
「ベンチャーとの共創エコシステム」の形成に向けて―共創活動・管理の仕組み化【後編】
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。後編では撤退・投資継続判断を行う際の留意点や、決断までのプロセスを解説します。
2021-08-19
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。前編では円滑な共創を実現するためのポイントについて考えました。後編では撤退・投資継続判断を行う際の留意点や、決断までのプロセスを解説します。
ベンチャーとの共創活動は担当者に任せる一方で、企業全体としての判断(撤退・投資継続・増資など)を下す仕組みを整備する必要があります。統一的な指針がないと、担当者による必要以上の深入りや関係性の無意味な継続など、経営にとって非効率的な業務が発生し、場合によっては赤字が続き、倒産・廃業する可能性もあり得ます。
出資先に対しては、定期的に「財務的リスクがないか」「事業の継続性・成長性が見込めるか」「当初計画していた共創シナジーを達成できているか」「契約時の条項を履行できているか」「現在の価値はどれほどか」の5つの観点からモニタリングする必要があります。
なお、出資先ベンチャーについてはステージを問わず、画一的にモニタリングすることは得策ではありません。シード・アーリー段階とミドル・レイター段階で、企業としての成熟度は格段に異なります。特にマイナー出資の場合、出資先ベンチャーのモニタリング項目やレベルはステージごとに設定し、柔軟に運用することが肝要です。
ただ、モニタリングは未来永劫続けるものではありません。ベンチャーとの共創には必ず出口があり、その出口判断を行う為の材料集めがモニタリングとなります。管理を通じて、「自社事業にとっての重要性」「出資先の事業状況」「経営権の獲得判断」「株式譲渡の可否」を見極め、増資・撤退・継続といった出口戦略を実行する必要があります。
出資後のベンチャーとの付き合い方に苦労している大企業は非常に多くみられます。ほとんど共創関係を構築できず、塩漬けに近い状態になっているケースもあれば、担当者が深く入り込みすぎ、期待したシナジーが真に創出されているか不透明になっているケースもあります。ベンチャーと担当者間の情実的なやり取りを通じて共創関係が構築されるが故に、合理的に判断することが困難になっている領域といえるでしょう。
だからこそ共創・管理・出口戦略の各活動において、情実的な部分を排し、明確な「型」の中で実行していくことが重要なのです。
大手インフラ企業の新規事業開発部門に対し、ベンチャーとの共創・管理プロセスのガイドライン・会議体・テンプレート整備など「型づくり」の支援を行いました。当アウトプットを整備する中で、現状分析を通じた当該企業固有の課題について焦点を当てると共に、他社の先行事例・失敗事例などを紹介することで、当該企業・部門の現在の立ち位置や目指すべき姿に関して効率的に考察・討議を行いました。
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。後編では撤退・投資継続判断を行う際の留意点や、決断までのプロセスを解説します。
M&A成立後のフェーズにおける対象会社との共創活動・管理の仕組み化について、前後編に分けて解説します。前編では円滑な共創を実現するためのポイントを解説します。
ベンチャーとの共創エコシステム形成に向けた出資判断時の落とし穴と対処法について、前後編に分けて解説します。後編ではマイノリティ出資時の妥当な出資額算定に向けて必要なアクションや、ベンチャー出資の目的をあらためて考えます。
ベンチャーとの共創エコシステム形成に向けた出資判断時の落とし穴と対処法について、前後編に分けて解説します。前編ではビジネス・デューデリジェンス特有の難しさを取り上げます。
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