「ベンチャーとの共創エコシステム」の形成に向けて―出資判断時の落とし穴と対処法【後編】

2021-08-05

本稿のスコープ

本稿の スコープ

ベンチャーとの共創エコシステム形成に向けた出資判断時の落とし穴と対処法について、前後編に分けて解説します。前編ではデューデリジェンスの難しさなどについて考察しました。後編ではマイノリティ出資時の妥当な出資額算定に向けて必要なアクションや、ベンチャー出資の目的をあらためて考えます。

ベンチャー出資は目的ではなく手段である

ベンチャー出資を検討する中で、多くの事業法人がまず直面する課題は「ソーシング」、すなわち出資したいベンチャーの探索となります。大小様々なベンチャーが紹介される中で、判断軸がぶれていき、袋小路に迷い込むケースも見られます。

また「出資したくなるベンチャーを探してから、共創の仕方を考えたい」という要望も耳にします。しかしながら、ベンチャー出資・共創はあくまでビジョンや戦略を実現する為の手段でしかありません。ビジョン・戦略のないままソーシングをすることに、本質的な意味はないのです。ベンチャーとの共創目的を大上段で明確にし、目的達成に相応しいか否か・目的達成に向け必要な出資額はコストとの見合いが取れるのかをもって、ベンチャーの探索と出資検討を進めるべきでしょう。

PwCコンサルティング合同会社の支援実績①

化学品ベンチャーのビジネス・デューデリジェンスを支援しました。当該ベンチャーの要素技術は商用段階にまだ到達しておらず、また国内・海外ともに上市事例もみられない新規事業であったため、トップライン予測は困難でした。PwCコンサルティング合同会社は当該事業の成功要件を整理した上で、それを達成した際に見込まれる事業可能性評価を行い、ステークホルダーとの合理的な合意形成に貢献しました。

PwCコンサルティング合同会社の支援実績②

大手テクノロジー企業の依頼に基づき、観光関連ベンチャーのビジネス・デューデリジェンスを支援しました。2020年上半期のCOVID-19蔓延下で、ワクチンの開発・普及目途も見通しが立たない中での当該ベンチャーの2~3年間のトップライン予測は困難でした。PwCコンサルティング合同会社は想定される観光動向シナリオや当該ベンチャーの成功要件を整理した上で、それを達成した際に見込まれる事業可能性評価を行い、ステークホルダーとの合理的な合意形成に貢献しました。

前編はこちら

執筆者

有馬 大貴

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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岡山 健一郎

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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「ベンチャーとの共創エコシステム」の形成に向けて

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シリーズ3回 デジタル地域通貨・共通ポイント事業のトレンドとあり方 第1回 デジタル地域通貨・共通ポイント事業とそのプレイヤーの類型

本シリーズでは、地域経済の需要喚起に資するデジタル地域通貨・共通ポイント事業、さらにはデジタル版プレミアム付商品券などの準ずる事業を取り上げ、事業面やデジタル技術の観点からその多様性を整理し、今後の持続的なあり方について考察します。

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