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PwCコンサルティング合同会社は、2024年5月に外部データの収集と活用の実態調査を実施し、546名の経営幹部やリーダーから回答を得ました。
調査結果から経営幹部やリーダーの25%が、自社外のデータ収集・活用に取り組んでいるものの本来狙う効果を創出できておらず、データの収集や活用に課題を抱えていること、また課題解決に資するサービス・ツールに対して、6割以上が必要性を感じていることがわかりました。
売上データだけでは補足できない見込み・潜在顧客など自社外の顧客データの収集ニーズが高く、フィジカルなサプライチェーンデータの収集は限定的。
現在収集している外部データとしては、売上データ、オープンデータ、Webサイトなどへのアクセスログが主流でした。また、今後収集したいデータとしては、約半数が「見込み・潜在顧客など自社外の顧客データ」を挙げています。
現有の売上データだけでは捕捉できない自社外の顧客データを活用したデマンドマネジメントの高度化を目指す企業が多く、そのために社外データのニーズがあることが伺えます。
一方で、地理・位置情報、気候、道路交通情報・物流情報などフィジカルなサプライチェーンに関するデータ収集は、現状・今後とも2割程度にとどまり、サプライマネジメントへの高度化に対する社外データ収集・活用については発展途上で啓発の余地があることが分かりました。
事業戦略・営業戦略立案、需要予測や販売計画の精度向上などデマンドマネジメント系業務への社外データ活用が主流。
現在収集しているデータ・今後収集したいデータが取得できた場合の両方に共通して、営業戦略、需要予測や販売計画の精度向上、事業戦略立案などデマンドマネジメント系業務への活用が主流でした。
一方で、最適な生産・在庫管理・輸配送計画の立案、最適な調達計画の立案などサプライマネジメント系業務への活用は質問1と同様、デマンドマネジメントに劣後する形となりました。営業戦略、需要予測および販売計画の精度向上、事業戦略立案などは外部環境分析が業務プロセスとして定義されており、社外データの活用が広く実施されている一方、生産・在庫管理・輸配送計画などは自社内データのみで完結している実態が推察されます。
しかしながら、サプライチェーンのレジリエンス向上が求められる昨今においては、サプライチェーンEnd to Endに関わる外部環境の捕捉範囲拡大・解像度向上を実現する必要があります。そのためには、自社データと外部データを掛け合わせ、サプライチェーンのシミュレーション変数や予測項目を拡張・精緻化することで、インサイトを獲得することが重要になることから、サプライマネジメント系業務への活用ニーズも高まっていくことが予想されます。
インターネットや外部機関提供レポートによる不特定多数向け二次データが主流であるものの、BtoCでは独自調査、BtoBではIoT機器などから取得した一次データも活用。
データ取得方法は、インターネットや外部機関提供レポートといった不特定多数向けの二次データが過半数でした。一方で、調査目的に合った方法で独自に集めた一次データに該当する「外部機関と連携した独自調査」はBtoC系企業、「IoT機器などからの取得」はBtoB系企業を中心に一定の割合で活用されています。
二次データは、一次データと比べて入手コストの低さや収集にかかる時間を短縮できるメリットがある一方、調査手法の手続きや調査時期、集計方法などが必ずしも目的に合致するとは限らない点に注意が必要です。
社外データ収集・管理にかかるコストが最大の課題。ニーズを満たすデータの入手困難性はもとより、入手したデータの精度や鮮度などデータ品質の課題も大きい。
データ収集・管理のコストへの課題意識を60%以上が抱えていることがわかりました。データ入手可能性=ニーズを満たすデータ自体が入手できないことに対する課題認識も40%以上が抱えており、質問3でデータ取得方法が二次データ中心であった結果と照らし合わせると一次データを取得することの必要性が浮かび上がってきます。
外部データについては、必要とする完璧なデータそのものを収集すること自体がきわめて困難であることに留意する必要があります。適切な二次データがない場合や二次データだけでは目的を達成できない場合には、収集にコストや時間をかけてでも自ら一次データを収集することを検討し、一次データと二次データを適切に組み合わせることで、効果的な調査と分析が実現できる可能性があります。
外部データ収集・管理のROI向上には、データ分析から施策立案までできる人材スキル・リソース・プロセス定義など組織面の課題解決がカギ。
収集したデータの活用頻度や活用レベルとしては、「断続的であるが、分析している」が最も多く、収集しているデータを全て活用している企業は極めて限定的であることが伺えます。
また、収集したデータを活用する上では、人材スキル不足、プロセス未定義による属人化、分析リソース不足といったスキル・リソース・プロセスなどの組織面の課題が、データ不足・鮮度などのデータ品質面の課題よりも多く挙げられる結果となりました。
上記の結果より、「外部データ収集・管理にコストをかけても十分に活用できていない」、あるいは「目的に合致しないデータ収集にコストをかけてしまっている」といった状況が推察されます。収集可能なデータには限界があることや収集したデータの品質に課題があることを理解したうえで、目的に合致した活用ができるスキルやプロセスの定義がより重要であると言えます。
自社外のデータ収集・活用でさまざまな効果を得ることができる一方で、経営者・リーダー層の25%が効果の創出を実感できていない。
収集したデータ活用による効果としては「売上Up」、次いで「業務の効率化」が挙げられました。
「売上Up」の効果については、収集データとデータ活用業務がデマンドマネジメント系であった点と合致しており、正しく活用すれば狙った効果を創出できることを裏付ける形となりました。
「業務の効率化」については収集・分析作業の自動化によるものであると考えられるため、活用した業務から得られる効果そのものではなく副次的な効果と読み取れます。
一方で、着目すべきは「効果は出ていない」との回答が25%以上あることです。企業が外部データ活用から狙った効果を創出するためには、前述したデータ収集・活用スキル・リソース・プロセスといった組織面の課題解決を図ることが必須と言えるのではないでしょうか。
外部データ収集・活用を支援するサービス・ツールによる課題解決と効果創出の期待やニーズは高い。
外部データ収集・活用面の課題解決を支援するサービス・ツールとして、【ビッグデータ×AIにより意義ある示唆を生成できる拡張性の高いプラットフォーム】、【サプライチェーン全体のリアルタイム可視化とリスクの予兆・予測・検知するサービス】、【社内データ×外部データをリアルタイム性をもって収集・一元管理するデータ活用基盤】の3つを例示しましたが、3つに対してほぼ同程度の6割以上が「今はないが必要と考えている」と回答しました。
経営者・リーダー層の25%以上がいまだに外部データ収集・活用の効果を実感できていない結果と照らし合わせると、こうしたサービス・ツールへの期待とニーズの高さが読み取れます。