
各国サイバーセキュリティ法令・政策動向シリーズ(5)ブラジル
各国サイバーセキュリティ法令・政策動向シリーズの第5回目として、ブラジルのデジタル戦略と組織体制、セキュリティにかかわる政策や法令とその動向などについて最新情報を解説します。
各国サイバーセキュリティ法令・政策動向シリーズでは中国・台湾、インド、シンガポール、メキシコ、ブラジル、米国の近年(主に2023年から2024年にかけて)におけるデジタル・サイバーセキュリティの動向および将来の見通しについて解説します。本シリーズは、グローバル展開している国内企業のIT、サイバーセキュリティ、法務部門の責任者、デジタル政策・規制動向に関心を持つ責任者を対象としています。主要国・地域で進むデジタル政府化の取り組み、セキュリティ法規制、あるいはAI規制のような最新動向を早期に把握し、対応に優先順位を付けたい、向こう数年で発生しうるリスクを理解したいという方への一助になることを目指しています。
第1回目は中国(大陸)および台湾についての最新情報を解説します。
中国ではデジタル化を担当する政府部局について、歴史的にさまざまな変遷がありました。しかしながら、2023年10月25日に国家データ局が設立され、それ以降現在に至るまで、中央政府レベルにおける行政のデジタル化に関係する最重要官庁は国家データ局だと評することが可能です。国家データ局は中央政府が有するデータを統一的に管理し、また、行政を含む中国のデジタル化推進についても責任を負います。
中国のデジタル政策においては、地方政府が重要な権限を行使していることに留意が必要です。地方政府においても、山東省が2018年にデジタル関係の専門機関であるビッグデータ局等を設立したことを端緒として、続々と各地方政府においてデジタル政策の司令塔になる機関が設立されました。中央政府が国家データ局を設立する発表*1においても、「省レベルの地方政府のデータ管理機関は、実情に合わせて編成される」としています。つまり、国家データ局設立が決定された後においても、引き続き各地方政府に対し、その実情に符合するデータ管理のための組織体制の構築を促しています。
このような組織体制を踏まえ、例えば、日系企業が政府関係の許認可申請を行う等の際にデジタル政府のサービスを受けたり、また、日系IT企業がデジタル政府サービスのプロジェクトに関与したりするにあたり、まずはそれが中央政府のデジタル化の問題か、それとも地方政府のデジタル化なのか留意が必要です。その上で、例えば中央政府であれば「国家データ局の管掌ではないか」という発想で確認を行うべきです*2。これに対し、地方政府においては、例えば、山東省なら同省ビッグデータ局等、それぞれの司令塔が既に設置されている可能性があります。そこで、かかる関係部局を確認する必要があります。かつ、地方政府がそれぞれ司令塔を持って独自にデジタル政策を推進するということから、地方によって政策が異なり得る可能性に留意が必要です。また2022年から始まった「東算西数」プロジェクトでは、東部と西部のデータセンターの役割を分けるなど、データセンターも場所によって用途が異なる可能性があります。
デジタル政府化以前から、政府は大量の重要情報を収集してきました。例えば、幹部人事档案と呼ばれる、政府関係者のさまざまな経歴や思想等に関する情報を管理しています*3。そして、このような重要な情報を守るため、行政内部において情報管理措置を講じるべきことを定める法令は数多く存在します。例えば、国家秘密保護法、個人情報保護法、サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法等です。
そして、2007年からは、情報の内容により、重要度に応じてレベル分けしてセキュリティ対策を行う旨を規定する「レベル別の情報安全保護の管理弁法」に基づく対応がなされています。
このように、一定の情報管理体制は存在するものの、地方においては、各地方政府が情報管理措置に関するルールを独自に定めています。その結果として、地方政府における情報管理措置の程度に差が生じてしまい、一部に非常に厳しい管理をする地方政府もあるものの、緩やかな管理に留まる地方政府も存在します。そこで、緩やかな管理しか行わない地方政府のシステムがいわば「ループホール」になり、そこからその地方政府のシステムと接続された他の地方政府や中央政府のシステムからの大規模な情報漏洩などの事故が発生する危険があると指摘されています。
