
Download PDF -
世界の消費者意識調査2023年6月 意思決定のポイント:購入前の消費者の体験を向上
本調査では、25の国と地域から消費者8,975人が回答しました。購入体験の前に摩擦を取り除くこと、および意思決定の重要な場面にある消費者にリーチする方法を解説します。その次に、これまでも重要だった分野における消費者の声に注目します。
2022-12-20
2021年12月に「The Geopolitics of the Metaverse」*1と題するレポートが公開されました。ここではメタバースの定義からその経済規模について述べられているほか、ビッグテックと呼ばれるプラットフォーム企業がメタバース関連のビジネスを席巻し、ひいては地政学上のアクターとなり得るとまで指摘されています。言い換えるなら、ビッグテックはメタバースを通じて大量の情報を収集し、国家とは異なる方法で私たちを統治し得るだけでなく、国家のパワーバランスや世界経済にまで影響を与える可能性があるということです。
私たちの購買行動に関する情報がプラットフォーマーによって収集され、それがレコメンドや広告に活用される事実は、インターネットショッピングを楽しむ方にとってはもはや常識と言えるでしょう。メタバースではそうした嗜好にまつわる情報のみならず、ユーザー一人ひとりの生体情報までもがプラットフォーマーによって収集されることが予想されます。そうした情報をもとにしたビジネスが増えれば増えるほど、プラットフォーマーに集まる情報や資金は莫大なものとなり、企業ひいては国家への影響力すら強めることになりかねません。プラットフォーマーが、これまで数百年にわたって主要な地政学的アクターとしての役割を担ってきた国家以上のアクターとなり得る理由がここにあります。
今後は国家主導でメタバースを積極的に活用する国もあれば、法規制によって影響力を低減させようとする国も出てくることでしょう。メタバースをテーマにした世界の覇権競争も熾烈になると予想されます。その主役になると考えられるのが米国と中国です。EUは法規制を強化し、インドは独自の路線でデータの権利を主張するといった動きを見せているものの、世界のプラットフォームは事実上、米国と中国が占有していると言っても過言ではなく、今後もこの2大国家を中心にメタバース情勢が動きを見せるでしょう。
「企業のためのメタバースビジネスインサイト:メタバース活用事例から考えるビジネスの近未来 Vol.2」で述べたとおり、中国は国家主導でメタバース活用を推進しています。デジタル元と、メタバースの基盤の1つと目されるブロックチェーンを低コストで構築できるネットワークを提供することで、金融面からメタバースを国家の管理下に置くことを想定しています。
中国企業が展開するメタバースの今後については、中国政府の意向が多分に反映されるため、中国政府の発表を通じてその方向性を確認する必要があります。
一方の米国は、民間企業主導でオープンかつ分散型のメタバースを標ぼうしています。本格的なメタバースの展開には国境を越えた法規制をはじめ多国間での調整が必要となることから、政府や既存の業界から何らかの制約を受けると考えられますが、中国とは異なる動きを見せています。
また、気を付けておきたいのは、民間企業主導ゆえ自社の利益が追求されるあまり、メタバースの安全性や公平性などの管理が後手に回る可能性があることです。差別や陰謀論、不買運動などに加担するグループがメタバース上でコミュニティを形成して集会を行ったり、反対するグループに抗議や攻撃を行ったりすることが予想されます。同様のことは現在のSNSの中で既に起きており、必ずしも有効な対処ができているとは言えない状況です。同じことがメタバース内で起き、自社が標的にされることはあらかじめ想定しておいたほうがよいでしょう。
現実世界で考えてみれば分かりやすいですが、今日行われるデモや暴動は、世論や政策、政権を動かし得るものになっています。企業に限らず、一国家の転覆を図って他の国がメタバースを利用するというシナリオも、決して的外れとは言い切れません。
メタバースのビジネス活用は今後、ますます普及していくと予想されます。市場が大きくなればなるほどプレイヤーの数は増え、国家規模で戦いを制しようとする動きもさらに見られるようになるでしょう。中国は国家戦略としてメタバースをどのように活用していくのか。米国の国際的影響力の低下が同国企業のメタバースの競争力に何らかの作用を及ぼすのか。加熱するメタバース競争に対してEUはどのような法規制を打ち出すのか……。社会ひいては国家間の分断が深刻化する昨今、メタバースに参入する企業は、否が応でも地政学リスクと向き合うことになると考えられます。
そうした中でも参入する企業が後を絶たないのは、メタバースに大きなビジネスチャンスが眠っているからにほかなりません。不安定な状況だからこそ、正確な情報を収集し、分析し、適切な対処を行うことがますます求められます。
*1 The Geopolitics of the Metaverse(ユーラシア・グループ、2021年12月、https://www.eurasiagroup.net/live-post/the-geopolitics-of-the-metaverse)
Download PDF -
本調査では、25の国と地域から消費者8,975人が回答しました。購入体験の前に摩擦を取り除くこと、および意思決定の重要な場面にある消費者にリーチする方法を解説します。その次に、これまでも重要だった分野における消費者の声に注目します。
Download PDF -
メタバース空間で人材サービス事業を展開するパーソルマーケティング株式会社の川内浩司氏と、同事業を支援するPwCコンサルティングの岩花修平が、メタバース空間における労働市場に焦点を当て、メタバース市場の将来像を多角的な視点から展望しました。
Download PDF -
メタバース空間で人材サービス事業を展開するパーソルマーケティング株式会社の川内浩司氏と、同事業を支援するPwCコンサルティングの岩花修平が、実践者の立場からビジネス活用の実情や、企業が取り組むうえで考慮すべき課題などについて語りました。
Download PDF -
日本ではクリエイターによるコンテンツ制作活動が盛んであり、メタバース・Web3.0領域のビジネスでも活躍が期待できます。本レポートでは、クリエイター経済圏の創出に向けた取り組みに関する海外事例と、日本の現状、それらの分析結果を紹介します。
Download PDF -
マーケットでの競争が激化するなか、成功しているビジネスリーダーは、価値の創出には体験から得られるリターンが不可欠であると認識しています。本レポートでは、顧客と従業員の体験に焦点を当てて企業がとるべき対応策を解説するとともに、日本企業に向けた示唆を紹介します。
Download PDF -
顧客とのロイヤルティを育むことは、組織に価値をもたらし、収益性を高めます。本稿では、PwCが実施した顧客ロイヤルティに関する調査からの洞察を紹介するとともに、日本企業が取るべき対応策を解説します。
Download PDF -
顧客との長期的な関係と信頼の構築は、一度の取引や一つの部門で完結するものではなく、継続的な価値提供を通じて強化されます。本調査では、顧客ロイヤルティに関する企業の取り組み状況を分析し、信頼構築にむけた具体的な施策を提示します。
Download PDF -
自然を守ることで持続可能な社会構築に取り組む国際NGOコンサベーション・インターナショナルのジュール・アメリア氏に、サーキュラーエコノミーをテーマに製造業における企業の持続可能性に必要なアクションについて伺いました。