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2020-08-24
PwCあらた有限責任監査法人(以下、PwCあらた)は、「デジタル社会に信頼を築くリーディングファーム」となることをビジョンとして掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と個々のデジタルスキル向上に取り組んでいます。
ここでは私たちの監査業務変革の取り組みや、デジタル化の成功事例や失敗を通じて得た知見を紹介します。これからデジタル化に取り組まれる企業やDX推進に行き詰まっている企業の課題解決にお役立ていただければ幸いです。
※法人名、部門名、役職、コラムの内容などは掲載当時のものです。
現代は「非連続な時代」と言われる通り、あらゆる業界でかつて経験したことがない大きな変化が訪れています。こうした時代においては、過去の成功体験や他の業界の先進事例を適用しても、効果的な解を導き出すことは難しいと言えます。
ビジネスやテクノロジーが非連続的に変化する世の中に対応するために、PwCは、未来創造型のコンサルティング方法論「思索的未来デザイン(Speculative Future Design)」という手法を採り入れています。私たちも監査業務におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するにあたり、このアプローチを活用して未来の監査や監査人のあるべき姿を検討しています。監査に限らず、あらゆる業種で十分に活用できる内容であると考え、その手法と成果を紹介します。
思索的未来デザインにおいては、既存のビジネスの延長線を超えたところに存在する「起こり得る未来」を創造し、バックキャスト(逆算)型のアプローチにより、あるべき未来の実現に向けた実行計画を策定します。私たちの監査業務においても、以下のようにこのアプローチを活用しています。
まず初めに、未来の社会や産業、企業や個人の在り方の変化の予兆となるさまざまな情報を収集し、各々が監査にどのような影響を与え得るかという観点でキュレーション(整理・編集)します。キュレーションの結果が、未来の監査の理想像や未来の監査人のあるべき姿を具体的に描き出すための基本材料となります。図表1に例を記します。
続いて、可能な限り幅広い役職や部門から参加者を募り、既存の監査業務に存在する常識や個々人の認知バイアスを打破することに注力したワークショップを実施します。図表1にあるように、監査を取り巻く変化の予兆は政治、経済、ビジネス環境(社会)、技術などあらゆる面に現れます。「在宅勤務(リモートワーク)が当たり前に」「あらゆる取引がデジタル化する」など、具体的な事象を洗い出し、時間軸で並べます。キュレーションされた情報をベースとしながらも、バックグラウンドの異なる参加者の想像力を発揮して、さまざまな観点から監査に与える影響を導出します。導き出された影響に対する対応策(「リモート監査への対応」「データ分析スキルの習得」など)を検討することで、非連続な未来における監査の理想像を具体的にイメージしていきます。
最後に、あるべき監査の未来の実現に向けて、バックキャストで必要となる打ち手を検討し、研究開発戦略や技術ロードマップを立案します。不確実な未来を起点として検討を進めるため、技術や社会環境といった外部環境変化に対応した複数のシナリオを用意し、各々に対する施策を準備することが求められます。また、策定した戦略やロードマップはあくまで現時点での想定であるので、定期的に同様のプロセスを用いて、実態に則したものにアップデートしていく必要があります。
こうした取り組みを実際に行ってみて思うのは、組織全体のDXへの関心を喚起することの重要性です。一人ひとりがデジタル化を推進する当事者としての意識を強めることで、あるべき未来の実現はぐっと近づくと信じています。PwCあらたは、以上のような取り組みを通じて策定した監査技術ロードマップを用いて、デジタル化への道を一歩ずつ着実に歩みながら、新たな時代における社会の信頼構築に貢献していきたいと考えています。