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「壊れていないものを直すな(システムや方法がうまく機能しているのであれば、それを変える必要はない)」という格言を耳にしたことがある人もいるかもしれませんが、これはいいアドバイスではありません。ほとんどの経営幹部層は、変化を拒めばいずれ終焉を迎えてしまうと分かっています。とりわけ現在は、何を維持し、何を手放すかを知ることが、企業が今後生き残れるかどうかをこれまで以上に左右すると言えるでしょう。それにもかかわらず、多くのリーダーは組織や働き方に関して安全志向を崩しません。
成功を収めるには連携強化やアイデア創出を促すだけでなく、自ら取り組みをリードしましょう。全てのビジネス領域の人たちを巻き込み、戦略を立て、前に進めなければなりません。トランセンダー(先駆者)が皆からのアイデアを行動に移してビジネスを推進し、迅速に変化に対応できる理由はまさにここにあります。
企業文化を単に評価するだけでなく、改善に移しましょう。Katzenbach Centerが実施した最新のグローバル組織文化調査では、プロフェッショナルの80%が自社の成功や成長、優秀な人材確保をするうえで、今後5年間で組織の文化を進化させなければならないと考えていることが明らかになりました。
企業は今、そして将来にわたって唯一無二の企業であるために、どの施策がうまく回っているのか、どのようなプロセス、製品、技術を変える必要があるのかを把握する必要があります。これは簡単ではありませんが、今を生き延び、将来トランセンダー(先駆者)となるためには避けて通れないことなのです。
マイクロソフト
「知ったかぶりの企業文化」からの脱却
1990年代、マイクロソフトは市場での存在感と競争力を維持できるようWindowsオペレーティングシステム以外の分野での多角化を進めてきました。
その効果は?
「私たちは知ったかぶりの企業文化から、学べることを全て学んでいく企業文化へと変化を遂げました」
マイクロソフトCMO(最高マーケティング責任者)
「リーダーはデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けた明確な長期戦略とビジョンを持っていなければなりません」
ポルシェ
ドライビングエクスペリエンスの変革
自動車メーカーにおけるDXは、ドライビングエクスペリエンスや自動車を所有することの意義を変えることになります。2018年、ポルシェはIT予算の半分をデジタル化にあてることを発表しました。そして、DXを1つの部署のみに任せるのではなく、専門分野の垣根を越えて全ての従業員に関与してもらうことを決定しました。
前進を加速する
ポルシェとフォルクスワーゲンの持ち株会社であるポルシェSEは、自動車を使用していない時間にそのまま置いておくのではなく、オンデマンドサービスにより常に稼働させ、運転手が収入を得られるようにするための準備を進めています。
同社は、交通状況のシミュレーションを手がけるPTVグループを買収したほか、運転手への情報提供を向上できるようAR企業への投資も行ってきました。
リーダーシップによる舵取り
トランセンダー(先駆者)企業のリーダーは結果を出しています。
※本コンテンツは、PwC米国が公開した「2020 GLOBAL DIGITAL IQ How to make change happen」を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。