【主要プラクティスについて語る:メンバー対談】ジェネラル・コーポレート・プラクティス

ビジネスの早期段階から、法的論点を
探ってクライアントが真に抱える課題を見いだし、解決に導く―――。
創造的な「法務コンサルティング」を提供

多くの企業が今、コーポレートガバナンスの強化やDXの推進といったビジネス環境の変化により、日常的な業務運営から戦略的な意思決定に至るまで、さまざまなリーガルリスクにさらされています。PwC弁護士法人では、そうしたあらゆるリスクに対処するため、PwCの各メンバーファームのプロフェッショナルと連携しながら、クライアントの企業経営を全方位からサポートしていくジェネラル・コーポレート・プラクティスを提供しています。同プラクティスに関与しているメンバーに、取り組み状況や個々の仕事のやりがいなどを聞きました。

メンバー

PwC弁護士法人
パートナー/岩崎康幸弁護士(59期)※写真右から2人目
香川 隼人弁護士(69期)※写真右
熊川 新梧弁護士(72期)※写真左から2人目
フェルナンデス ラファエル 友徳(イングランドおよびウェールズ:法廷弁護士・事務弁護士、マレーシア。*日本では未登録)※写真左

※法人名、役職、インタビューの内容などは掲載当時(2024年7月)のものです。

幅広い法分野で潜在的なリスクを見いだす

――ジェネラル・コーポレート分野に関する取り組み状況を教えてください。

岩崎:企業は、日常的な業務運営から戦略的なプロジェクトまで幅広い事業活動を行っており、それぞれの場面において、潜在的なものを含めさまざまなリーガルリスクにさらされています。そのような企業をサポートするのが私たちの職務であり、企業法務におけるジェネラル・コーポレート分野の支援範囲は多岐にわたります。

いわゆる伝統的な法律事務所と同じく、私たちの日常的な業務の一例として、取引先等と締結する契約書の作成やレビュー、契約締結後に取引先等との間に問題が生じた際の契約文言の解釈や類似ケース等の参考になり得る判例等を踏まえての法的助言、相手方との交渉支援などが挙げられます。契約書のレビュー等は法務部における中心的な業務ですが、法務部人員の不足等によりマンパワーが足りない状況になったクライアントに対しては、法務のマネージドサービスとして契約書等のレビュー、株主総会・取締役会等の対応等を中心に法務部の支援を行っています。また、会社法等の法令等の解釈の検討、クライアントの事業に適用される法規制や法令等の改正時の対応、それらに関する法律メモランダムや意見書の作成などについても対応しています。

当プラクティスでは、クライアントからのそうした多様な相談一つひとつを多方面から検討し、潜在的なリーガルリスクへの対応を含め、クライアントの支援をしています。

――取り組むべき範囲は広そうですね。

岩崎:PwC弁護士法人のビジョンは法律専門家およびリーガルコンサルタントとして、クライアントが真に抱える課題に向き合い、解決に全力を注ぐことにより、継続的・発展的に信頼構築と価値創造に努め、ひいては社会の発展に貢献することにあります。ジェネラル・コーポレート・プラクティスでは、クライアントが抱えているさまざまな法的課題や企業の日常の活動において生じる法律問題に幅広く対応しています。

多様な専門家と“One Team”で課題に挑む

――ジェネラル・コーポレート・プラクティスの特色を教えてください。

岩崎:私たちの最大の特色は、“さまざまなプロフェッショナルとのコラボレーション”によりサービスを提供できることにあります。PwC弁護士法人内に、コーポレートのほか、金融、労働法、独占禁止法等の各種規制などの分野に精通しているメンバーがいることに加えて、弁護士法人以外のプロフェッショナルチームと連携してクライアントをサポートすることができます。

例えば、グローバルに事業を展開しているクライアントから「国外での取引関係やストラクチャーを見直したい」というご要望をいただく機会があります。そうした場合には、PwCのグローバルネットワークを生かしてクライアントが想定されている取引等に関連する現地の法規制の分析・検討を行います。また、PwC Japanグループの各法人のプロフェッショナルと連携して会計・税務的なインパクトを勘案しつつ、リーガル面でのアドバイスを行うこともあります。他のプロフェッショナルチームとの連携により、案件の早いタイミングから関与できる機会が少なくなく、そうした場合には早期の段階でクライアントの抱える課題に向き合って検討を開始することができます。