例えば日系IT企業が政府のITプロジェクトを受注する場合には、このようなレベル別の情報安全保護管理等を適切に行っていく必要があります。とりわけ、地方政府によっては要求が異なるものの、多くの場合には、最低ラインの水準が異なるというだけであり、最低ライン以上の安全対策を講じることは禁止されていません。そこで、最低ラインに関する要求が低い地方政府のプロジェクトであっても、自社のITサービスが「ループホール」にならないよう、より厳格な管理を行うべきです。2025年1月に施行された「ネットワークデータセキュリティ管理規定」は、中国サイバー三法(サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、個人情報保護法)に基づいて、中国国内でのデータ処理、中国の自然人の個人情報、中国の国益に影響する外部でのデータ処理に適用されます。データ処理者は、技術的措置によりデータセキュリティを強化することが求められ、個人情報を取り扱う前に、連絡先、処理方法、保存期間、データに関する個人の権利など、処理の詳細を明確に開示しなければなりません*4。
中国では、企業等と政府間のやり取りのためのIDについて、電子営業資格証明書と統一社会信用コードが利用されています。電子営業資格証明書は、紙の営業資格証明書と同じ法的効果を有し、市場監督管理部門がこれを発行します。また、統一社会信用コードは、2015年から全国で統一的に法人等に対して付与する18桁の番号です。この統一社会信用コードを利用して企業を特定し、中国信用ネット(第三者信用プラットフォーム)上で公示される企業情報等を閲覧可能です。
中国では複数のサイバーセキュリティ組織が存在しますが、国家インターネット情報弁公室(CAC)が、中央でセキュリティ基本方針の策定と統括を行う司令塔になっています。また、国家データ局が行政デジタル化、データの全体管理などを統括しています。
また法規制では、中国はサイバーセキュリティの課題を国家安全保障に組み込んでおり、前述の中国サイバー三法(サイバーセキュリティ法、データセキュリティ法、個人情報保護法)の制定により、中国においてビジネスを展開する日本企業に対してコンプライアンス義務を課しています*5。
「第十四次五か年」国家情報化計画
2021年12月に「『第十四次五か年』国家情報化計画」*6が発表さました。同計画において、2025年までを目標とする、デジタル基盤インフラ体系の構築、デジタル社会ガバナンス体系の構築およびデジタル政府サービス体系の構築等の10項目の主要任務が定められ、これらの任務を遂行するため、5Gイノベーション応用プロジェクトなど17の重点プロジェクトが実施されることとなっています。
「第十四次五か年」国家政務情報化推進計画
同2021年12月には、政府サービスのデジタル化に特化した5年計画である「『第十四次五か年』国家政務情報化推進計画」*7も発表されました。2025年までの5年間において、行政ビッグデータの高度な活用、全国統一の電子政務プラットフォームの構築および行政・司法・市場管理・公共安全保障等が協調したガバナンスシステムの整備を完成させるという3つの目標が掲げられています。
「データ要素×」行動計画
国家データ局は16の官庁と共同で2024年1月に、「『データ要素×』3ヵ年行動計画(2024~2026年)」*8を発表しました。ここでいう「×」は、掛け算を意味しており、データという要素をさまざまな分野に「掛け算」することで、デジタル化を促進し、各分野をさらに発展させることを意図しています。同計画において、とりわけ、金融、医療、交通などの分野でデータ要素を活用し、デジタル化を促進することが志向されています。
「AI+(プラス)」政策
2024年3月5日の全国人民代表大会の政府活動報告で「AI+」政策が提起されました*9。ここでいう「AI+」は、大規模言語モデル、ビッグデータ等の技術に基づき、AIと各業界を深く融合させ、新たな発展のためのエコシステムを創造することを目指した活動のことです*10。2024年7月に中国サイバースペース管理局から発表された「全国AI産業総合標準化システム構築のためのガイドライン(2024年版)」*11は、「AI+」のニーズを満たすためのガイドラインとして、イノベーション主導型・市場志向型発展の堅持、産業チェーンにおける産業協力、国際標準化と協力を含む一般的要件、AIの標準アーキテクチャ、技術標準と要件、AI標準システムの枠組みを含む構築案などについて概説しています。
その他
商務部は2024年4月28日に「デジタルビジネス3年行動計画(2024~2026年)」*12を発表し、国家発展改革委員会、国家データ局、財政部および自然資源部は2024年5月14日に「スマートシティの発展を深化させ、都市の全面的なデジタル化転換を推進するための指導意見」*13を公布しました。また、2024年6月5日に「国家人工知能産業総合標準化体系建設ガイドライン(2024年)」*14が、同年7月1日に「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)標準化技術委員会設立計画」*15が、同日「人工知能標準化技術委員会設立計画」*16が公表されています。
中国のAIに関する国家戦略全体は、政策、既存法令、アルゴリズム規制、倫理規制およびAI標準で構成されています。法制度については、既存のサイバーセキュリティ関連法令を活用しながら、AI関連の規制を制定する方式になっています*17。2025年に入り、中国企業が開発した生成AIが大きな関心を呼んでいます。今後も中国から出て来る新興AI技術は常にウォッチが必要になると考えられます。
