中華系企業に向けた移転価格サービス

日本における外資系企業と言えば長年、欧米系が中心でしたが、昨今の経済成長を反映して、対日投資を急増させる中華系企業の存在感が増しています。

中華系企業は日本において製造・販売のみならず、研究開発、ITサービス、電子商取引など幅広く事業を展開して急成長している一方で、管理面の対応が追い付いていないケースも散見されます。日本の移転価格税制や実務の観点から潜在的なリスクが生じやすい状況も多く見られ、日本の税務当局が目を光らせているような状況も増えてきています。

PwC税理士法人の移転価格チームには、中国、香港、台湾への駐在経験のある日本人パートナー、マネージャー及び現地出身のプロフェッショナルが多数在籍しており、日本の移転価格税制に必要な対応や日本の税務当局の実務を踏まえた上で、中華系企業が日本で事業展開を進めるにあたって直面するであろう移転価格リスクの低減を支援しています。

加えて、日本税務当局に勤務経験を有するシニアコンサルタント、現地PwC中国には中国国家税務総局や現地税務当局からの出身者が在籍しており、緊密に連携を図っています。日中双方の税務当局のアプローチを熟知し、中国語で中国の本社側とコミュニケーションを取りながら、日本子会社の移転価格対応を支援できることが、PwC税理士法人の移転価格チームの強みです。

PwC税理士法人は、中華系企業が日本で直面する移転価格問題の解決に向け、移転価格ポリシー構築、コンプライアンス、コンサルティング、日本税務当局との折衝を含めた専門的かつ理論的なアドバイスとサポートを提供します。

主な業務内容

1	移転価格リスク分析	中華系企業が日本に進出する際に直面するであろう移転価格リスクを事前に把握し、税務調査を受ける前に必要な対応を提案します。 PwC税理士法人は情報収集・ヒアリングを通じて日本子会社の移転価格課税リスクを定性的・定量的に分析し、リスクの質的・金額的重要性に応じて、対応の優先度および解決策を提案します。必要に応じて、PwC中国とも協力し、中国語の資料を用いて本社側にも報告します。
2	移転価格ポリシーの構築	日本子会社の移転価格課税リスクを低減するため、現地出身メンバーやPwC中国のスタッフを通じて本社側ともコミュニケーションを取りながら、グループ内の整合性を踏まえて日本子会社に最適な移転価格ポリシーの構築・導入を支援します。そのうえで、移転価格ポリシーの文書化にも貢献します。
3	移転価格コンプライアンス（文書化）対応	日本では、国外関連取引に係るローカルファイルの作成が義務付けられており、一定金額以上の国外関連取引を有する場合には、法人税確定申告期限までに作成・備置することが求められます。移転価格調査で提出を要請された日から一定の期日内にローカルファイルを提出できない場合、税務当局による推定課税が行われる可能性があるため、適切な時期までに適切なローカルファイルの作成できるように支援します。必要に応じて、本社レビュー用にローカルファイルの中国語訳もしくは中国語サマリーも提供します。
4	移転価格調査対応	日本税務当局による中華系企業に対する移転価格調査は増加することが予想される一方、課税後に取引相手国との相互協議（MAP）により二重課税を完全に排除することには困難が伴います。 PwC税理士法人では課税後の戦略も考慮し、日本および現地の税務当局出身者も交えながら、移転価格調査の終結に向けた対応を支援します。調査の進捗については、必要に応じてPwC中国とも協力し、中国の本社側に中国語で報告します。
5	更正事案に対する相互協議（MAP）と日本国内争訟支援	課税後に取引相手国との相互協議（MAP）に進む場合は、PwC中国と連携し、日本および現地の税務当局出身者からのアドバイスを踏まえ、双方の税務当局のアプローチも考慮したうえで二重課税解消に向けたサポートを提供します。課税後に国内争訟（再調査請求、審査請求、税務訴訟）に進む場合は、PwC弁護士法人とも協力し、課税の全部または一部取り消しに向けた支援を行います。
6	事前確認（APA）サポート	移転価格リスク分析の結果、日本側でリスクが高いと判断された場合や、移転価格調査での課税後に将来の課税リスクを排除する場合には、事前確認（APA）が有効です。現地税務当局との交渉は難航することもあるため、双方の税務当局が最終的に折り合える地点を考慮した申請内容にすることで、より望ましい合意に至る可能性が高まります。 PwC税理士法人は、現地駐在経験を持つパートナーや現地出身のマネージャー・スタッフがAPAの申請段階から合意に至るまで、PwC中国とも協力してサポートします。