
「経営トップ交代・経営チームづくり」で持続的成長をもたらす秘訣とは 半導体試験装置で世界シェア1位・アドバンテストの「CEOサクセッション」を読み解く
株式会社アドバンテスト取締役の占部利充氏とPwCコンサルティングのパートナー北崎茂が望ましい経営トップ交代、経営チームづくりのポイントを解説します。
2023年6月20日
PwC Japanグループ
※本プレスリリースは、2023年6月20日にPwCが発表したプレスリリースの翻訳です。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。
PwCは、世界46の国と地域にわたり、53,912人を対象に実施し、従業員の勤務態度や行動を詳細に調査したグローバル従業員意識/職場環境調査「希望と不安」(2023 Global Workforce Hopes and Fears Survey)を本日発表しました。
従業員の4人に1人(26%)が今後12カ月間に転職する可能性が高いと回答し、2022年の19%から上昇しており、世界的な景気後退にもかかわらず「大量離職時代」は継続していると見られます。転職する可能性が高いと回答した従業員には、過労を感じている人々(44%)や、月々の生活費をなんとか支払っている人々(38%)、Z世代(35%)などが含まれます。
パーパス、企業文化、インクルージョンもまた、従業員が重視している点です。転職する可能性が高いと回答した従業員のうち、自分の仕事が充実していると回答したのは半数以下(47%)であり、転職の可能性が低いと回答した従業員の57%と比較すると低くなっています。また、転職の可能性があると回答した従業員は、会社に引き続き在籍すると回答した従業員と比較して、職場において自分らしくいられると回答した割合が8ポイント低くなっています(51% vs. 59%)
世界的な経済の冷え込みとインフレは人々の経済状況に影響し続けており、従業員は金銭的にますます余裕がなくなっています。世界の従業員のうち、月末に手元にお金が残っていると回答した割合は38%であり、昨年の47%から減少しています。また、現在、従業員の5人に1人(21%)は複数の職に従事しており、そのうち69%は、副業の理由に追加収入が必要であることを挙げています。なお、複数の職に就いている従業員の割合は、Z世代(30%)やエスニックマイノリティー(28%)が高くなっています。
経済的な圧迫は賃金への要求も高めており、全世界で給与の引上げを要求しようと考えている従業員の割合は、前年の35%から42%に急増しました。金銭的に余裕のない従業員のうち、給与の引上げを要求しようと考えている割合は半数近く(46%)に上ります。
PwCグローバル会長のボブ・モリッツ(Bob Moritz)は、次のように述べています。
「世界の労働力は2つに分断されています。価値のあるスキルを持ち、学び続けることができる環境が整っている人々と、そうでない人々です。多くの場合、スキルを持たない人々は経済的な安定性が低く、今後必要なスキルのトレーニングを受けることができないことがわかりました。ビジネスを成功させるために、変革が必要であることをCEOが認識している世界では、彼らは、テクノロジーの利点と、全ての労働者の才能を引き出す計画を組み合わせる必要があります。企業が同じスキルの高い労働者グループを追いかける一方で、他の人々が取り残されてしまうと、誰の利益にもならないのです。」
経済的に苦しんでいる人々は、新しいスキル習得の必要性やAIの台頭といった将来の課題への対応能力が低くなっています。生活費の支払いが滞りなくできる従業員と比較すると、なんとか支払っているもしくは支払うことができない従業員は、新しいスキルの習得機会を積極的に模索していると回答した割合が12ポイント低くなっています(62% vs. 50%)。
同様に、経済的に安定している従業員は、経済的に苦しんでいる従業員よりも、職場でフィードバックを求め、それを業績向上のために活かしている傾向が強いことがわかりました(57% vs. 45%)。
また、経済的に余裕のある従業員は、そうでない従業員に比べ、AIが生産性を向上させると考えている傾向がありました(57% vs. 45%)。さらに、経済的に余裕のある従業員は、AIが新たな雇用機会を創出すると考えており(24% vs. 19%)、AIが自分たちの仕事を否定的な方向に変化させると考える可能性は低くなっています(13% vs. 18%)。
対照的に、スキルを持つ従業員は、より大きな自信を持って、急激に変化する経済や職場環境に向き合っています。
