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前編では、サプライチェーンの課題とその解決のために期待が寄せられるブロックチェーンの活用について解説しました。後編では、ブロックチェーンがビジネスプラットフォームとして普及するために、どのような課題を克服するべきなのかを考察します。
ブロックチェーンプラットフォームを通じてエコシステム全体がつながることで、エンド・ツー・エンドのトレーサビリティだけでなく、新たなサービスが生まれる可能性があります。原材料から製品まであらゆるモノの動きに連動し、検収と同時にスマートコントラクトによって代金や手数料などの決済を自動化することも可能となります。中小やベンチャー企業など実績が少なくても、ブロックチェーンプラットフォームに記録された注文情報や請求情報をもとにエコシステムから運転資金を調達することも期待できます。各ステークホルダーが持つ余剰アセット(原材料、製品在庫)や余剰リソース(生産能力、配送能力)をエコシステム全体に共有することで、余剰資源と活用機会のマッチングが可能となり、エコシステム全体で有効に活用することもできるようになります。
誰もが参加でき、誰もが恩恵を受けられる――。そんなサプライチェーンの実現にブロックチェーンが大きな役割を担うことを紹介してきましたが、ではそうしたサプライチェーンのエコシステムを拡大していくためには何が必要でしょうか。再び半導体業界を例に考えてみましょう。同業界においては模倣品対策が重要であることを前述しましたが、全ての企業にそれが当てはまるわけではありません。ブロックチェーンプラットフォームのステークホルダーの中には、トレーサビリティや模倣品対策が収益に直結する企業とそうでない企業が存在します。模倣品対策を確立させようと思えば、全ステークホルダーの協力なくして成り立ちませんから、エコシステムを運営するコンソーシアムは、エコシステム全体の継続的な協調のために、対策から得られる恩恵に見合った利益・コストの再配分モデルを設計することが求められます。
サプライチェーンエコシステムは今後、国や業界を超えてさらに広がっていくことが予想されます。図表6に、グローバルサプライチェーン実現までの道筋と、技術に求められることをまとめました。各企業からグループ企業、業界、商流単位でのコンソーシアムへと広がってきたサプライチェーン。コンソーシアム横断かつ相互接続されたエコシステムに発展し、最終的には社会全体がつながるオープンネットワークのサプライチェーンが実現するかもしれません。それらの土台には信頼性の担保が間違いなく求められますし、それに伴いブロックチェーン技術の進化も併せて求められるでしょう。取引の秘匿化技術、オフチェーンまたはサイドチェーンスケーリング、シャーディング、オンラインスケーリングといった手法で、拡大する規模に耐え得るスケーラビリティを実現する必要があります。コンソーシアム同士を相互接続するためには、インターオペラビリティの業界標準化も進めなければなりません。IoT(Internet of Things)、人工知能(AI)といったその他の技術の進化も求められるでしょう。加えてスーパーシティ構想などの関連法整備に平仄を合わせる必要も出てきます。
グローバルサプライチェーンの実現までに乗り越えるべき壁は少なくありません。しかしその先には、誰もが安心して暮らし、信頼でつながる社会が待っている――。誰もが望む未来を叶えるために、ブロックチェーンには、大きな使命が課せられているのではないでしょうか。
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