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2020年9月の「IMビッグバン」に向けて、多くの金融機関が証拠金規制対応を迫られています。
金融危機において、一市場参加者の破綻が店頭デリバティブ市場を通じて伝播・増幅し、システミックリスクの拡大を引き起こしたとの反省を踏まえ、2009年11月のG20ピッツバーグ・サミットでは、各国首脳が店頭デリバティブ規制(取引情報報告、清算集中、電子取引基盤での取引執行、非清算集中取引への資本賦課)について合意しました。さらに、2011年11月のG20カンヌ・サミットでは非清算集中取引に係る証拠金規制について合意し、バーゼル銀行監督委員会(BCBS)と証券監督者国際機構(IOSCO)に対し、規制の枠組みを構築するよう指示しました。BCBSとIOSCOは、2013年9月に証拠金規制の枠組みに関する最終報告書を共同で公表(その後、適用開始日を延期する改定版を2015年3月に公表)、それを受けて各国・地域で証拠金規制の導入が進められています。
証拠金規制では当初証拠金(IM)と変動証拠金(VM)の授受が求められ、グループベースでの取引残高に応じて順次適用が開始されます。VMに関する要件(VM規制)は、大部分の金融機関(及び一部の事業法人)などを対象として2017年3月より適用が開始されています(VMビッグバン)。IMに関する要件(IM規制)も一部の大手銀行・証券会社に対して既に適用が開始されておりますが、保険会社や地方銀行を含む多くの金融機関に対しても2020年9月より適用が開始される予定です(IMビッグバン)。
IM規制を順守するために必要な対応として、契約(IM CSA、分別管理契約、カストディ契約等)の締結、IM計算手法の構築、IM授受に関する業務フローの整備、IM授受の適切性に関するモニタリングなどがあります。
IM規制対応は、(1)規制要件の整理・対応方針の決定 (2)業務・システムの整備の2段階に分けられます。特に、(1)におけるIM計算手法とアウトソースする範囲の決定により、(2)に必要な工程や対応負荷に大きな影響が出るため、慎重な検討が必要となります。
PwCは、規制要件の整理から業務・システムの整備、当局届け出まで、IM規制対応に関するサービスを幅広く提供可能です。
要対応事項 |
課題 |
PwCによるサポート |
1. 規制要件の整理 |
関連する規制を全て順守する形で担保交換を行う必要あり |
関連する各国規制の特定と規制要件に関するアドバイス提供(日本のみならず、全ての海外規制に対応) |
2. 影響分析・対応方針の決定 |
【IM計算手法の選択】 標準法または内部モデル(SIMM)の選択にあたって、所要担保に係るコストなどの観点から検討を行う必要あり |
各社の保有ポートフォリオに照らした、内部モデル/標準法の選択に関する検討支援 |
【アウトソースの利用】 • IM関連業務のうち、アウトソース可能な業務の範囲を検討する必要あり • 特に内部モデル(SIMM)に関連する業務については、監督当局への届け出の際に、モデルのパフォーマンスのみならず、業務プロセスやモデルのガバナンス体制などについても確認対象となることが想定されるため、慎重な検討が必要 |
IM業務の特性や利用可能な外部サービスの状況を踏まえた、各IM関連業務のアウトソース可否に関する検討支援 |
3. 契約ひな型の作成 4. 契約交渉・締結 |
各契約書の条件に関するポリシーを決定し、ひな型を策定のうえ、各取引相手・カストディアンと交渉する必要あり |
各種契約書のひな型作成支援、契約交渉における規制の観点からのアドバイス提供 |
5. 担保授受業務整備
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欧米銀とはT+1(取引の翌日)の厳しい担保授受時限を順守する必要あり(VM計算に比してIM計算は時間を要するため、よりタイトな業務が要求される) |
各社の態勢に即した効率的な業務プロセスの構築支援 |
カストディアン、信託銀行との決済業務態勢の構築が必要(各社のサービス内容に差異あり) |
カストディアンの選定およびカストディアンごとのサービス内容に即した業務態勢の構築支援 |
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6. ディスピュート対応 |
高度な専門知識に基づく相手先との交渉や判断を要する(アウトソース可否の検討要) |
照合に係るベンダーサービスの利用を含む、 |
7. 担保計算・システム開発 | Greeksおよび内部モデル(SIMM)などの既存システム・モデルでは対応できない複雑な指標を計算する必要あり |
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8. モニタリング業務整備 |
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9. 内部モデル当局届け出 |
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上記の他、タスクの洗い出し・進捗管理などのプロジェクト運営支援、海外拠点のサポート、当局対応、各種他社事例・業界動向の収集などに関するサービスも提供可能です。