・時期あるいはコベナンツ(特約条項)の違反を予測することができます。

当社は、クライアントが予測内容の質と厳密性を理解し、意思決定を支える可視性と情報フローを改善の支援をします。

出資者などのステークホルダーの対応

事業が財政的に厳しくなってきた場合、あるいは追加の資金調達が必要になった場合、慣れない状況下にあっても、当社が主導的な役割を果たすことで、クライアントは以下を実行することができます。

最善の行動方針を決定するための選択肢を特定し、優先順位づけをする
主要ステークホルダーに働きかけることで、ソリューションの実施に安心感と熟考の機会を与える
出資側 と当社の関係を活用して不安定な環境下で事業を支える基準を理解し、必要に応じて資金調達先を見つける(トレードファイナンスなどの選択肢を含む)
日々のプロジェクト管理と情報フローを提供することで、経営陣の負担を軽減する

サプライヤーの見直し

供給の継続に懸念がある場合、当社は事業継続の実現可能性や関係するリスクを把握するお手伝いをします。