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2019-04-10
平成30年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の採択を受けました。
PwCコンサルティング合同会社は、厚生労働省より、平成30年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の採択を受け、下記6つの事業が採択されましたので公表いたします。
【採択事業の概要】
介護保険制度下における現金給付の可能性も含め、「家族への支援」という観点を踏まえた介護サービスの在り方を検討する上での基礎資料を提供することを目的として実施する。日本国内のほか、ドイツ、オランダ、韓国といった介護保険制度を実行しており、かつ、現金給付(あるいはそれに類する制度)を導入している国について調査を実施する。また、社会保障制度が整備されているとされるスウェーデンについても比較対象としての調査を行う。
地域包括ケアシステムでは、中心に「住まい」が位置付けられているが、本調査研究は、その一翼を担う高齢者向け住まい(有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)を対象としている。これらの高齢者向け住まいは、量的な急増とともに、入居者像※1や施設へのサービス提供形態※2も急速に多様化してきている。
このため、本調査研究では、平成26~29年度に行われた調査研究を踏まえつつ、住まい事業者の運営実態(定員数、職員体制、サービスの提供状況など)や入居者像(要介護度、認知症の程度など)、介護・医療サービスの利用状況といった基礎的情報を定点観測的に調査し、時系列変化を捉えることを目的としている。
特に今年度は、夜間の職員体制や看取りなどの実態、「自立支援」をキーワードとする個別機能訓練につながる「筋力向上トレーニング」「歩行訓練」「認知症予防」など、予防トレーニングに関する取り組みや「減薬」「排泄自立」「経口摂取」など、ケアからの自立に向けた取り組みなどに着目し、取り組み実態と成果を把握し、高齢者向け住まいが果たしている役割や機能などを取りまとめる。
※1 要介護者中心型、自立中心型など
※2 介護付き有料老人ホーム(特定施設)のように入居者に対する包括的なケアを内包する形態のほか、住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅のように安否確認・生活相談などの生活支援サービスのみが付帯する賃貸住宅に、訪問介護などの在宅介護サービスを外部の事業者から受ける形態など
本調査研究では、介護保険制度上の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けていない住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの集合住宅において、住まい事業と介護サービス事業とを組み合わせて提供している形態の事業を対象としている。
これらの対象に対するアンケート調査を通じて、住宅(建物・設備)の管理運営と安否確認・生活相談などの生活支援サービスで構成される住まい事業と、住まいに併設・隣接する介護サービス事業との関係性や利用者像、入居者の意識(サービスに対する満足度、過不足感)など、ケア面の実態把握を行う。
また、事例に対するインタビュー調査を通じて、事例の特徴やサービス提供のスキームなどを踏まえ、住まい事業と介護サービス事業における収支モデルの考え方や、区分経理(管理会計)を行う上で難しい点・工夫している点などを把握し、ケア面、会計面の双方から集合住宅における訪問介護などのサービス提供の実態と課題を取りまとめる。
(追加公募)
今後の人口減少時代においては、介護分野においても適切な人材確保に向けた努力と同時に、生産性向上に向けた取り組みが不可欠となっている。特に生産性向上に向けた取り組みは、一定の時間をかけて継続的に取り組みを進めていくことが重要であり、取り組みの推進にあたっては、その進捗や効果を適切に確認できるような指標を設定することが望ましい。
そこで、本調査研究では、介護分野の特性を踏まえつつ、介護業務を性質に応じて分類し、特にコア業務に注力して質の高いケアに向けた取り組みへの時間が確保しやすいよう、ノンコア業務(間接業務)・バックヤード業務の効率化などを優先して進められるよう配慮しながら、業務の定義化を行い、各業務の現状の平均的な労働時間(実態)の把握を試みる。
さらに、把握した労働時間の実態について、生産性向上に向けた取り組みを実施している場合/していない場合の比較などを通じて、実態としての労働時間に対し、取り組みを行っている場合の労働時間の平均値や中央値をもとに、効率化可能と想定される労働時間に関する指標の設定を試みる。
介護事業に関しては、事業所指定や介護経営実態調査の対象なども事業所単位で考えられることが多いが、小規模法人が多いなどの実態から、生産性向上などの取り組みとともに、法人経営の観点から経営の効率化を進めることも必要となっている。
介護事業の業務を、コア業務であるケアと、ノンコア業務である非ケア業務(間接業務、バックヤード業務など)とに分けて考えた場合、法人規模が一定以上となった場合、非ケア業務を集約化するなどの効率化方法の実現性が高くなる。また、社会福祉法人では、複数の異なる小規模法人が協働で採用・研修・品質向上などを推進する事例や共通化・集約化して別法人を設立する事例なども見られるようになっている。
こうしたことを踏まえ、本調査研究では、介護分野において、経営効率化を図るために行われている取り組みの実態を定量的に把握するとともに、効果的な取り組みの在り方について検討・整理する。
(3次公募)
介護保険施設に入所(または短期入所)する要介護者の居住費・食費の一部を補助する「補足給付」制度に関して、平成27年8月より、補足給付の受給要件として預貯金額について「単身で1000万円超、夫婦世帯で2000万円超の場合は対象外」が設けられ、「限度額認定申請」を行う際に、通帳などの写しを添付し、必要に応じて保険者が金融機関へ照会する仕組みが導入された。
この時の基準は、高齢者の所得と資産の保有実態などを既存調査・統計などから検討し、かつ、特別養護老人ホームの平均入所期間と入所者の生活や介護保険財政への影響を加味して設定されたものではあるが、今般、平成30年10月9日の財政制度等審議会でこの預貯金などの基準額は統計調査における高齢者の貯蓄分布の中央値(男性単身920万円、単身女性830万円、2人以上世帯1,560万円)以上の水準であるとの指摘がなされている。
こうした指摘を踏まえ、本調査研究では、特別養護老人ホームなどの介護保険施設への入所を希望し、限度額認定申請を行った者が提示した預貯金額などの実態を把握するとともに、改めて、平均入所期間なども加味して入所者の生活や介護保険財政への影響を分析に向けた方法論などを取りまとめる。
※本事例の内容は2019年4月10日時点のものです。