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企業がサステナビリティ(人権・環境)に係る役割や責任を果たすことについて社会の期待が高まるに伴い、サステナビリティ関連の規制強化が進んでいます。例えば2024年5月24日にEU理事会において正式な承認を経て採択が最終決定さた企業持続可能性デューデリジェンス指令(CSDDD)は、一定条件を満たした非EU企業にも域外適用されるため、適用対象企業は人権・環境に負の影響を及ぼすリスク(以下、「サステナビリティリスク」)について、取引先を巻き込んだグローバルでの管理体制を整備することが必須となります。また、日本政府は2022年9月に「責任あるサプライチェーン等における、人権尊重のためのガイドライン」をリリースし、自社グループのみならず、取引先を含むバリューチェーン全体でサステナビリティリスクに対応することを求めています。このようなトレンドを踏まえ、バリューチェーン上のサステナビリティリスクを最小化することが、企業の存続や持続的成長にとって重要であるとの認識が日本においても高まっています。
人権侵害・環境汚染など、サステナビリティリスクが自社グループや取引先で顕在化した場合、規制上のペナルティ、取引停止、消費者の不買運動、メディア報道による企業イメージの棄損など、最終的に自社への経営に重要な影響を及ぼす可能性があります。かかる経営へのリスクを最小化するためにも、適用対象となる法規制や国際基準などに対応可能な、サステナビリティリスク管理体制を整備が重要となります。
また、企業がサステナビリティリスクへの対応推進を社内外へ積極的に発信することは、従業員のモチベーション向上や、優秀な人材の採用につながり、結果として、企業の持続的成長に不可欠な人的資本の強化に寄与する、というプラスの効果も期待できます。
PwCはサステナビリティに関する規制・国際基準などの要件を充足し、持続的な成長のベースとなるサステナビリティリスク管理体制の構築・整備を支援します。
サステナビリティに関するテーマは複数存在するため、自社が対象となり得る規制・国際基準の動向や緊急性を踏まえ、どのテーマを最優先とするかなど、管理体制の整備方針を決めることが肝要です。
最優先テーマが定まった後は、「A.全社方針(組織)」「B.ガバナンス(規程)」「C.プロセス」「D.システムインフラ」「E.サステナビリティカルチャー」の5要素から構成されるサステナビリティリスク管理体制の全体像(ターゲットオペレーティングモデル、以下「TOM」)を構想します。その上で、現状とのギャップ(課題)を把握し、課題を解決するための体制を整備し、サステナビリティリスク管理体制の基礎を作ります。この基礎をベースとして、別のサステナビリティテーマに順次取り組みを拡張させるアプローチが効率的です。
対応すべきテーマの優先度は、適用対象となる規制や国際基準が導入される、あるいは厳格化されるタイミングによりまちまちです。PwCはサステナビリティに関する規制を含めた国際動向に関する最新の情報に基づき、クライアントにとって最適な進め方を提案します。
ターゲットオペレーティングモデル(TOM)は「A.全社方針(組織)」「B.ガバナンス(規程)」「C.プロセス」「D.システムインフラ」「E.サステナビリティカルチャー」の5要素から構成されますが、整備すべき中身については、人権・環境に関する国際基準(例:国連指導原則)や、企業が活動する国・地域における法規制の要件に大きく左右されます。そのため、まずは対象となる規制や基準などの把握・理解と要件整理を行った上で、当該要件をTOMの理論的規範として位置付けます。そしてこの理論的規範をベースに実効性の観点を踏まえ、事業の性質や組織構造などクライアントの特質を加味してTOMを策定します。
自社の現状を棚卸し、整理した上で、TOMに照らして足りないギャップを課題として抽出(図表4)し、各課題に対しての改善施策の方向性を定義(例:新たな会議体の発足、リスク評価フレームワークの整備)します。施策については、実行の難易度(例:事業部門を巻き込んだ全社連携が必要な場合は難易度が高い)やコストなどの観点を踏まえて優先順位を付け、実行計画(ロードマップ)を策定します。
TOM構想と、現状とのギャップ分析をもとに、ロードマップに沿ったサステナビリティリスク管理体制の基礎を作ります。
体制整備の一環として、サステナビリティリスク管理に関する組織の役割・責任を明確にしていきます。その際、決めた役割・責任に実効性を持たせるためには、その前提として規程を整備することが不可欠となります。特にサステナビリティリスクは、自社グループの内外に存在し、それぞれについて対応すべき部署が異なる場合があるため、各部署の役割と責任、部署間の連携内容、マネジメントへのレポートティングラインなどを規程上に明確にしておくことが重要です。これにより、経営判断に必要なリスク情報が漏れなくタイムリーにマネジメントに報告される体制を確立・維持するが可能となります。
PwCは、サステナビリティ分野の最上位規則であるCSR方針(CSR調達方針、人権方針など)から業務マニュアルに至るまで、さまざまな規程の策定の支援が可能です。
サステナビリティリスクを管理する一般的なプロセスについては、図表5のとおり、バリューチェーン(自社グループ内およびサプライヤーなどの自社グループ外の取引先)上の人権リスクや環境リスクの影響を特定、評価するところからスタートします。そのうえで、是正措置やリスク軽減措置の導入・進捗状況をモニタリングします。また、これら一連の取り組み計画や実績をステークホルダーに開示します。
サステナビリティリスクには人権・環境に関するさまざまなテーマが含まれますが、人権と環境のプロセスを全く別個のものとしてバラバラに設計することは、プロセスの複雑化(非効率化)につながり、組織間でサステナビリティリスク情報を共有する際の阻害要因にもなり得るため、注意が必要です。
PwCは現状の規制・国際基準はもちろん、将来施行されることが想定されるものも踏まえ、拡張可能なプロセスの設計・整備を支援します。
サステナビリティリスク管理に係るPDCAプロセスの基本的な考え方は「4.プロセス」のとおりですが、これらの一連の作業と進捗管理の全てを表計算ソフトなどにより手作業で行うことは煩雑であり、また作業者による品質のバラツキや属人化によるガバナンス上の問題が生じやすくなります。基本的に、管理の実施主体は各グループ社となるため、国内外に多数のグループ会社を抱える企業グループの場合、これらの問題が特に顕著となります。
このような問題を解決するためには、作業と作業証跡(ワークフロー)のシステム化を行うことが肝要です。また、システム化により、各グループ会社の進捗状況を本社が同時にモニタリングすることが可能となり、ガバナンスの強化や、開示に必要な情報の一元管理につながります。
PwCはこのようなプロセスのシステム化にあたり、グローバルで導入実績がある人権・環境のリスク管理ツールを活用することでクライアントを支援しています。
PwC Software “Check Your Value Chain”(英語)
サステナビリティに関してステークホルダーの期待に応え続けるためには、規制・国際基準という理論規範と企業の実情という2つの要件を踏まえた、実効性のあるサステナビリティリスク管理体制を整備することが必要となります。特に、実効性の面では、サステナビリティ課題について、トップマネジメントから現場の従業員に至るまで全メンバーの高い意識とコミットメントが求められます。
PwCは、幅広いテーマ、内容の研修・ワークショップの企画および提供を通じて、クライアント企業におけるサステナビリティ課題への意識向上をサポートします。