このように、PwC弁護士法人内外のメンバーと連携・協働することで、クライアントに総合的なサポートを提供しています。

――当プラクティスのやりがいについて教えてください。

香川:入所して間もない頃、ある新規テクノロジーを本格的に商業化するために組合への新規出資者を募るという案件を扱いました。新規性の高いビジネス案件だったこともあり、適宜官庁に相談したり、新規出資者との間で出資比率などの条件の交渉をしたりするなど関係者間の利害調整といった大変な面もありましたが、ディールアドバイザリーや監査法人などPwC Japanグループ4法人のメンバーと協働することができ、PwCの特色である“One Team”を体感することができました。まったく未知の論点をゼロベースから考えていくといった、法律家としてやりがいのある案件として印象深いです。

熊川:非上場会社において、上場に向けたインセンティブとして株式ベースの役員報酬を設計する案件に携わりました。案件の初期段階から携わり、PwC Japanグループ各法人のプロフェッショナルと協働しつつ、リーガルサービスを提供しました。前例が多くないと思われるなか、スキームの利点と欠点を検討するなど、クライアントのスキーム決定に深く関与できたことは貴重な経験でした。

フェルナンデス:日本企業の海外進出案件で、マレーシアおよび他国の法規制の検討も必要になり、税理士法人と協働でストラクチャーの組成に携わりました。私は外国法の弁護士ですが、PwC弁護士法人に入所前の海外の法律事務所で培った経験をもとに、法規制のみならず当該国の商習慣なども踏まえたアドバイスを、クライアントに寄り添いながら提供できた案件だったと思います。

香川:当事務所の特徴かもしれませんが、熊川弁護士が言うように、案件が具体化する前の段階の相談、つまり経営の意思決定に近いところで他の専門家と一緒に提案できる――法務コンサルティング的な動きができる――ことがPwCで働く醍醐味の一つだと、私も強く感じています。

――当プラクティスで、弁護士はどのような力を強化できますか。

香川:このプラクティスに関与する一番の魅力は、“弁護士としての基礎が身につく”点です。クライアントからの幅広い質問に対応する必要があるので、会社法、民法、労働法などさまざまな法律に精通していることが求められます。幅広い質問について、法的な観点から分析して問題点を把握し、関連する文献を調べ、それらを踏まえて自分の頭で考え、クライアントに分かりやすく説明・文章化することを心掛けています。それにより、弁護士としての基礎力である文章力やリサーチ力が向上していると思います。また、税務や監査などの分野横断的な知見も協働を通じて実地で学べる環境ですし、自分の得意分野を早く見つけられるのではないでしょうか。

熊川:このプラクティスで取り扱う案件は、課題が定まりきっていない手探りの状態で依頼されるケースも多いです。何が問題になりそうかリサーチし、PwC弁護士法人がイニシアティブを取って法的論点を整理するケースもあります。問題解決にあたり、クライアントから聞かれた質問に答えるだけでなく、私たちが主体的に案件を進めていく――。そうしたクリエイティブな力も身につくかと思います。

フェルナンデス:私がこのプラクティスの意義として感じているのは、クライアントに向けた法的支援が一度きりで終わるということがないという点です。設立前から事業の拡大や、企業が解散するまでのすべての段階にかかわることができ、ビジネスについて深く学ぶことができると感じています。

岩崎:私の場合、以前所属していた法律事務所では入所からの2~3年間はコーポレート以外の分野を中心に扱っていたので、ジェネラル・コーポレートにかかわる割合が多くはありませんでしたが、もう少し幅広い分野でクライアントの支援をしたいという思いから、弁護士3、4年目頃からジェネラル・コーポレートやM&Aに軸足を移し、今に至ります。そうした経験を踏まえて感じているのは、ジェネラル・コーポレート分野は幅広い知識と高度なリスク感知能力が必要だということです。先ほど申し上げたPwC弁護士法人のビジョンに基づき、法律専門家およびリーガルコンサルタントとしてクライアントを多方面で支援させていただく機会が多いのが当プラクティスの特徴ではないかと考えています。

