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金融危機後の国際的な金融規制の厳格化やマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策(AML/CFT)に対する国際社会からの要請を受けて、金融機関のコンプライアンス対応コストは増大し続けています。また暗号資産の登場や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を起因とする働き方の変革、さらにはテロやサイバー攻撃、自然災害等の発生時においてもオペレーショナルレジリエンス(重要な業務を継続できる能力)が求められるようになるなど、金融機関にとってさまざまなステークホルダーからの期待に応えるためのコストは、今後も上昇の一途を辿っていくものと予想されます。
このような中、銀行をはじめとする伝統的な金融機関にとって、増大するコンプライアンスコストを管理し、ますます複雑化するコンプライアンス業務に対応できる優秀な人材を確保・維持しながら、それらとトップラインの成長とのバランスをいかに取っていくかが重要な経営アジェンダの一つとなっています。
また、伝統的な金融機関以外のプレイヤー、例えばフィンテックを通じて送金などの金融サービスを提供する大手テクノロジー企業などにとっても、今後のビジネス展開にあたって、適切なコンプライアンス態勢の整備・運営が急務となっています。
グローバルなコンプライアンス対応において最もコストがかかる領域の一つとして、AML/CFT態勢整備などの金融犯罪対策が挙げられます。金融犯罪は、世界中の政府、規制監督当局にとっての課題であり、金融犯罪リスクの軽減にあたっては、金融犯罪に直面する金融機関の対応が鍵となります。
金融サービスを提供する企業は、金融犯罪の絶え間ない進化による新しい脅威への継続的な対応として、多くのシステム投資や業務プロセス改革、専門人材の登用等の施策を行っています。しかし、こうした施策の投資対効果を確保しながら、有効な打ち手を自社のみで継続的に実施することは容易ではありません。
このようなコンプライアンス領域が抱える課題(人・プロセス・IT)を解決するため、欧米の一部の先進的な金融機関では、コンプライアンス領域における業務・システム・人材等を自社で完結するのではなく、大規模なアウトソースを活用しています。
コンプライアンス領域のアウトソースを行うメリット(例)
特に、AML/CFTにおけるアウトソースは、AML/CFT規制対応の各種オペレーションをはじめ、コンプライアンス関連業務(FATCA/CRSモニタリング)などの幅広い規制対応業務へのソリューションとして注目されています。
金融機関がアウトソースを検討する契機・目的の例としては、①監督当局からの指示に基づく業務改善施策の一環 ②業務量の繁閑や急増が予想される場合の機動的な要員確保 ③通常業務(BAU)のコストの変動費化および継続的な総額削減 ④継続的品質の高度化などがあります。
AML/CFT領域の委託対象業務領域例
KYC/CDD | KYC/EDD | FATCA / CRS コンプライアンス |
取引モニタリング |
ネームスクリーニング | 制裁者スクリーニング |
ESG関連 | コンプライアンス モニタリング |
ネガティブニュース スクリーニング |
こうしたニーズに応えるため、PwCは、コンプライアンス領域での業務受託にあたり、「人、プロセス、IT」にコンプライアンス領域の専門知識を付加してサービスを提供しています。これをPwCではコンプライアンス領域のマネージドサービスと呼んでいます。コンプライアンス領域の業務を外部の第三者に委託する場合、通常、複雑かつ中長期的な対応が求められます。PwCは、データ分析、RPAによる自動化、AIなどの最先端デジタル技術やグローバル規制対応から得た知見を基に構築した独自のマネージドサービスモデルに基づき、金融業界のコンプライアンス領域に関するインサイト、テクノロジーの専門知識、業務運営管理・オペレーション支援の豊富な経験を通じて培ったノウハウも活用しながら、金融機関のコンプライアンス対応を包括的に支援します。
