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2021年末をもって、LIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の公表が、一部テナー(期間)を除き、恒久的に停止されました。LIBORの公表が継続される一部テナーにおいても、原則として新規商品でLIBORを使用することができなくなるため、企業は、複数の代替金利指標が混在するLIBOR公表停止後の世界に適応していく必要があります。
LIBORはLondon Interbank Offered Rateの略で、ロンドンの銀行間資金貸借市場において主要な銀行が無担保で資金を調達する場合の調達コストを示す金利指標です。LIBORは、金融機関のみならず、機関投資家や事業法人などの金融市場参加者により、金利スワップをはじめとしたデリバティブ取引、債券、ローンなどの参照金利として30年以上にわたり利用されてきました。
しかし近年は、LIBOR算出の基礎となる銀行間の無担保短期資金貸借市場の実取引高が著しく減少し、世界の主要銀行の資金調達コストの実態を反映していないことが問題となっていました。そして、2012年に発覚したパネル銀行による不正操作事件を端緒に金利指標改革が始まり、2017年7月には英国FCA(金融行為規制機構)のベイリー長官(当時)が2021年末をもってLIBOR算出に使用するためのレート提示をパネル銀行に強制しない旨の発表を行いました。その後、世界中でLIBORからの移行作業が本格化し、2021年3月、FCAおよびIBA(ICE Benchmark Administration)がLIBOR公表停止に関する公式発表を行い、35のLIBORテナー全てについて「恒久的停止」または「代表性喪失」が宣言され、LIBOR廃止のスケジュールが明確になりました(図表1)。
2017年以降、各国・地域の移行検討体、業界団体および金融監督当局により、LIBORから新しい金利指標への具体的な移行アプローチやガイダンスが公表されているほか、代替金利指標への移行が困難な「タフレガシー」と呼ばれる既存契約を法律により移行させるための立法的救済案が各国・地域の議会で審議、または可決されています。
LIBORの公表停止と新たな金利指標への移行に伴う影響範囲や課題は各社で異なりますが、企業は、影響度の計測・評価、リスクおよび時価評価モデルの再構築、システム・プロセスの変更、契約書の修正、顧客への説明や規制当局への対応など、市場の発展・動向を注視しながら、広範にわたる検討と対応を行っていく必要があります。
LIBORが公表停止となった後の金融市場は、複数の金利指標を商品の目的や特性に応じて使い分ける「複数金利システム」を採用するようになると見られます。その中でも、LIBORの後継金利指標の一つとして各国・地域の金融監督当局から推奨されている翌日物金利(およびそれに基づく後決め複利金利)は、基礎とする資金市場の流動性が高く、価格マニピュレーションに対して頑健であることから、LIBOR問題の根本を解決する金利指標として多くの国・地域の市場参加者から期待されています。
しかし、後決め複利金利は、一定期間の利息額が事前に確定するLIBORなどのターム物金利と異なり、日次で公表される翌日物金利を積み上げて一定期間内の利息を計算する必要があることから、利息額が確定するのは支払日直前となる性質があります。このため、利払い時までの時間的余裕を確保するための業界慣習(コンベンション)が多数開発されており、利息計算方法が多岐にわたりかつ複雑になる傾向があります。
PwCは、これまで国内外の金融機関のLIBOR移行を支援してきた経験と業界・市場動向に関する知見をもとに、後決め複利金利計算のためのコンベンションを網羅的にカバーするとともに、その他多くの条件設定に対応可能な金利計算ソリューションを提供します。
PwC JapanグループおよびPwCグローバルネットワークにおける各業界・分野の専門家が、クライアントの課題やニーズに応じた支援を行います。
後決め複利金利計算のためのコンベンションを網羅的にカバーし、その他多くの条件設定に柔軟に対応する金利計算ソリューションを提供します。
業界や市場、金利指標ユーザーの動向に関する調査・情報のとりまとめのほか、分析資料の作成、規制当局への対応を支援します。
顧客へのコミュニケーションアプローチの提案のほか、顧客向け説明資料の作成を支援します。
ユーザー要件定義、ユーザーテストを含むオペレーション、データやテクノロジーに関する各種インフラの整備・改修を支援します。
直接的または間接的にLIBORを参照する既存契約の棚卸し、分類および修正のほか、新しい金利指標を参照する契約書の作成に関する支援を行います。
LIBORの公表停止に伴う業務・プロセス(ガバナンス、モニタリングを含む)の整備・構築のほか、規定・手続き・マニュアルなどの作成・改訂を支援します。
各企業の実情を踏まえたプロジェクト体制の構築、タスク調整、進捗・課題管理などのプロジェクト運営全般を支援します。また海外拠点向け説明資料・指示書の作成など、海外拠点とのコミュニケーションも支援します。