{{item.title}}
{{item.text}}
Download PDF - {{item.damSize}}
{{item.title}}
{{item.text}}
2022-08-10
「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」が、2020年4月1日から施行されました。日本では、民法で「懲戒権」が認められていますが、2020年4月の法改正では、しつけと称して体罰を加えてはならないと規定されました。
分類 |
概要 |
児童の権利擁護 |
|
市町村および児童相談所の体制強化等 |
|
関係機関間の連携強化 |
|
出典:「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」より当社作成
また、厚生労働省では、「しつけ」は子どもをサポートし社会性をはぐくむ行為、「体罰」は子どもの身体に何らかの苦痛を引き起こし、または不快感を意図的にもたらす行為(罰)と定義し、「しつけ」と称した暴力等も含め、体罰等が繰り返されると、心身にさまざまな悪影響が生じる可能性があると説明しています。さらに、厚生労働省では2004度から毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、児童虐待問題に対する社会的関心の喚起を図るため、集中的な広報・啓発活動を実施しています。
厚生労働省では、体罰等によらない子育てのための工夫のポイントとして、
の7点を掲げ、リーフレットも公表しています。
しかし、保護者自身も自分の生い立ちやこれまでの育児経験を踏まえて子育てを行っていることから、そのスタイルを変えることは容易ではありません。そこで、一部の児童相談所では、体罰によらない子育てをするための考え方を学んだり新たなスキルを提供したりする「保護者支援プログラム」を活用しています。
当社が2020年度に実施した調査によると、「保護者支援プログラム」はペアレントトレーニング要素が強いものと、治療的要素が強いものに大別されることが明らかになりました。また、効果的なケース・子ども・保護者の特徴は、プログラムにより異なり、プログラムに多様性があることも示されました。現在、「保護者支援プログラム」を導入している児童相談所では、保護者支援業務における質的課題や量的課題を解決する手段の一つとして導入に至ったことも、当社のヒアリングにより明らかになりました。
2020年度の調査において、保護者支援プログラムを活用することは、①虐待の発生予防・悪化予防・再発予防、②ケース進行の構造化と保護者の達成感の実現、③児童相談所職員の保護者支援スキル・質向上への寄与、の3点から意義があると分かりました。
また、保護者支援プログラムの利用促進にあたっては、①プログラム実施者の確保、②年度をまたぐプログラム実施、③保護者の経済的負担・時間確保の問題、の3点が課題として挙げられました。
今後、保護者支援プログラムをより一層活用していくためには、
といった点を検討していくことが期待されます。
なお、国は2022年に改正した児童福祉法において、市区町村の子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の設立の意義や機能は維持した上で組織を再編し「こども家庭センター」とすることを決めています。同センターの機能として「親子関係形成支援」を位置づけ、子どもの発達状況等も踏まえながら、親子関係の構築を支援するとしています。