
カスタマーエクスペリエンスと従業員エクスペリエンスの出会い
マーケットでの競争が激化するなか、成功しているビジネスリーダーは、価値の創出には体験から得られるリターンが不可欠であると認識しています。本レポートでは、顧客と従業員の体験に焦点を当てて企業がとるべき対応策を解説するとともに、日本企業に向けた示唆を紹介します。
商品のコモディティ化、顧客ニーズの多様化、テクノロジーの進歩を背景に、市場環境が大きく変容し、商品ベースからサービスベースのビジネスモデルへの移行が加速しています。そこで重要になるのがカスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の向上を起点とした長期的な顧客との関係構築です。これは、ビジネスにおける最優先課題となります。
長期的な顧客関係の重要性は、一般的なサブスクリプションビジネスに限られたものではなく、あらゆる業態・業種に必要な視点です。例えば、大幅な新規顧客の増加が見込めない環境下にあって、既存顧客との取引を継続できるかどうかは小売物販企業の今後の収益に大きなインパクトを及ぼすでしょう。複数の事業を営む複合企業においても、いかに多くの事業領域で顧客と継続的に取引を行い、顧客内シェアを高められるかが収益を左右するでしょう。
従来のカスタマーサービスは、問題を認知した顧客からの問い合わせに対応する受身型でした。そして企業は、問題をナレッジ化することで、対応の均質化と効率化に注力し、顧客の問題解決までの時間を短縮させてきました。しかし、これは顧客がカスタマーサービスに望む期待値の半分でしかありません。顧客は問題を解決したいだけではなく、商品やサービスを使い、自身のニーズを満たしたいのです。
顧客と企業の間のやり取りや会話など、さまざまなタッチポイントで把握できる顧客ニーズに基づいて個別化されたサービス体験を予測的に提供する――。これこそ、顧客が企業に求めているサービスです。顧客は企業から画一的な対応を受けるのではなく、「特別な体験」を得たいと願っています。
顧客とのさまざまなタッチポイントで得られたデータを結合し、総合的な分析に基づくプロアクティブ(事前対応)さらにはプレディクティブ(予測的対応)なカスタマーサービスを提供することで、優れたカスタマーエクスペリエンスを創出し、企業収益に貢献するカスタマーサービスに変革することができます。
サービスエクセレンスは、カスタマーサービス部門だけの改革や特定のシステム導入で達成できるものではありません。企業全体のビジネスプロセスや組織文化を顧客中心に変革する必要があります。サービス・チャネル戦略から組織文化、ビジネスプロセス・オペレーション改革など、部門横断的な改革が求められます。
企業と顧客とのあらゆるタッチポイントでデジタル対応力を強化するとともに、従業員の対応能力も高める必要があります。そして、顧客ごとに個別化された予測型カスタマーサービスの提供を通じて、「特別な体験」が提供できるようになります。
PwCコンサルティングは、企業の課題や成熟度に合わせて最適なオファリングを組み合わせることで、「特別な体験」を生み出す組織能力を高める取り組みを実現し、顧客ロイヤルティを高めながら、収益向上とサービスコスト削減を支援します。
PwCが持つ各業界の知見とSalesforceなどの先進テクノロジーを活用し、カスタマーサービスの変革を支援します。
マーケットでの競争が激化するなか、成功しているビジネスリーダーは、価値の創出には体験から得られるリターンが不可欠であると認識しています。本レポートでは、顧客と従業員の体験に焦点を当てて企業がとるべき対応策を解説するとともに、日本企業に向けた示唆を紹介します。
PwC Japanグループは富士通株式会社とともに、3月26日(水)に表題のイベントを開催します。
顧客とのロイヤルティを育むことは、組織に価値をもたらし、収益性を高めます。本稿では、PwCが実施した顧客ロイヤルティに関する調査からの洞察を紹介するとともに、日本企業が取るべき対応策を解説します。
顧客との長期的な関係と信頼の構築は、一度の取引や一つの部門で完結するものではなく、継続的な価値提供を通じて強化されます。本調査では、顧客ロイヤルティに関する企業の取り組み状況を分析し、信頼構築にむけた具体的な施策を提示します。