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2020-10-23
本レポートは、PwC Japanグループが掲げる7大アジェンダのうち、MaaS・自動運転などのモビリティ領域について異業種と事業共創する「モビリティトランスフォーメーション(MX)」を取り上げ、「移動シナリオ・事業化に向けた考え方の振り返り」を行った上で、「モビリティサービス事業化に向けたユースケース」を整理し、「事業化に向けた論点・アプローチ」を論じます。
モビリティ課題に対するソリューションの組み合わせから、日本のモビリティに関する将来シナリオとしては、主に「移動減少」「自由移動」の2つが想定されます。
「移動減少」シナリオとは、移動を最小化・効率化すべく、遠隔サービス・XRや貨客混載を含めた共同配送などを組み合わせる将来像です。このシナリオでは、生活圏内のヒトの移動が減少する一方、モノ、サービスの移動や余暇移動が増加します。
一方、「自由移動」シナリオとは、よりオンデマンドに制約なく移動すべく、安全運転支援・自動運転車両、デマンド交通、新規モビリティ(例:ドローン配送、物流ロボット)などを組み合わせる将来像です。自由移動シナリオでは、運転・混雑から解放され、安価・便利な交通手段によって、特に生活圏内での移動が増加します。
モビリティサービス事業化に向けた日本におけるユースケースは、上述の2つのモビリティ将来シナリオと以下3類型のモビリティサービスの掛け合わせによって描くことができます。
1つ目の類型は、既存公共交通補完/代替型です。地方部・自家用車中心都市部の公共交通をデマンド交通などで代替・補完することで、移動体・移動空間の効率的な利用や、移動体に関わる補助金の軽減を企図したものです。
2つ目は、目的地連携型です。付加価値領域として観光地や小売店などと連携したMaaSを提供することで、ユーザーの利便性・満足度、事業者収益、自治体収益を最大化するものです。
3つ目は、空間再構成型です。これは、特に公共交通普及都市(人口密度が高く土地が限られる都市)内において、ヒト・モノの新たな移動手段が空間利用によって利便性を向上させるものです。
MXを推し進めるにあたっては、導入可能性などの自社のケーパビリティ、市場の動向や需要、対象とする地域の規制の方向性、調達すべき外部リソースや協業可能性、さらには事業フェーズや事業モデリングの構築、事業計画策定など多様で複雑な要素を取りまとめ、評価・実行することが求められます。
PwCはそれら複雑に関係する要素を、技術可用性、安全性・リスク、事業性、社会受容性、法的課題の5つに分類し、分類ごとにゴールと解決プランを作成することで、ボトルネックを確実に管理し、事業を成功させるアプローチによるソリューション展開しています。このソリューションの特長の1つは、実証実験を最大限活用して技術・事業性・オペレーションの評価・改善や参加企業の定着を促進することで、事業競争力や事業精度の向上による収益化を実現し、さらに周辺事業者を取り込むことで新たな「付属成長」を目指す点にあります。