
「ベンチャーとの共創エコシステム」の形成に向けて―共創活動・管理の仕組み化【後編】
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。後編では撤退・投資継続判断を行う際の留意点や、決断までのプロセスを解説します。
2021-08-17
出資したからといって、それでベンチャーとの共創が無条件に開始する訳ではありません。有望なベンチャーであるほど多忙であり、事業成功への意志が強く、出資プレイヤーも多岐にわたるため、コントロールが難しくなります。担当者をアサインしても、ベンチャーと共創関係を構築できず、「半ば放置/塩漬けになっている」ような状況もよく見られます。
ベンチャーは個々の信頼関係を重要視する傾向にあると思います。ベンチャーとの共創活動において重要なのは、担当者が適切なケイパビリティを有すること、また会社が担当者に適切な指針を示すことの2点です。そのいずれかが欠けると、コントロールが難しくなります。
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。前編では円滑な共創を実現するためのポイントを解説します。
ベンチャーとの共創活動において核となる共創担当者には、扇の要としてさまざまな役割が求められます。
ベンチャーに対しては譲歩しつつ期待役割を引き出す、Win-Winの協業スキームの提示すること必須です。一方的な条件提示や過剰な忖度は、気持ちが離れるだけです。
またベンチャーは当然、担当者個人のみならず、背後の大手企業への期待を有しています。大手が有する顧客基盤、販路、R&D/製造リソース、データ、資金、ブランドなどはその例といえます。共創担当者はその期待に応えるべく、時として他部署の協力を引き出さなければなりません。その一方で、当該ベンチャーの財務・活動状況に鑑み、財務リスクが高まっているにもかかわらず、他部署とベンチャーの協業が具体化する場合などは、適切にコントロールしなければなりません。
またベンチャーの迅速な意思決定に対応していく上で、企業側にも迅速な経営判断が求められます。経営層の力強い支援を普段から取り付け、意思決定に係る説明の段取り、合意形成の時間、工数をあらかじめ最小化しておくことも必要です。
以下はベンチャーとの共創活動における各社の対応・失敗事例です。各事例を俯瞰すると、担当者に求められるソフトスキルは多岐にわたることがみえてきます。
また以下はベンチャーとの共創活動を推進する上で、担当者に求められるスキル・ケイパビリティです。自社の強みと課題、将来像の把握に始まり、対象のベンチャーへの深い理解、仮説の構築力・企画力、コミュニケーション、ネットワーキング、プロジェクトマネジメント、プレゼンテーション・レポーティングと、求められるものは非常に多様です。
当然、全てを備えた人材は社内において限られます。対象ベンチャーとの共創プロセスがどの段階にあるのかを見極めた上で、段階ごとに求められるケイパビリティを持つ担当者をアサインすることが現実的です。また期待値を明確にするためのガイドラインを整備し、動作を標準化したり、共創担当の権限を大きなものにしたりするなど、共創担当が動きやすい環境を整えることが重要です。
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。後編では撤退・投資継続判断を行う際の留意点や、決断までのプロセスを解説します。
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。前編では円滑な共創を実現するためのポイントを解説します。
ベンチャーとの共創エコシステム形成に向けた出資判断時の落とし穴と対処法について、前後編に分けて解説します。後編ではマイノリティ出資時の妥当な出資額算定に向けて必要なアクションや、ベンチャー出資の目的をあらためて考えます。
ベンチャーとの共創エコシステム形成に向けた出資判断時の落とし穴と対処法について、前後編に分けて解説します。前編ではビジネス・デューデリジェンス特有の難しさを取り上げます。
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