
テクノロジー・メディア・情報通信における世界のM&A動向:2025年の見通し
AIブーム、テクノロジーとビジネスモデルの継続的なディスラプションに伴い、テクノロジー・メディア・情報通信(TMT)分野のM&Aは2025年も活発に行われる見込みです。
デジタル社会の基盤として重要な役割を果たしているテレコム業界。個人や企業、公共機関などあらゆるレベルでの通信とデータ連携を可能にし、デジタル化の基盤を提供しています。通信テクノロジーの進化により、ネットワークはより高速で安定したものへと進化し、日常生活やビジネスだけでなく、今後導入が見込まれるAIやディープラーニングによる画像認識、自動運転、スマートファクトリー、拡張現実(AR)、仮想現実(VR)などの先端テクノロジーの実装を支えるためにも不可欠な存在となっています。
一方で、急速なテクノロジーの進化と外部環境の変化により、テレコム業界は大きな不確実性に直面しています。
デジタル化や先端テクノロジーがもたらす新しいユースケースやアプリケーションは、ネットワークに対してより高い品質やセキュリティレベルだけでなく、機敏かつ柔軟な対応と持続可能なイノベーションを要求します。加えて、デジタル化により加速度的に需要が高まるトラフィック(ネットワーク上を流れるデータ量)の処理、近年国内外で多発する自然災害への対応、といった外部環境の変化への追随が求められます。
すなわち、「平常時・非常時を問わず、どのような場所においても、皆がつながる世界」が、これまで以上に求められています。
本レポートでは、PwCグローバルネットワークが特定したメガトレンドである「気候変動」、「テクノロジーによるディスラプション」、「人口動態の変化」、「世界の分断」、「社会の不安定化」の5つを踏まえ、テレコム業界視点での国内外セミマクロトレンドにフォーカスし、事業者が果たすべき役割について論じています。
その上で、シリーズの第1回として、これらのセミマクロトレンドや外部環境の変化に立ち向かうべく、2030年を見据えたテレコムビジネスの未来デザインと達成すべき世界観について考察します。
また、第2回以降では、テレコム事業者のビジネス全体を支えるネットワークオペレーションの最適化に焦点を当てて、組織・人材・システム・オペレーションに対するアセスメントの重要性や取り組みについて考察するとともに、非通信サービス実現のためのデジタルサービスを支える先端技術の動向やビジネス実装の方向性について考察していく予定です。
第1章 はじめに
第2章 メガトレンド – 2030年の世界と日本の変容
第3章 メガトレンドに立ち向かう – テレコム事業者に求められる役割
第4章 テレコム業界のチャレンジと未来デザイン
第5章 おわりに
諏訪 裕之
シニアマネージャー, PwCコンサルティング合同会社
AIブーム、テクノロジーとビジネスモデルの継続的なディスラプションに伴い、テクノロジー・メディア・情報通信(TMT)分野のM&Aは2025年も活発に行われる見込みです。
PwCは2024年10月から11月にかけて第28回世界CEO意識調査を実施しました。世界109カ国・地域の4,701名のCEO(うち日本は148名)から、世界経済の動向や、経営上のリスクとその対策などについての認識を聞いています。
テレコム業界の企業にとって、グループの経済圏の覇権を争う中核となる「通信×金融決済」領域の事業サポートを担うプロフェッショナルが、現状と今後の方向性について語りました。
シリーズ第2回では、テレコム事業者におけるネットワークインフラの運用保守改善の必要性や、改善すべきポイントに焦点を当て論じます。また、次世代ネットワークインフラをどのように実装していくべきか、段階ごとに切り分けて考察します。