自分の仕事には専門的なトレーニングが必要であると回答した従業員は、より将来は変化するものと予測する傾向があります。彼らのうち半数以上(51%)は今後5年間で仕事に必要なスキルが大きく変化するだろうと考えているのに対し、専門的なトレーニングを受けていない従業員で同様に考えているのはわずか15%でした。また、専門的なトレーニングが必要であると回答した従業員のうちおよそ3分の2以上が、仕事に必要なデジタルスキル、分析スキル、コラボレーションスキルの向上を雇用主が支援してくれると確信していると回答した一方、現在、専門的なトレーニングを必要とする仕事に就いていない人々の間では、この数字は半分以下でした。
競争の激しい労働市場において、雇用主は、採用や人材育成に対する旧態依然のアプローチを用い続けていることで、貴重な人材を逃しています。専門性の高いスキルを持つ従業員の3分の1以上(35%)は、適切な人材を知らずに仕事の機会を逃していることにある程度または強く同意しています。
一方で、従業員の3分の1以上(35%)が、履歴書や職歴からはわからないスキルを持っていると回答しており、企業が社内の人材を見落としている可能性を示唆しています。世界経済フォーラムがPwCと共同で発表した最近の調査では、スキル優先の労働市場にすることで、全世界で1億人の雇用を創出できることが明らかになりました。
PwCのグローバル・ピープル&オーガニゼーション・サービス共同リーダーのブーシャン・セティ(Bhushan Sethi)は、次のように述べています。
「経済不安の真っただ中にあり、世界中で従業員が給与の引上げや、仕事により多くの意義を求めていることが明らかになっています。リーダーたちが、ビジネスモデルの改革や収益性の高い成長、雇用創出を可能にするための職場改革を模索する中で、これらのニーズへの対応は極めて重要です。この改革のアジェンダにおいて重要なのは、今日のスキルや労働力の不足に対応するために、スキルファーストの採用アプローチを通じて、代替人材のプールにアクセスすることです。過去の実績だけでなく、将来何ができるかに基づいて人々を評価し、スキルアップを図ることで、経済的、ビジネス的、社会的に持続可能な成果をもたらすことができるのです。」
PwCによる2023年の世界CEO意識調査では、10人中4人のCEOは、大きな変革なしでは自社が10年後まで存続できないと考えていることが明らかになりました。本調査の従業員の方がやや楽観的で、同様に考えている割合は33%でしたが、若い世代では悲観的な見方が40%に上りました。長期的な事業存続に対する信頼感は、従業員の定着のためにも重要です。自社が今のままでは10年後まで存続できないと考える従業員が今後12カ月間で退職する可能性は、(そうでない人に比べて)倍以上でした。(退職する可能性があると回答した従業員は、自社が10年以上存続しないと考える従業員では43%、自社が10年以上存続すると考える従業員では19%)。
PwCのグローバル・ピープル&オーガニゼーション・サービス共同リーダーのピート・ブラウン(Pete Brown)は、次のように述べています。
「CEOは、あらゆる場面において、次なる課題を乗り切るためにビジネスを改革しなければならないとわかっています。いかなる嵐も乗り超えるために必要な人的スキルを備えた人材を採用しながら、優秀な人材を維持するために、これまで以上にリーダーシップが求められています。未来にむけて存続可能な労働力を生み出そうとするならば、経営陣は今日の従業員の声に耳を傾けなければならないのです。そしてそれが、明日のためになるのです。」
世界中の従業員の半数以上(52%)が、今後5年間でAIがキャリアにプラスの影響を与えると予想しており、およそ3分の1(31%)が職場の生産性/効率を向上させると回答しました。また、多くの従業員(27%)は、AIは新しいスキルを学ぶ機会であると捉えています。
本調査では、AIに対する意識に著しい世代間格差がみられました。若い世代は、調査したすべての領域においてAIはポジティブにせよネガティブにせよ、自らのキャリアに影響すると考えています。AIが仕事に影響しないと考えている割合は、ベビーブーマー世代が3分の1(34%)であるのに対し、Z世代では14%、ミレニアル世代では17%にとどまっています。
以上
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複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびアシュアランス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約10,200人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。
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