海外の税務調査・国内争訟のプロセス：韓国

韓国の税務調査・国内争訟のプロセスを紹介しています。

税務調査
除斥期間	通常5年（クロスボーダー取引については7年）（期限内申告でない場合、脱税の場合などはさらに延長される。）
調査の種類	定期循環調査（5年ごと）（売上高500億ウォン以上の法人が対象）
税務調査の発端となりうる事象等	上記の通り
プロセス	1．潜在的な要検討項目に関する資料要請納税者担当者とのインタビューなど　↓ 2．調査官による検出事項の提示（口頭）　↓ 3．検出事項に対する納税者の釈明　↓ 4．見解の相違のある検出事項についての納税者の意見書の要請　↓ 5．納税者による意見書の提出　↓ 6．検出事項対する追加資料と追加意見書の要請納税者による追加資料・追加意見書の提出　↓ 7．更正通知書の発行
調査開始から終了までの期間	通常、6～8週間
追徴税額の納付期限	納付告知書に記載の納付期限
ペナルティ	ペナルティ（過少申告加算税）一般の過少申告：10％不正行為による過少申告：40％国際取引で発生する不正行為による過少申告：60％延滞利息（納付遅延加算税）納付遅延加算税=①＋② 1．0.25％／日（納付告知日から納付告知書による納付期限までの期間を除く） 2．未納税額の3％（納付告知書による納付期限までに完納しない場合）
調査での典型論点	販売支援／据付業務／保証修理業務対価の適正性親会社に請求する無償AS PARTS対価の適正性 → 有償AS PARTS対価と比較可能性有親会社などの設備海外販売支援に対する対価の受取有無親会社エンジニアなどの韓国出張現況資料の提出要求可能性有親会社など海外特殊関係者に支給する費用の適正性親会社から受け取る貸付金利子の適正性
その他補足事項	税務調査通知書に記載の年分（通常1～2年）が調査対象年度となる。ただし、調査対象年度の非違が調査対象年度以外にもある場合には、国税の賦課除斥期間が通常5年であることから、5年分課税される。

国内不服申立手続きの枠組み
不服申立手続きの概要	異議申立（注：スキップ可能）　↓ 審判請求（租税審判院）または審査請求（国税庁）（※）　↓ 行政訴訟（裁判所）もしくは、審査請求（監査院）（※）　↓ 行政訴訟（裁判所）（※）審査請求（国税庁）と審査請求（監査院）は不服申立としてほとんど使われていない。

相互協議
ダブルトラック	可能。相互協議手続きを進行中裁判所の確定判決が出た場合は、確定判決日に相互協議手続きが終了する。
相互協議の終了期限	韓国と締約国の権限ある当局間で文書による合意が行われた日

不服申立（一次）
手続名	異議申立
申立先	当該処分をした税務署長にするか、税務署長を経て管轄地方国税庁長にしなければならない。
申立期限	調査後の課税処分から90日以内
手続き	異議申立書および関係書類の提出（課税処分があった日から90日以内）　↓ 要件審理（形式的要件の審理）　↓ 本案審理（請求人の主張に対する審理）　↓ 異議申立に対する決定通知
決定までの期間	異議申立てを受けた日から30日以内

不服申立（二次）
手続き名	審判請求
申立先	租税審判院
申立期限	異議申立の決定通知から90日以内または調査後の課税処分から90日以内（異議申立をスキップする場合）
手続き	審判請求書および関係書類の提出（課税処分があった日から90日以内）　↓ 要件審理（形式的要件の審理）　↓ 本案審理（請求人の主張に対する審理）租税審判官会議（主審租税審判官1名と陪席租税審判官2人以上を指定）で審理　↓ 審判請求に対する決定通知
決定までの期間	一般的に、受理日から6カ月～1年の検討期間を要する。
その他補足情報	①税法の解釈が争点になる場合であって、これまで租税審判院の決定がない場合、②従来租税審判院で決定された税法の解釈や適用を変更する場合などについては、租税審判院長と常任租税審判官全員で構成される「租税審判官合同会議」で審理。

不服申立（後続手続）
後続手続の概要	第一審：前段階の不服申立に係る決定に不服の場合、その決定通知から90日以内に地方裁判所に提訴可能。　↓ 控訴（第二審）：第一審の判決に不服の場合、第一審での判決を受けてから14日以内に高等裁判所に控訴可能。　↓ 上告（第三審）：第二審の判決に不服の場合、第二審での判決を受けてから14日以内に最高裁判所に上告可能。
その他補足情報	上告には弁論手続きはなく、内部の審理のみを経て判決が下される。

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