台湾では2022年8月27日にデジタル発展部が設置され、デジタル化に関する業務が同部に移管されました。同部は、デジタル化に加え、「デジタルトランスフォーメーション、データガバナンス、デジタル法制、人材育成及びイノベーションサンドボックス」等の業務も所管しています。
日系企業はデジタル発展部と密接なコミュニケーションを行いながら、政府のデジタル化の最新状況にキャッチアップしていくべきです。
2019年1月1日に施行された情報通信安全管理法が台湾におけるサイバーセキュリティに関する主要な法令であり、それに基づいて情報管理体制が敷かれています(図表1)*18。
情報通信安全管理法は、基本的に、台湾の公務機関および(重要な基礎インフラの提供者を含むがこれに限られない)特定非公務機関を対象としています。そして、図1のとおり、情報管理としては大まかに「情報通信安全メンテナンス計画」と「通報・対応メカニズム」という2つのルートに分かれ、各ルートにおいて事前、発生中(事中)、および事後という3つの段階に分かれています。
日系企業が当局関係プロジェクトに関与する場合はもちろん、重要インフラを提供するのであればたとえ当局と無関係であっても、情報通信安全管理法の対象となり得ることに留意が必要です。そこで、同法および下位法令の内容やその実務対応等を把握しておく必要があります。
現在は、ICチップが搭載されていない第6代と言われる公的身分証明書が利用されています。当該身分証明書に掲載されるID番号は、既に台湾における当局のデジタルサービスに用いられており、その意味では、デジタルID(eID)としても用いられています。
ICチップを搭載した第7代公的身分証明書(New eID)の導入の動きはありましたが、法整備の不完全性や情報セキュリティ上の問題の影響などがあって頓挫しており、2024年11月末現在でも第7代公的身分証明書は導入されていません。日系企業としては、今後のNew eIDの導入の動きに注目する必要があります。
蔡英文政権(当時)は2016年から「デジタル『国家』・スマートアイランド」の方針を掲げました。その実施計画は、2021年に「デジタル『国家』・革新的経済発展プラン(2017-2025)」*20から「スマート『国家』プラン(2021-2025)」*21へと変更されました。「スマート『国家』プラン(2021-2025)」は「2030年までに革新、包摂、持続可能なスマート『国家』の実現」をビジョンとし、「デジタル基盤」「デジタル革新」「デジタルガバナンス」および「デジタル包摂」という4つの主要な軸に注力し、2025年までに、以下の目標を達成することを目指しています。
このように、中国(大陸)および台湾においては、さまざまなデジタル政府に関する動向が見受けられ、日系企業への影響も少なくありません。例えば中国の場合は、前述のように中央政府と地方政府で異なるデータを所轄する官庁があり、地方政府間でもセキュリティレベルにばらつきがあるため、自社がセキュリティ上ループホールとならないよう、地方政府のITシステムと関わる日系企業は留意が必要になります。また、台湾には情報通信安全管理法改正等、法令・政策環境が急速に変化しています。このようなめまぐるしく変わる状況に対応していくことが中国大陸や台湾でビジネスを行う日本企業・日系企業にとって重要となります。
*1 中共中央・国務院「党及び国家機構改革法案」2023年3月16日(http://www.gov.cn/zhengce/2023-03/16/content_5747072.htm?dzb=true、2024年12月27日閲覧、以下同じ)
*2 但し、例えば、インシデント対応等、国家データ局に移管されていないデジタル政府関係の業務があることにも留意が必要です。
*3 石本茂彦ほか編著「中国のデジタル戦略と法-中国情報法の現在地とデジタル社会のゆくえ」(弘文堂、2022年)273頁参照。
*4 『网络数据安全管理条例』。https://www.gov.cn/zhengce/content/202409/content_6977766.htm
*5 中国サイバー三法の詳細は以下参照。
https://www.pwc.com/jp/ja/services/digital-trust/privacy/china-security.html
*6 中央サイバーセキュリティ及び情報化委員会弁公室「『第十四次五か年』国家情報化計画」2021年12月28日
https://www.gov.cn/xinwen/2021-12/28/5664873/files/1760823a103e4d75ac681564fe481af4.pdf
*7 国家発展改革委員会「「『第十四次五か年』国家政務情報化推進計画」2021年12月24日
