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近年、日本企業の間で、海外のオフショア拠点のあり方を見直す動きが見られるようになってきました。2022年には経済安全保障推進法の成立が予定されていることや、日本企業のオフショア拠点でのインシデントの発生などがその背景にあると思われます。特に、基幹インフラを保有する金融機関や顧客情報を扱うコンシューマブランドにおいて重要な問題であり、オフショア拠点で行われてきたシステム開発業務、コールセンター業務、事務代行業務などを、これまで通り現地で継続すべきかどうか、検証が進められています。
オフショア拠点を立ち上げた当時は、中国・インド・東南アジアなどの安価な労働力を求めて現地に進出するケースが多かったのですが、近年の地政学的な緊張関係の高まりを受けて、企業には、経済合理性だけではない判断軸が求められています。
拠点見直しの結果、現地のデータ管理方法を強化する程度の最低限の対策に留めるケースもあれば、オフショア拠点の撤退や日本国内への業務移管といった大規模な方針転換に至るケースもあるようです。いずれのケースにおいても、想定されるリスクや金額的なインパクトなどの検証を踏まえて慎重に検討する必要があり、これらの企業にとっては難しい判断が迫られることでしょう。
そこで本連載では全3回にわたり、オフショア拠点見直しのポイントを解説します。
第1回:オフショア拠点におけるデータ管理のあり方
第2回:中国から撤退する際の業務移管方法と会社清算における税務上の留意事項
第3回:海外事業撤退時の法務上の留意事項
米国と中国の間での貿易摩擦や英国のEU離脱を巡る混乱など、地政学リスクのレベルが高まっています。日本企業にも、リスクマネジメントに地政学の視点が必要です。事業に対する影響の評価、リスクの定量化、シナリオ予測などの手法を用いて、地政学リスクによる損失の軽減や未然防止に向けた効果的・効率的な対策立案と実行を支援します。
インシデントの予防や発生時の企業価値棄損の最小化、深刻化回避、早期回復、そしてさらなる企業価値向上に寄与すべく、リスクおよびガバナンスに関するさまざまなサービスを提供しています。
中国では2017年にサイバーセキュリティ法が制定され、2021年にはデータセキュリティ法と個人情報保護法が成立しました。PwCは、中国に事業展開する日本企業の各法への対応を総合的に支援します。