――当プラクティスに関与してよかったことを教えてください。

香川:当プラクティスの関与パートナーは「案件全体をよく俯瞰されている」と、日々の業務を通じて感じます。パートナーにより、案件全体のマネジメント方法、クライアントへ提出する書面やクライアントへのメール案なども細かく見てもらえるので、大変勉強になっています。

また、当プラクティスの案件を通じて多様な法律問題に触れることができるため、クライアントの課題を多角的・複合的な視点で捉えることが可能になってきているように思います。

熊川:私たちが案件の進め方で迷ったり、悩ましい点が生じたりした時は、急なドアノックでもパートナーに親身になって相談に応じてもらえるので、とてもありがたいです。

フェルナンデス:各パートナーは、海外案件の経験が豊富で、各国の法律にも詳しいです。また、私たちからの相談のしやすさはもちろんですが、パートナーから私たちにも意見を求めてくださり、「案件について一緒に考える機会」をもらえることも貴重な学びの時間となっています。

“弁護士としての土台づくり”を丁寧にサポート

――これからどのような成果を上げていきたいか教えてください。

香川:案件全体を鳥瞰しつつ、必要に応じてPwC Japanグループ各法人のメンバーの協力を仰いでチームマネジメントを行うなど、案件全体を統括して滞りなく前に進めていくことが、果たすべき役割だと思っています。加えて、社会環境・経済環境の変化にアンテナを張り、その動向を踏まえた、リーガル面にとどまらない提案をクライアントに対して柔軟に行っていけるようになりたいと考えます。

熊川:このプラクティスならではの主体的な提案を行いつつ、法務コンサルティングに求められる力をさらに伸ばしていきたいと思っています。また、ほかの弁護士やPwC Japanグループ各法人との協働は当事務所で働くことの醍醐味ですが、各専門家に相談する前に、まず自分で論点を整理したり、例えばこのような場面ではこういった届出が必要といった勘所を磨いたりし、オールラウンドな能力を身につけていきたいと思います。

フェルナンデス:ジェネラル・コーポレート分野は、M&Aや組織再編などとも重なる部分が多いので、当プラクティスで得た知見をほかの分野で応用しながら、国内外のクライアントへの付加価値の高いアドバイスをしていきたいと思います。

――当プラクティスで、これから強化していきたい取り組みを教えてください。

岩崎:当プラクティスに関する情報発信の機会を増やすことです。現在、3カ月に1度、ジェネラル・コーポレート分野のニュースレターを発行しています。主な内容は、日本の法令の改正や裁判例のアップデートのほか、日本のクライアントに影響のある海外の法令についても発信していますが、まだ数としては多くありません。今後、PwCグローバルネットワークのLegalチームとの連携をさらに強化し、海外の法令 の状況などをこれまで以上に取り上げていきたいと思います。これは、キャリアにかかわらず、若手の弁護士にも積極的かつ主体的に関与してもらいたいと考えています。

――どんな弁護士に入所してほしいですか。

岩崎:弁護士のキャリアにおいて、専門分野を持つことは非常に重要です。もっとも、これから弁護士のキャリアを積んでいく若手弁護士においては、「弁護士のキャリアとしてどの分野を強めていきたいか」が最初から見えている方はそれほど多くないのではと想像します。当事務所では、若手弁護士にはできる限り幅広い分野を経験してもらい、それによって弁護士としての土台をつくり、その土台をベースに専門性を強めていってもらいたいと考えています。専門分野を決めていくタイミングは弁護士によってさまざまですが、興味ある分野にまい進したり、新規分野にチャレンジしたりする弁護士にとって、弁護士だけではなく多くの専門家がネットワーク内にいるPwCという環境は、経験できる分野が幅広く、多くのチャンスがあると考えています。

日本も海外も、法律や規制は常に変化しますし、新しいビジネスモデルの出現によって予想しなかった法的課題が発生しているのが、現在の状況です。ジェネラル・コーポレート分野に携わる弁護士は、クライアントの課題解決にあたって、これらの変化に対応していくため、常に学び続ける必要があるため、刺激の多い環境に身を置けると思います。法律の分野にとどまらず多様な社会変化を踏まえ、学ぶこと・変化することを楽しめる弁護士の関与をお待ちしています。