https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/2022-01/06/5666746/files/cbff2937df654b44a04c6ef9d43549e9.pdf
*8 国家データ局ほか「『データ要素×』3ヵ年行動計画(2024~2026年)」2024年1月5日
https://www.cac.gov.cn/2024-01/05/c_1706119078060945.htm
*9 国務院「政府活動報告」2024年3月5日
https://www.gov.cn/yaowen/liebiao/202403/content_6939153.htm
*10 張鵬「政府活動報告」で初めて提起された『AI+』は、新質生産力とどのような関係があるのか」2024年3月20日
https://export.shobserver.com/baijiahao/html/726816.html
*11 工业和信息化部 中央网络安全和信息化委员会办公室 国家发展和改革委员会 国家标准化管理委员会关于印发国家人工智能产业综合标准化体系建设指南(2024版)的通知。
https://www.cac.gov.cn/2024-07/03/c_1721686809220407.htm
*12 商務部「デジタルビジネス3年行動計画(2024~2026年)」2024年4月26日https://m.mofcom.gov.cn/article/zwgk/gkgztz/202404/20240403506347.shtml
*13 国家発展改革委員会ほか「スマートシティの発展を深化させ、都市の全面的なデジタル化転換を推進するための指導意見」2024年5月14日https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/202405/content_6952353.htm
*14 工業及び情報化部ほか「国家人工知能産業総合標準化体系建設ガイドライン(2024年)」2024年6月5日
https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/202407/content_6960720.htm
*15 工業及び情報化部「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)標準化技術委員会設立計画」2024年7月1日https://www.miit.gov.cn/jgsj/kjs/jscx/bzgf/art/2024/art_2b0840d099844560868666f237befd65.html
*16 工業及び情報化部「人工知能標準化技術委員会設立計画」2024年7月1日https://www.miit.gov.cn/jgsj/kjs/jscx/bzgf/art/2024/art_1dafb90d19144e9cafbaaa31b29da5a6.html
*17 詳細は『中国におけるAI関連規制』参照。https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/column/awareness-cyber-security/generative-ai-regulation05.html
*18 なお、下位の法令として情報通信安全管理法の施行細則、情報通信安全責任の等級区分の弁法、情報通信安全事件の通報および対応の弁法、特定非公務機関の情報通信安全メンテナンス計画の実施状況に対する監査の弁法、情報通信安全に関する情報共有の弁法、および、公務機関所属人員の情報通信安全事項に関する表彰および懲戒の弁法等も施行されています。
*19 出典:台湾行政院重要施政成果
https://www.ey.gov.tw/achievement/8C9B9768344B3F0B
*20 行政院「デジタル『国家』・革新的経済発展プラン(2017-2025)」2017年10月
https://digi.nstc.gov.tw/File/19DE94E9424E9457
*21 行政院「スマート『国家』プラン(2021-2025)」2021年5月https://digi.nstc.gov.tw/File/E8BE929F910C30CA
*22 政院通過「資通安全管理法」修正草案 強化國家整體資通安全法律規範、促進政府跨機關合作及區域聯防。
https://www.ey.gov.tw/Page/9277F759E41CCD91/9c1b42cb-ebb2-4647-b2d6-2431ff1dfcb1
*23 國家科學及技術委員會公告:預告制定「人工智慧基本法」草案。https://join.gov.tw/policies/detail/4c714d85-ab9f-4b17-8335-f13b31148dc4
※本稿は、弁護士法人 桃尾・松尾・難波法律事務所の松尾剛行パートナー弁護士に調査協力いただきました。
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