児童相談所職員のメンタルヘルスに関する調査
昭和22年に児童福祉法が制定されてから70余年、子どもの福祉をめぐる環境は大いに変わり、虐待の早期発見、早期対応、再発防止に係る様々な仕組みが整えられてきた。昨今、人々の虐待防止に対する意識も高まり、平成30年に児童相談所に寄せられた虐待相談対応件数は15万9,838件で過去最高を更新した。こうした状況を受け、「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(平成30年12月18日児童虐待防止対策に関する関係省庁連絡会議決定)により、ケース対応に当たる児童福祉司や児童心理司等が大幅に増員されることとなった。
しかし、虐待対応は時に保護者等と激しく対立することも必要になったり、夜間や休日の対応を余儀なくされたりするなど、心身への負荷が高い業務である。児童相談所職員が心身健康に働き続けるためには、純粋な量的体制の拡充のみならず、「支援者へのケア」についても考慮することが喫緊の課題である。
これを踏まえ、本調査研究は、ケース対応において中核的な役割を果たす児童福祉司と児童心理司が心身健康に働き続けるために必要な方策を検討するための基礎資料を提供することを目的として実施する。