私たちは2023年7月に、2030年に向けた中期経営ビジョン「Assurance Vision 2030」を発表しました。これは、PwCのPurpose(存在意義)である「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」を実現し、いずれの時代においても社会から必要とされる存在であり続けるために、2030年における私たちを取り巻く環境を概観し、今後の法人の在り方を構想したものです。
このビジョンの策定にあたり、多様な職員との意見交換を重ねてきました。その結果見えてきたのは、社会の不確実性がより高まり、さまざまな「信頼の空白」が生まれる可能性でした。
実際、地政学リスクは高まり続け、エネルギーや気候変動問題における分断が深まっています。また、生成AIをはじめとする高度なテクノロジーの利用が著しく進み、社会が急速に変化しています。既存のルールではこれらの変化に対するガバナンスを十分に効かせることができず、社会において必要な信頼が確立できていない領域、すなわち「信頼の空白」域が生まれています。
私たちがまず行うべきことは、監査業務の品質をより一層高めることです。PwCは世界共通の監査手法により、各国の事業環境を踏まえながらもグローバルで一貫した高品質の監査を提供しています。2023年12月にPwCあらた有限責任監査法人とPwC京都監査法人が統合し、PwC Japan有限責任監査法人が誕生しました。両法人が品質において有していた強みを統合し、さらに強化していくことで、これからも一層、高品質な監査の実現に尽力してまいります。
170年以上の歴史を持つ会計監査の技術を、会計監査にとどまることなく、より広い領域における信頼の確立、例えばサステナビリティ情報開示の支援に加え、その情報の信頼性を担保する保証についても積極的に貢献していきます。さらに、スマートシティなどでGPSやIoTなどから得られるあらゆるデータの信頼性を確保する仕組みの構築など、「信頼」を提供するトラストサービス構築のための研究・開発体制を強化し、未来の社会における「信頼の空白」域を埋めるための準備を進めてまいります。
これらの取り組みを進めていくために最も重要なものは「人財」です。私たちは、入社年次にかかわらず、誰でも、誰に対しても自由に声を上げることを推奨する「Speak Up」の文化を全員が大切にしています。また2023年には私たちの行動規範(Critical Few Behaviours)を職員のボトムアップで策定し、「進化・協働・挑戦」を判断軸としました。
共通の認識を持ちながらも多様な人財が活躍でき、一人ひとりにあったキャリア形成を進めていける組織をつくっていきます。
ステークホルダーの皆様のご意見を積極的に伺い、社会の「信頼の空白」を埋める存在となれるよう、弛まぬ努力を続けてまいります。
2024年7月1日
PwC Japan有限責任監査法人
代表執行役 久保田 正崇
PwC Japan監査法人は、市場をリードするプロフェッショナルのスキル、堅実な監査アプローチ、人工知能(AI)をはじめとするテクノロジーを融合した新時代の監査を通じて、デジタル社会に信頼を築くプロフェッショナルファームを目指します。
ステークホルダーの皆様に、私たちPwC Japan有限責任監査法人が高品質な監査を実現するために構築しているガバナンスおよび品質管理の体制に関する説明責任を果たすため、「監査品質に関する報告書」を開示しています。
It’s time. 取り組むのは、いま。PwCは持続可能な社会の実現を目指し、率先して変化を起こします。
ビジネスコンサルタント、公認会計士、テクノロジスト、税理士、弁護士、アナリスト、ストーリーテラー。多様な仲間たちと力を合わせ、「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPurpose(存在意義)の実現を目指してみませんか。