
プライベート・キャピタルにおける世界のM&A動向:2025年の見通し
2025年のプライベート・キャピタルにおけるM&Aは、業界を統合するような取引や業界の再編によって2024年来の世界的に活発な活動が継続し、加速すると予想されます。
2024-04-23
経営環境が複雑化する今日において、企業経営のサステナビリティ(持続可能性)を評価するには、短期的な財務パフォーマンスに加え、変化する経営環境への対応力も重要な観点となります。またM&Aでは、案件成立後の将来を見通した価値創造(Value Creation)が重要となるため、ESGの観点も含めた適切なデューデリジェンス(DD)が必要となっています。
ESGデューデリジェンスは特に非財務要素に着目して企業経営のサステナビリティを評価するものであり、経営基盤を毀損しかねない気候変動や、拡大するステークホルダーへの対応など、短期的な財務パフォーマンスに直接影響がないものも対象となります。多岐にわたるESGの評価では、それぞれの分野において高い専門性が求められます。また、特に重要な検出事項については組織横断的に実施しなければならないケースも発生します。
本書は、この「ESGデューデリジェンス」という新しい視点を取り入れ、推進する方々へのはじめての基本的な実務書となることを目指して執筆・編纂を行ったものです。
なお、ESGDDに関するセミナーもございますので、ご興味おありの方は視聴登録をお願いいたします。
書名:M&Aを成功に導くESGデューデリジェンスの実務
出版社:株式会社中央経済社
定価:6,050円 (税込)
編者:PwCアドバイザリー合同会社
発行日:2024/04/23
オンデマンド配信
2024年5月21日(火)~2025年4月30日(水)
PwCアドバイザリーのプロフェッショナルが、本書の内容に触れながらESGデューデリジェンスの大枠を解説いたします。
2025年のプライベート・キャピタルにおけるM&Aは、業界を統合するような取引や業界の再編によって2024年来の世界的に活発な活動が継続し、加速すると予想されます。
M&A市場の成長の足枷となっていた経済的、地政学的な不確実性が解消されつつあり、世界のM&A市場は再び上昇基調に戻る兆しを見せています。しかし、今後1年間、ディールメーカーはいくつかのワイルドカード(不確実な要素)を注視する必要があります。
2025年の産業・サービス分野におけるM&A活動は、企業がポートフォリオの拡大、再編、洗練に向けた取り組みを強化していることから、成長へ向かうことが見込まれます。
マクロ経済的要因の改善と米国の規制緩和への期待に後押しされ、米国と欧州のディール市場は堅調に推移しており、2025年のヘルスケア業界のM&Aは金額、件数ともに加速するものと予想されます。
AIブーム、テクノロジーとビジネスモデルの継続的なディスラプションに伴い、テクノロジー・メディア・情報通信(TMT)分野のM&Aは2025年も活発に行われる見込みです。
金融サービス業はマクロ経済情勢や地政学的緊張による不確実性に引き続き直面しているものの、メガディールの復活とディール金額の増大に伴い、2025年にはM&Aが活発化するとの楽観的な見通しが広まっています。
消費者心理はパンデミック後のインフレと金利の急上昇から完全には回復していないものの、消費者市場のディールメーキングは2025年に回復の兆しを見せ始めています。
2025年の不動産業界におけるM&Aは、投資家やユーザーの建築環境への新たな関わり方によって拍車がかかると見込まれます。