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「Trust」「Unity」「Focus」を組織基盤と定め、真のクライアントセントリックを実現する

PwC Japanグループ 副代表
チーフ・コマーシャル・オフィサー
チーフ・インベストメント・オフィサー
吉田 あかね
PwC Japan合同会社 代表執行役副会長
PwCアドバイザリー合同会社 代表執行役会長


2024年度の世界情勢はインフレや金利上昇、地政学リスクの高まりなどさまざまな懸念要因を抱えつつも、日本企業の経営状況は概ね安定した状況にありました。コロナ禍が収束に向かう中で経済正常化が進み、折からの円安で海外展開するビジネスの収益が伸長したことなどから、日本の上場企業の2024年3月期は過去最高水準の業績を記録しました。PwC Japanの事業もこれに伴って成長を続け、業務収益は前年度比5%増の2,642億円となりました。

2024年2月にPwC Japanが公表した「世界CEO意識調査(日本分析版)」では、「今後12カ月間における自社の売上成長見通しについて、どの程度自信を持っているか」という質問に対し、日本のCEOからは「極めて強い自信がある/非常に自信がある」(17%)、「ある程度自信がある」(50%)との回答が目立ちました。多くの企業が足元の自社業績に自信を深めていることがうかがえます。

一方、経済が堅調に推移する中で、コーポレートガバナンス・コードの改訂や金融市場からの成長に対する要求などを背景に、日本企業は改めて未来に向けた成長の絵姿を描く必要にも迫られています。

「現在のビジネスのやり方を変えなかった場合、10年後に自社が経済的に存続できない」――。上述の調査の中でこう答えた日本のCEOが64%(世界全体では45%)となったことは、その証左ではないでしょうか。将来に対して危機感を抱く回答が過半を超え、世界全体や米国、西欧と比較しても先行きに対する危機感が強いことがうかがえます。

PwCの組織基盤

PwC Japanでは、会計・監査や税務、法務に加え、経営戦略、リスク管理、テクノロジー、M&A、事業再生、さらには各種業界などの多種多様な専門家が集まり、企業の成長を実現するための戦略策定から実行まで幅広く支援しています。

新しい経営体制がスタートした2025年度から中長期を見据えて、PwC Japanはお客様ひいては社会に必要とされ続けるプロフェッショナル・サービス・ファームであるためにさまざまな施策を講じていきます。具体的にどの分野に注力するのかを示した「戦略領域」については、次章で改めてご説明いたします。

本章でご紹介するのは、それらの施策を実現するための私たちの基本的な考え方です。PwCは「組織基盤」として「Trust」「Unity」「Focus」という言葉を選びました。これらの言葉が示すのは、私たちがプロフェッショナルとして業務に臨む際の姿勢です。さらには、あるべき理想の状態についても示しています。

まずは「Trust(信頼)」。PwCに所属する全メンバーが相互に強固な信頼を持つことを、私たちは組織としての全ての礎だと考えています。これはPwCのメンバーがお客様のCEO、CxOの方々と直接対話する関係性を持つなど、それぞれのステークホルダーから確固たる信頼をいただいている状態となることも意味しています。

2つ目が「Unity(結束)」。信頼という礎があるからこそ、組織内外でのスキルやマインドセットの融合が発生し、新しい付加価値を生むことができるようになります。「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPwCのパーパスを実現するため、PwC Japanがグループ一体で、事業や業種の垣根を越えたサービスを提供する体制が整っている状態も示しています。

3つ目が「Focus(集中)」。社会課題を解決していくにあたって、投入できる資源は有限です。課題のニーズに沿って最適なポートフォリオを組める体制が構築されている状態を目指すことで、PwCとして解決すべき社会課題に集中できる環境をつくります。

そして、これらの組織基盤を実現するため、PwC Japanは2025年度から経営体制を大きく見直しました。まず、久保田正崇・グループ代表をトップとした戦略会議を設け、私を含む4名のメンバーで機動的に意思決定する仕組みを設けました。また、事業部門の枠組みにとらわれず、グループ一体としてさまざまな課題に取り組めるようCxO制を導入し、各分野の高い専門性を持つパートナーがそれぞれの役割のもと業務に取り組んでいます。

お客様に「ファーストチョイス」としていただくために

私自身もチーフ・コマーシャル・オフィサーおよびチーフ・インベストメント・オフィサーとして、PwC Japanのマーケティングやブランディングに関する施策と、戦略的な投資案件を担当しています。

PwC Japanでは「クライアントセントリック」、つまりお客様本位という言葉を大事にしています。ただこれは、求められることに受け身で応えていくだけでは到達できません。お客様以上にお客様の事業や将来について考え抜くことで、本質的な解決策の提案を行っていくことが求められていると考えています。

クライアントセントリックを徹底するということは、お客様が解決すべき課題に直面したときに最初に相談する相手、つまりお客様に「ファーストチョイス」としていただくことを意味します。そのためには私たちのビジネスや活動について広く知っていただくことも重要であり、経済社会での課題としてお客様の関心の高い領域に関するイベントの開催や、外部との連携などを進めていきたいと考えています。

日本という国はグローバルの政治経済において独特の立ち位置を持っており、それが諸外国からの信頼につながっていると感じています。幅広い産業の裾野を有し、グローバルに誠実な事業展開を行う日本企業は、海外企業がともに事業を進めるうえでのパートナーとして信頼感を抱かれているのです。

私たちは世界149カ国のPwCグローバルネットワークの専門家と連携するとともに、ネットワーク内で日本企業を支援する組織「Japan Business Network(JBN)」を通じて、グローバル規模での事業拡大や変革に取り組むお客様の国際的な連携強化や競争力強化を支援しています。

企業経営に携わる者として、これからのビジネスパーソンに求められる姿勢は「成長に対する飽くなき挑戦」だと考えています。これは、日本企業が社会や市場から期待される成長を実現していくために欠かせない要素であり、PwC Japanが社会課題を解決していく中で必然的に求められる姿でもあります。私たちは、お客様が社会のニーズを捉えたビジネスを推進するうえで、良きパートナーでありたいと考えています。そのために、専門性と先端テクノロジーをもって常に進化し続け、不確実性の高い社会におけるお客様のビジネスの成功を支援してまいります。

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