日本におけるモビリティ将来シナリオ

2020-09-24

本レポートでは、PwC Japanグループが掲げる7大アジェンダのうち、日本における「モビリティ将来シナリオ」について、「移動減少シナリオ」「自由移動シナリオ」の2つのシナリオに整理し、今後目指すべき事業の方向性を論じます。

日本のモビリティを取り巻く環境の変化と、MXの必要性

日本の交通を取り巻く環境は、人口減少、消費者・働き手の不足、地方経済の低迷(都市への資源の集中)、さらなる人口減少といった負のサイクルにより、年々厳しさを増しつつあります。結果として現行の交通システムは限界を迎えつつあり、地方部では移動・生活基盤の確保、都市部では移動の利便性向上が課題となっています。移動提供者はこのような将来の社会に適応するために、モビリティトランスフォーメーション(移動の在り方改革)を実現することが不可欠です。

日本のモビリティに関する将来シナリオ:移動減少と自由移動

モビリティ課題に対するソリューションの組み合わせから、日本のモビリティに関する将来シナリオとしては、主に「移動減少」「自由移動」の2つが想定されます。

「移動減少」シナリオとは、移動を最小化・効率化すべく、遠隔・XRや貨客混載を含めた共同配送などを組み合わせる将来像のことです。移動減少シナリオでは、生活圏内のヒトの移動が減少する一方、モノ・サービスの移動や余暇移動が増加します。

一方、「自由移動」シナリオとは、よりオンデマンドで制約のない移動を可能にすべく、安全運転支援・自動運転車両、デマンド交通、新規モビリティ(例:ドローン配送、物流ロボット)などを組み合わせる将来像のことです。自由移動シナリオでは、運転・混雑から解放され、安価・便利な交通手段によって、特に生活圏内での移動が増加します。

モビリティがもたらす変化と移動ビジネスの方向性

モビリティは、社会に7つの本質的な変化をもたらします。モビリティによる移動体・移動対象・空間などのフィジカル面やサイバー面の変化がコスト最適化・収益増・新価値創出といった「事業インパクト」をもたらします。

事業インパクトとシナリオによる変化を掛け合わせることで、新たなモビリティ事業機会が生まれます。

新たなモビリティ事業の具現化に向けては、その公益性から社会(世間)、顧客(買い手)、自社(売り手)の「三方良し」の事業構想が不可欠なことに留意が必要です。

具体的な事業構想のアプローチは、レポート本文にて詳述します。

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主要メンバー

北川 友彦

パートナー, PwCコンサルティング合同会社

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阿部 健太郎

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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藤田 裕二

ディレクター, PwCコンサルティング合同会社

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