
持続可能な化学物質製造への道筋
化学産業の脱化石化は、世界的なネットゼロを実現する上で最も重要な要素の1つといえます。本レポートでは、基礎化学物質の脱化石化に向けた具体的な道筋を示し、予想されるCO2排出削減効果や必要な投資について説明します。
2025-02-28
※2025年1月に配信したニュースレターのバックナンバーです。エネルギートランスフォーメーションニュースレターの配信をご希望の方は、ニュース配信の登録からご登録ください。
電力・ガスの小売り自由化で先行する海外で注目されていたデジタルディスラプターが、ここ数年で日本国内においても関心を呼んでいます。国内事例や事業所が存在しなかったので、存在は認知されつつも、あくまで海外先進事例の1つという位置づけでした。本ニュースレターでは、デジタルディスラプターが既存事業に対してどのような変化をもたらすのか紹介します。
海外ではエネルギー業界にもデジタルディスラプターと呼ばれる企業がテック業界などから参入し、顧客と共同での商品開発、スマートフォンの活用、IoT・AIといったテクノロジーを使った多様なサービスの提供で存在感を高めています。これまでの安定的かつユニバーサルなエネルギーの供給から踏み出し、顧客の生活に入り込み、パーソナライズされた体験を提供しシェアを拡大してきていることから注目されています。
ここではデジタルディスラプターを以下のように定義します
図表1:デジタルディスラプターのポジション
リサーチ会社のフロスト&サリバン社のレポート(Frost & Sullivan, Digital Platforms for Electric Utilityand Energy Retail Customer Care and Engagement, 2023)では、小売り事業向けデジタルプラットフォームとしてERP系の大手を抑えてKraken、Kaluza、Gentrackの3社がマーケットリーダーであると独自分析しています。統合システムとしての延長ではないプラットフォームが市場に受け入れられていることが読み取れます。このうち、Gentrackは国内事業所の情報はありませんが、2社については国内事業所を設置済みです。
KrakenはTGオクトパスエナジー株式会社(東京ガス株式会社とオクトパスエナジー<英国>の共同出資、2021年)のプラットフォーム提供を行い、KaluzaはKaluza Japan(三菱商事株式会社とKaluza<英国>の合弁会社)を設立し、国内の自動車大手向けにスマート充電サービスの商用化に向けた実証事業を開始しました。国内のメディアでも取り上げられています。
近年、欧米を中心とする海外の有力デジタルディスラプターが日本にも進出し、国内企業との協業や国内事業所の開設を進めています。こうした取り組みはメディアでも取り上げられ、注目が増しています。
デジタルディスラプターが注目される背景としては従来のCIS(Customer Information System:顧客・料金・請求システム)に課題があることが考えられます。
一方で、デジタルディスラプターの提供価値としては、以下のようなことが訴求されています。
顧客体験と料金メニューの関係について補足すると、仮想メニューとして「CO2削減メニュー」を例示します。
以上のような4つのステップで新しい料金メニューが適用されます。実際には料金メニューを自動生成するのではなく、AIで機器や時間帯制御が行われるだけで、kWhやm3当たりの単価の割引はしていません。もちろん、コンタクトセンターに問い合わせも発生していません。
しかしながら顧客にとっては「自らが意思決定した自分に合ったメニュー」が提供されたということになります。
CO2削減からスタートしていますが月額料金もおそらく下がり、顧客満足度も向上します。
このような顧客体験の仕組みを取り入れています。
これまで日本では、自由化後のカーボンニュートラル(CN)時代に対応したエネルギー業界の変革を後押しするサービスやプラットフォームが不足していました。エネルギー業界の企業には単純にデジタルディスラプターを採用するという意思決定にとどまらず、下記のような変革を自ら実践することが求められています
められています。
PwCコンサルティングはデジタルディスラプターの手法を活用した、業務・組織変革やサービスメニュー設計、プロジェクトマネジメントを支援しています。
さらにご興味のある方は、下記のサイトをぜひご覧ください。
【エネルギー・ユーティリティ業界におけるデジタルビジネスの成熟度】
Value Navigatorは、信頼の構築と持続的な成長を目指すビジネスリーダーに、指針となるインサイトをお届けするPwC Japanグループの広報誌です。
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/prmagazine/value-navigator.html
化学産業の脱化石化は、世界的なネットゼロを実現する上で最も重要な要素の1つといえます。本レポートでは、基礎化学物質の脱化石化に向けた具体的な道筋を示し、予想されるCO2排出削減効果や必要な投資について説明します。
本書では、SDV(ソフトウェア定義車両、Software Defined Vehicle)とは何か、今後何をすべきかを検討いただく一助として「SDVレベル」を定義し、SDVに関するトピックや課題を10大アジェンダとして構造分解して、レベルごとに解説しています。(日経BP社/2025年4月)
エンタープライズクラウドおよび産業用AIソフトウェアの大手プロバイダーであるIFSとPwCコンサルティング合同会社は、エネルギー産業をはじめとした設備を保有する企業の投資最適化・アセットマネジメント高度化に向け、協業を開始します。
PwC Japanグループは富士通株式会社とともに、3月26日(水)に表題のイベントを開催します。