総務省の令和4年通信利用動向調査*1によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は上昇傾向が続いており、7割を超えています。また、クラウドサービス利用において企業がデータを取り扱う場所が多様化し、これまで自社のデータセンターに保有していたデータが、他国や他社のデータセンターに置かれることも珍しくなく、データの保護と利活用を取り巻く環境は複雑化しています。さらに、昨今注目されている生成AIに大規模なデータを学習させる環境としてクラウドサービスが活用されており、今後クラウドサービスの活用がさらに進むことが想定されます。
そのため、データの利活用を検討する企業は、責任分界点の考え方や技術的要素を含めたクラウドサービス固有の論点を考慮したデータガバナンス・マネジメントの整備が重要となります。欧州のAI規則案*2においてもハイリスクのAIシステムにはデータガバナンス・データマネジメントが求められています。
また、金融機関のCDO(Chief Data Officer: 最高データ責任者)、データ関連のソリューションベンダー等が中心となって構成される非営利団体であるEDMカウンシルは、クラウド環境に特化したデータマネジメント態勢構築に関して実務的な観点から整理した評価モデルであるCDMC(Cloud Data Management Capabilities)を2021年に公表し、世界30カ国以上の250人以上のデータ専門家を対象にCDMCを用いたベンチマーク調査を2023年7月に公表しています*3。
データにまつわる課題はそれ単独で存在するものではなく、ビジネスやITシステムと密接に関連しています。したがって、単にデータマネジメントに精通しているだけでは、その解決は困難です。PwCあらたでは、「データマネジメントの方法論」に加えて、「業界×業務に対する深い理解」「デジタル(テクノロジー、ITシステム)に関する知見(最新の動向と現実的な活用)」「課題解決の経験値」を組み合わせることでクラウドデータマネジメント態勢の診断・構築を包括的に支援してまいります。