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2022-12-14
2022年11月25日開催の第1回では、多くの方々にご視聴いただきまして厚く御礼申し上げます。今回は初回ということで、本研究会を立ち上げた背景のほか、PwC Japanグループの意気込みについても説明させていただきたく、60分程度という少し長めの配信となりました。
第1部の配信では、東京大学未来ビジョン研究センターの江間有沙准教授から研究会の趣旨や概要についてご説明いただいた後、本研究会への思い入れや、AIの死角や盲点を考える枠組みについて語っていただきました。PwCコンサルティング合同会社のパートナー藤川琢哉からは、AIの死角や盲点にフォーカスすべき理由として、公平性を保つことの難しさについて、PwCあらた有限責任監査法人のパートナー宮村和谷からは、具体的な事例を紹介しました。
第2部は江間准教授リードのもと、第1部の配信内容を基にディスカッションを実施しました。ディスカッションは、「AIとともに過ごす未来を見据えた際に、どのような問題が生じ得るか」というところから始まりました。
シンギュラリティの迎え方や原理原則の見直し要否などについての議論があり、また、AIガバナンスでよく実施されるチェックリストの策定についても触れられました。
「AIをどのように制御すればよいのか不安を感じている」との声も上がった一方で、「AIをヒトが制御するという前提そのものに疑問を感じている」との声もありました。シンギュラリティとは子が親の力を越えるようなものと解されますが、「ヒトの制御が効かなくなる前にAIをしっかり教育できていれば、暴走することもなく、特に問題意識を持つ必要はない」という意見がある一方で、「AIはあくまでも最適解を出すものであり、自立しているとは言えない」という意見もありました。
議論はAIの原理原則にも及びました。欧米の影響が強く内在する原理原則をAI活用のスタートポイントとして良いのか。ヒトはどのような役割を担っていくべきなのか。民主主義的に多数決で決めてしまうのが現実的と思われますが、それでは過去の傾向の再生産となってしまい、AIの過去志向と同調してしまいます。「完全には納得していないままにAI原則を受け入れ、実務に落とし込もうとしているために、リスクが発生する可能性が高くなるのでは」という意見もありました。
日本の企業にAI原則を取り入れる際には、膨大なチェックリストを策定することになりがちですが、しっかりとAIガバナンスの人材育成が施されていない現場でチェックリストを配布してしまうと、ヒトは考えることをやめてしまいがちです。そのため、厳しいルールを策定して表面的にそれを守らせるよりも、「一人ひとりに考えてもらうワークショップを開催するほうが効果的である」との意見が上がりました。これまでのシステムと異なり、AIは未来のビジョンを持って育てることができるので、ポジティブな方向に変わっていくことを許容する必要があります。しかし、本質を理解しないままチェックリストを活用するにとどまってしまうと、その変化を促すことができません。そのため、人材育成がとても重要であるようです。
第2回も引き続き、課題収集を含めたディスカッションを実施できればと思います。