高齢者向け住まいにおける運営形態の多様化に関する実態調査研究
地域包括ケアシステムでは、中心に「住まい」が位置付けられているが、本調査研究は、その一翼を担う高齢者向け住まい(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)を対象としている。これらの高齢者向け住まいは、量的な急増とともに、入居者像※1や施設へのサービス提供形態※2も急速に多様化してきている。
このため、本調査研究では、平成26~29年度に行われた調査研究を踏まえつつ、住まい事業者の運営実態(定員数、職員体制、サービスの提供状況など)や入居者像(要介護度、認知症の程度など)、介護・医療サービスの利用状況といった基礎的情報を定点観測的に調査し、時系列変化を捉えることを目的としている。
特に今年度は、夜間の職員体制や看取りなどの実態、「自立支援」をキーワードとする個別機能訓練につながる「筋力向上トレーニング」「歩行訓練」「認知症予防」など、予防トレーニングに関する取り組みや「減薬」「排泄自立」「経口摂取」など、ケアからの自立に向けた取り組みなどに着目し、取り組み実態と成果を把握し、高齢者向け住まいが果たしている役割や機能などを取りまとめる。
※1 要介護者中心型、自立中心型など
※2 介護付き有料老人ホーム(特定施設)のように入居者に対する包括的なケアを内包する形態のほか、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のように安否確認・生活相談などの生活支援サービスのみが付帯する賃貸住宅に、訪問介護などの在宅介護サービスを外部の事業者から受ける形態など