第2の柱トップアップ税に係る前納の開始(ベルギー)

2025-01-09

2024年9月2日、税務当局は、多国籍企業(MNO)グループおよび大規模な国内グループが義務的な通知(P2-CBE-NOTフォーム)に従って第2の柱に係るグループ法人番号を取得していることを条件に、第2の柱(国内トップアップ税または所得合算ルール(IIR))に係るトップアップ税額に係る前納(本誌2024年7月号および9月号参照)(注)を開始できる旨を公表した。ミニマム税の前納は、2024年7月7日のRoyal Decree(2024年7月16日にベルギー官報に掲載)で規定されている。なお、前納方法は、MyMinFinの「VA Pillar 2」モジュールを使用するか、銀行振込を通じて行う((Q)DMTT用とIIR用の銀行口座は別途)。

(注)ベルギーでは、法人税額を当該年度中に前払いで納付しない場合に、surcharge(2024年分から、6.75%→9%に引き上げ)が課される。一方、年4回の前納制度があり、1回目12%、2回目10%、3回目8%、4回目6%(平均9%)の「credit」が付され、surchargeから控除される(控除未済分は、翌期繰越ないし還付)。なお、第2の柱トップアップ税額については、2024年12月20日前の前納なら、その前払い全額について第1回目と同じ12%の高い率が適用される。通常法人税に係る前納額が賦課税額を上回る場合は、(Q)DMTTへの充当が可能とみられる。なお、イノベーション所得控除制度(IID)(85%所得控除)が最近改正され、当該控除の適用を実効税率15%となるまでにとどめて、残りを無期限繰り越しできる(nonrefundable tax credit)ようになっている。

出典:PwC Belgium
「月刊 国際税務」2024年11月号収録 Worldwide Tax Summary
PwC税理士法人編
PwC税理士法人顧問 岡田 至康 監修

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