自治体変革・地方創生推進支援

自治体DX・地方創生を契機とするヒューマンセントリックな変革

自治体運営の在り方が大きな転機を迎えています。少子化の進展や大都市への人口集中を背景に、地方都市には労働力不足、医療費の高騰、インフラ維持コストの増加、優秀な人材の流出など、解決すべき重要な課題が山積しています。これらは社会にさまざまな歪みをもたらすことが予想され、各地の自治体は実態に則して、これらの課題を克服できる街づくりに取り組むことが急務となっています。同時に、中央省庁による電子政府およびデジタルガバメントの推進や自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)も避けては通れない課題です。各自治体は、この機に地方自治の在り方を再検討し、効率的な組織構造や業務プロセスの変革、官民連携に基づく持続的かつ安定的な地域サービスの充実を早急に図る必要があります。

都市運営を推進する自治体には、DXを通じて自身が変化すると同時に地域に変化を起こすこと、すなわち「自治体DX」の推進が求められます。一方で自治体運営には「安定すること」「継続すること」「失敗しないこと」が重視される側面もあり、この両輪が回る組織変革が重要になります。

PwCは上記の課題克服を視野に、行政サービスの再設計や、その基盤となるプラットフォームの変革を通じ、人間中心思考(ヒューマンセントリック)に基づいた地域の変革を支援しています。また同時に、地域課題の解決に向けて多様なステークホルダーをつなぐ役割を担い、持続可能な地方創生に貢献しています。

自治体の現状

住民に安心をもたらす基盤であり、街づくりの重要な要素の1つである公共サービス・インフラを取り巻く課題は深刻です。自治体には、「人口減による需要・歳入の減少が地域財政の悪化につながり、サービスやインフラの品質低下が地域の魅力を落とす」という負のスパイラルを打破することが求められています。しかし地域が抱える課題は一様ではないため、地域事情に即した施策を見極め、実行する必要があります。

需要・歳入の減少:人口減少、域外への人口流出、地域経済の停滞・縮小による需要の後退、生産年齢人口の減少に伴う歳入の減少

収支の悪化:老朽化した設備の更新費用の増大、人口密度低下による利用者あたりの拠点・インフラ維持コストの増加、将来世代を含めた費用負担の増加

生活インフラの品質低下:インフラの更新・維持水準の低下、供給品質の低下、サービス拠点の統廃合による利便性の低下、水準の切り下げ

地域の魅力低下:サービスの地域格差拡大、利用料金の上昇、インフラの可用性低下、住民サポートの減少

地域を変革するためにPwCが大切にしている考え方

PwCは自治体DXを1つの契機と捉え、負のスパイラルを打破し、地域住民一人ひとりの価値と幸福度の向上を目指します。そのために、以下の3つのコンセプトを掲げています。

No 1

行政組織を「デジタルファースト」にする。一人ひとりの行動やマインドに変革を促すための組織の在り方を整理する。効率化や資源の最適化だけではなく、未来の在るべき地方自治の姿も念頭に置きながら、他の自治体との連携を検討するなど、より働きやすい組織を実現する

No 2

従来の業務内容や前例にとらわれることなく、人間中心に物事を考え、共感を持って物事を推進するためのマインドやスキルを習得する。個人の能力を最大限発揮しながら、多様性を生かした働き方を実践できる職員の育成を実現する

No 3

スマートシティやサステナビリティシティ、SDGs、BCP(災害時事業継続計画)などに対応し、地域が目指す未来に向けて持続的にコミットできる仕組みを組成する。自治体内や地域内に多様なセクターが集結することでワンチームとなって地域の未来を創り出すような活動を実現する

自治体の変革や地方創生に向けたPwCの取り組み

PwCは中央省庁や自治体とのリレーションを生かすことで、さまざまな課題やハードルを理解しながら情報を集約し、必要な施策や基本的な考え方を取りまとめます。また、自治体に有益な情報を提供することで、各自治体が地域変革を進めるためのきっかけを作ります。

さらに、デジタルを活用した指標や基準を作り、お互いの立場を理解しつつ共感によって協働できる体制を構築します。この体制を通じ、PwCのネットワーク内だけではなく、さまざまなプレイヤーが連携し、地域変革に向けたプロセス開発やサービスの提供・支援をよりオープンかつコラボレイティブに行えるエコシステムの形成を実現します。

PwCの自治体の変革に向けた 取り組み

1.変革を推進する組織変革および地方創生をリードする人材の育成

地域変革のためには、外部と協働する推進体制を構築し、適切な運用を実現するとともに、職員や地域住民の一人ひとりがデジタル化や地域との協働を理解した上で、無理のない取り組みから始めることが必要です。PwCでは、自治体職員のリーダー育成計画の策定、組織チェンジマネジメントの支援、地方企業の成長・協働に向けた人材確保支援政策、支援機関の業務改善などを通じて、組織と人の変革に取り組んでいます。

