海外の税務調査・国内争訟のプロセス：シンガポール

税務調査
除斥期間	4年
調査の種類	基本的に質問状（CITQ）のやり取りに基づく机上調査のみ。ただし、移転価格に関してCITQからTP Auditに発展した場合には、IRASとの対面ミーティングもある。
税務調査の発端となりうる事象等	ー
プロセス	確定申告書（Form C/ C-S）の提出　↓ 1．IRASによる質問状（※）の発行 ※CITQ （Comptroller of Income Tax Queries） CITQが複数回発行されることもある　↓ 2．納税者による回答（CITQの回答期限は法定されておらず、延長の交渉は可能）　↓ 3．賦課決定（NOA, Notice of Assessment）の発行（通常1カ月～数カ月以内に発行される）　↓ 4．IRASによる質問状（CITQ）の発行　↓ 5．納税者による回答　↓ 6．賦課決定（NOA, Notice of Assessment）の発行（注）・IRASからの質問状が発行されずに賦課通知が発行される場合もある。・上記1～3は当初申告に対する賦課通知を発行するための手続きであり、4～6がいわゆる税務調査に該当する。
調査開始から終了までの期間	当初申告に対する賦課通知は、通常、申告から数カ月以内に発行される。 TPが問題になると数年にわたってクローズしない（賦課通知が発行されない）ケースも見られる。
追徴税額の納付期限	NOAの発行から1カ月以内
ペナルティ	ペナルティ（法人税など）最大100％（単純な申告誤り）最大200％（正当な理由のない過少申告）最大300％（脱税）最大400％（重大な脱税、仮装隠蔽） TPの調整の場合、増差所得の5％のサーチャージが課される。延滞税（法人税など）一律5％（未納60日経過後に適用される）（1カ月ごとに1％加算される）
調査での典型論点	（移転価格） TNMM／ベリーレシオの適用について、IRAS移転価格ガイドラインで例示されている要件を充足しているか否か。 SG法人が営業損失となっている場合のその損失の妥当性。
その他補足事項	賦課決定方式を採用しており、税務当局の確認手続きが前提となる。単年度ごとにIRASからの質問状が発行されるため、納税者側も単年度ごとの対応が必要となる（ただし、毎年CITQは発行されるわけではなく、数年間CITQがないというケースもある）。

税務調査

除斥期間

4年

調査の種類

基本的に質問状（CITQ）のやり取りに基づく机上調査のみ。ただし、移転価格に関してCITQからTP Auditに発展した場合には、IRASとの対面ミーティングもある。

税務調査の発端と
なりうる事象等

ー

プロセス

確定申告書（Form C/ C-S）の提出
　↓
1．IRASによる質問状（※）の発行
※CITQ （Comptroller of Income Tax Queries）
CITQが複数回発行されることもある
　↓
2．納税者による回答
（CITQの回答期限は法定されておらず、延長の交渉は可能）
　↓
3．賦課決定（NOA, Notice of Assessment）の発行
（通常1カ月～数カ月以内に発行される）
　↓
4．IRASによる質問状（CITQ）の発行
　↓
5．納税者による回答
　↓
6．賦課決定（NOA, Notice of Assessment）の発行

（注）
・IRASからの質問状が発行されずに賦課通知が発行される場合もある。
・上記1～3は当初申告に対する賦課通知を発行するための手続きであり、4～6がいわゆる税務調査に該当する。

調査開始から
終了までの期間

当初申告に対する賦課通知は、通常、申告から数カ月以内に発行される。
TPが問題になると数年にわたってクローズしない（賦課通知が発行されない）ケースも見られる。

追徴税額の納付期限

NOAの発行から1カ月以内

ペナルティ

ペナルティ（法人税など）
最大100％（単純な申告誤り）
最大200％（正当な理由のない過少申告）
最大300％（脱税）
最大400％（重大な脱税、仮装隠蔽）

TPの調整の場合、増差所得の5％のサーチャージが課される。

延滞税（法人税など）
一律5％（未納60日経過後に適用される）
（1カ月ごとに1％加算される）

調査での典型論点

（移転価格）
TNMM／ベリーレシオの適用について、IRAS移転価格ガイドラインで例示されている要件を充足しているか否か。
SG法人が営業損失となっている場合のその損失の妥当性。

その他補足事項

賦課決定方式を採用しており、税務当局の確認手続きが前提となる。単年度ごとにIRASからの質問状が発行されるため、納税者側も単年度ごと
の対応が必要となる（ただし、毎年CITQは発行されるわけではなく、数年間CITQがないというケースもある）。