例えばAML/CFT対応における取引フィルタリング結果のチェック作業の場合、通常金融機関が人海戦術で対応している労働集約的な業務自体はもとより、その業務の実施や効率化のためのシステム開発支援・人材採用・教育等の運用も含めて受託し、SLA(Service Level Agreement)で定義したサービス品質に基づいたサービスを提供します。
また最近では、取引先企業のESGリスクの内部格付に必要な情報(環境や人権リスクに関連する取引先のKYC情報)の収集も支援しています。
PwCは、金融機関等から金融犯罪対策関連業務を受託するための専門組織であるFinancial Crime Operation Centre(FCOC)をグローバルで展開しています。金融犯罪対策関連業務に特化した人材が、PwCネットワーク内のコンプライアンスや金融規制アドバイザリーの専門家のサポートを受けながら、ハイレベルなトレーニングプログラムを通じてスキル向上に努めています。また、新しいテクノロジー・ツールへの積極的な投資を通じて、高品質でありながらコスト効率の良い業務処理を行っています。世界に3つのデリバリーハブと6つのニアショア/オンショアセンターを有し、同一のオペレーティングモデルのもと、幅広いサービスをグローバルネットワークのどこからでも柔軟に提供できる体制を構築しています。
PwCは、金融犯罪規制対応業務の受託に関して以下のような強みを有しています。
主要国で規制対応のコンサルティングサービスを提供しており、規制当局とも関係を構築しています。また、大手金融機関を対象とした金融犯罪対応関連業務に豊富な実績があります。こうしたネットワークと経験を生かしながら、効果的かつ効率的なオペレーションを通じて法令・規制遵守の実現を支援します。
オペレーションをアウトソースするにあたり、他のプロセスへの影響を最小限にするために、PwCのFCOCは24時間、週5日のオペレーションができる体制を構築しています。例えば、日本との時差が1時間のフィリピン・マニラに有する金融犯罪対策関連業務の専門チームによって、日本へのタイムリーな対応が可能です。
PwCのFCOCは、金融犯罪対策関連業務を専門に受託し、オペレーショナルレジリエンスを強化しています。委託元の外部委託先管理の基準に準拠し、委託元からのモニタリングを受けながら、適切に業務を実施します。
金融犯罪対策関連業務の専門チームとして経験豊富な人材を確保しているほか、明確なキャリア目標の設定と専門性の高いトレーニングプログラムやOJTを通じて、継続的な能力向上を可能にする体制を構築しています。
AIやRPAなどの独自のテクノロジー・ツールに積極的に投資を行っています。こうしたテクノロジーに加え、グローバルな受託経験を通じて培ってきた独自のノウハウを生かし、高品質かつ効率のよい業務プロセス構築を実現します。
複数の欧州系金融機関では、金融監督当局からの度重なる制裁金の徴収や規制強化の流れを受けて、KYC・顧客管理プロセス改善の必要性に直面していました。国内外で顧客管理情報の品質が低下するとともに、定期的または事象発生時のKYCレビューのバックログが大量に積み上がるという問題が発生していました。これらの金融機関では、短期間で金融監督当局の期待に応える品質水準のKYCプロセス改善を自社で実施するのは困難と判断し、PwCにアウトソースすることを決断しました。
PwCはOngoing(継続的)KYCにおけるKYCプロセス改善として、欧州数カ国の本部・海外拠点と米国法人KYC業務へのリソース展開、業務運営基準の設定やトレーニング、品質管理の評価やモニタリングを実施しました。その後、KYCプロセス改善だけでなく、Onboarding(取引開始時)KYCや取引モニタリング、取引フィルタリングなどその他のAML/CFT領域の業務レビューも実施したほか、コンダクトリスクのレビューなどAML/CFT以外のコンプライアンス領域へも支援を拡大しています。
PwCはコンプライアンス領域におけるマネージドサービスを通じて、金融機関のクライアントが企業価値を向上し、コンプライアンス態勢の高度化・効率化にスピーディーに対応しながら「攻めの経営戦略」を策定できるよう支援します。