2.地域変革や地方創生に向けた指標の活用

デジタル化や地方創生の達成状況については、担当職員だけではなく、自治体組織内や地域全体で共通認識を持つことが重要です。また、取り組みの効果測定を客観的に行い、結果分析に基づいてPDCAを適切に回す必要があります。PwCでは、DX成熟度を明らかにする診断や他自治体との比較検討など、相対的な評価が可能な指標の構築に取り組んでいます。

3.デジタル活用を促すツールやソリューションの提供

自治体の標準化、共通化、統合化にあたっては、個別にデジタルツールを開発するのではなく、民間企業が提供するデジタルソリューションを効果的に組み合わせることで、達成したい目標を実現させることが重要です。PwCでは自治体の業務やシステムの統合化を見据え、業務プロセスの改善や効率化、可視化に必要なデジタルソリューションを提供しています。また、福祉政策、SDGs、エネルギー、教育など多様な政策テーマにおいて、地域の課題と現状に即して地方創生を達成のために政策の立案支援、地域企業の事業成長、自治体が推進する地域の新しい魅力づくりにも取り組んでいます。

4.協働を達成するネットワーキング支援

デジタル化は物事を複製可能にし、面的に拡大する性質をもたらします。ツールやソリューション、知見はデジタル化により標準化、共通化、統合化が可能となるため、自治体が個別に変革に向けて取り組むのではなく、共感する自治体同士で情報や知見を共有し、協働することが重要です。また、他の自治体に加え、民間企業や教育機関、NPOといった多様なプレイヤーとも連携し、課題解決に向けてアプローチすることが求められます。PwCでは、自治体間でのネットワーキングに加え、社会課題にアプローチする多様なセクターとの協働の実現に取り組んでいます。

5.地域共創による地方創生の達成

人口減少に伴う経済・労働基盤の弱体化や住民サービスの縮小を乗り越えるためには、地域全体で課題を捉え、共創することで持続的な街づくりを進めることが重要です。PwCでは自治体および地域の民間団体からニーズや課題をヒアリングし、SDGsの達成と、さまざまな地域課題の解決を同時に実現できるような取り組みの検討、およびそのための体制の構築を支援しています。また、地域の産学官および金融機関、非営利団体との連携をコーディネートすることで、持続的な政策モデルの構築やビジネスの検討をサポートしています。

PwCでは、以下のテーマを中心に多様な課題に対応しています。

「ソーシャルビジネスの立ち上げ」「SDGsの達成」「新技術の活用」「スマートシティ」「宇宙事業」「新規事業創出」「エネルギー受給」「産学官連携」「教育変革」「事業再生」「地域人材確保」


自治体DXを契機とするヒューマンセントリックな変革推進のためのガイドライン

2020年12月に総務省が公表した「自治体DX推進計画」では、自治体DX推進の意義として、“誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化”が掲げられたほか、デジタル技術・データを活用した住民の利便性の向上、多様な主体との連携による民間のデジタルビジネスなど新たな価値の創出、などが示されました。同時に重点取り組み事項として、自治体の情報システムの標準化・共通化やマイナンバーカードの普及促進、自治体の行政手続きのオンライン化、自治体のAI・RPAの利用促進、テレワークの推進、セキュリティ対策の徹底が表明されました。

PwCでは、自治体DX推進の意義のなかでも、特に“誰一人取り残さない、人に優しいデジタル化”を実現するためには、重点取り組み事項だけに注目するのではなく、自治体DXを地域の未来創造につなげるという意識が重要であり、住民・行政職員双方の視点を重視して「人間中心」に進めることが必要不可欠であると考え、「自治体DXを契機とするヒューマンセントリックな変革推進のためのガイドライン」を作成しました。ガイドラインでは、自治体がDX推進に向けて取るべきファーストアクションを提案しています。

ガイドライン ダウンロードフォームはこちら

「自治体DXを契機とするヒューマンセントリックな変革推進のためのガイドライン」抜粋


社会課題解決に向けたガイドライン―コレクティブインパクトを追求する

PwCではソーシャル・インパクト・イニシアチブ(SII:Social Impact Initiative)という取り組みを推進しており、「社会課題解決を進め、経済的価値と社会的・環境的価値の両立を目指しながら、ビジネスで優位性を示すモデル構築を支援する」というミッションの遂行を目指しています。SIIでは、社会課題の解決に取り組むPwCの考え方を広く紹介することで、多くの社会課題の解決に挑戦する人々の参考としていただくこと、またSIIとの共創に興味を持っていただける方々とのネットワークを広げていくことを目的として、「社会課題解決に向けたガイドライン」を作成しました。

私たちはビジネスありきではなく、社会課題の解決を最優先に捉える新たな活動に挑戦することで、社会課題解決に挑む多様なプレイヤーとのつながりの拡大と社会課題解決を通じた共創の拡大を繰り返し、社会課題の極小化と社会変革を目指しています。

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社会課題解決に向けたガイドライン― コレクティブインパクトを追求する

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主要メンバー

金行 良一

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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中林 優介

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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草野 秀樹

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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井村 慎

シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社

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