国内不服申立手続きの枠組み
不服申立手続きの概要	Objection 　↓ Appeal to the Income Tax Board of Review （ITBR）　↓ High Court 　↓ Court of Appeal

相互協議
ダブルトラック	可能
相互協議の終了期限	規定なし

相互協議

ダブルトラック

可能

相互協議の終了期限

規定なし

不服申立（一次）
手続名	Objection
申立先	Comptroller of Income Tax （CIT）
申立期限	Notice of Assessment（NOA）の発行日から2カ月以内
手続き	1．納税者からNotice of Objectionの提出　↓ 2．CIT担当官による資料のレビュー、資料要請、納税者との面談（資料要請に対する回答期限は、通常2カ月以内）　↓（全ての重要な情報が提供されてから6カ月以内） 3．CITによる決定の通知　↓（通常3カ月以内） 4．決定に異論ない場合、その旨を書面で提出。当局発行のNOAが必要に応じて修正されて手続きが終了する。決定に異論がある場合、反論書を提出。 Notice of Refusal to Amendが発行される。
決定までの期間	法定の期限はないものの、納税者が必要な情報を提供しないような場合には、Notice of Objectionから2年経過後にNotice of Refusal to Amendが発行される場合がある。

不服申立（一次）

手続名

Objection

申立先

Comptroller of Income Tax （CIT）

申立期限

Notice of Assessment（NOA）の発行日から2カ月以内

手続き

1．納税者からNotice of Objectionの提出
　↓
2．CIT担当官による資料のレビュー、資料要請、納税者との面談
（資料要請に対する回答期限は、通常2カ月以内）
　↓（全ての重要な情報が提供されてから6カ月以内）
3．CITによる決定の通知
　↓（通常3カ月以内）
4．決定に異論ない場合、その旨を書面で提出。
当局発行のNOAが必要に応じて修正されて手続きが終了する。
決定に異論がある場合、反論書を提出。
Notice of Refusal to Amendが発行される。

決定までの期間

法定の期限はないものの、納税者が必要な情報を提供しないような場合には、Notice of Objectionから2年経過後にNotice of Refusal to Amendが発行される場合がある。

不服申立（二次）
手続き名	Appeal
申立先	Income Tax Board of Review （ITBR）
申立期限	ObjectionにおけるNotice of Refusal to Amendが発行されてから30日以内
手続き	Notice of Appealの提出　↓（30日以内） Petition of Appealの提出（不服の内容・理由などを記載したもの）　↓（通常6～8週間以内） Pre-Trial Conferenceの開催　↓ Hearingに向けての資料提出　↓ Hearing of Appealの開催（通常14日前までに通知される）　↓ Decisionの通知（口頭の場合はHearingと同日、書面の場合は後日）
決定までの期間	特に期限は定められておらずケースによる。
その他補足情報	法解釈（Question of law, Interpretation of law）に不服がある場合のみ、この先の訴訟手続きに進むことが可能。

不服申立（二次）

手続き名

Appeal

申立先

Income Tax Board of Review （ITBR）

申立期限

ObjectionにおけるNotice of Refusal to Amendが発行されてから30日以内

手続き

Notice of Appealの提出
　↓（30日以内）
Petition of Appealの提出（不服の内容・理由などを記載したもの）
　↓（通常6～8週間以内）
Pre-Trial Conferenceの開催
　↓
Hearingに向けての資料提出
　↓
Hearing of Appealの開催（通常14日前までに通知される）
　↓
Decisionの通知
（口頭の場合はHearingと同日、書面の場合は後日）

決定までの期間

特に期限は定められておらずケースによる。

その他補足情報

法解釈（Question of law, Interpretation of law）に不服がある場合のみ、この先の訴訟手続きに進むことが可能。

不服申立（後続手続）
後続手続の概要	ITBRの決定に不服がある場合、ITBRの判決または命令の日から28日以内にHigh Courtへ控訴可能（訴訟開始召喚状を提出して申請する）。　↓ High Courtでの判決に不服の場合は、判決から1カ月以内にCourt of Appealに控訴可能。
その他補足情報	特になし

不服申立（後続手続）

後続手続の概要

ITBRの決定に不服がある場合、ITBRの判決または命令の日から28日以内にHigh Courtへ控訴可能（訴訟開始召喚状を提出して申請する）。
　↓
High Courtでの判決に不服の場合は、判決から1カ月以内にCourt of Appealに控訴可能。

その他補足情報

特になし

関連情報

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