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2020-10-06
PwCコンサルティング合同会社は、厚生労働省令和2年度老人保健健康増進等事業(老人保健事業推進費等補助金)の国庫補助内示を受け、下記の事業を実施します。
【事業の概要】
特別養護老人ホーム(以下、「特養」と表記)では退所者の約7割が死亡による退所となっており、看取りに直面する機会が非常に多くなっている。このような状況において、日々のケアとともに、医療・看護体制の重要性はより一層増していると考えられる。
また、社会保障審議会介護給付費分科会(介護報酬改定検証・研究委員会)において、特養における救急搬送のあり方が着目されている。これまでにも特養における医療・看護体制に関する調査研究は多数実施されてきたが、救急搬送に着目した調査研究は行われていない。
そこで、本調査研究では、特養における配置医師・協力医療機関の役割や、救急搬送の状況、看取りを行ったケースの疾患・状態像や行われたケア等の実態を把握し、救急搬送や看取りのあり方等に関する検討を行う。また、疾患・ADL(日常生活動作)等の状態から見てタイプの異なる看取りケースを採り上げ、看取り期における配置医師や看護師の関わり方、果たした役割とアウトカムなどに関するケーススタディ(質的研究)を実施する。
地域包括ケアシステムでは、中心に「住まい」が位置付けられているが、本調査研究は、その一翼を担う高齢者向け住まい(有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅)を対象としている。これらの高齢者向け住まいは、量的に急増していることに加え、事業者像、入居者像やサービス利用/提供の形態などが多様化し、質的にも大きく変化してきている。
こうした変化を定点観測していくため、本調査研究では、平成26~30年度に行われた調査研究を踏まえつつ、住まい事業者の運営実態(定員数、職員体制、サービスの提供状況等)や入居者像(要介護度、認知症の程度等)、介護・医療サービスの利用/提供状況といった基礎的情報を把握・分析する。
今年度事業では特に、新規入居者や死亡退去者の状態像、救急搬送の実態等に着目し、その実態把握を試みる。
高齢者向け住まい(有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅)への入居を検討する高齢者・家族の相談を受け、空室のある高齢者向け住まいに対して入居者をあっせんする形でホーム運営事業者側から報酬を得るビジネスモデルの紹介事業が存在している。こうした事業は、高齢者・家族の情報収集や理解を円滑にするという利点がある反面、必ずしも高齢者・家族のニーズが反映されていないという指摘があり、「適切な紹介」に向けたルール作りが必要となっている。
このような問題意識から、本調査研究では、平成31/令和元年度の同調査研究を踏まえつつ、紹介事業者、居宅介護支援事業所(ケアマネジャー)、高齢者住まい事業者へのアンケート調査を実施し、紹介事業に関する実態を把握して、その利点と課題を明らかにする。また、有識者との議論を通じ「適切な紹介」を実現するために必要なルールについて検討・とりまとめを行い、事業者団体等との連携のもと、そのルールの普及啓発方法についても検討する。
令和元年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019」において、社会福祉施設等を始めとした公共施設の管理について、人口減少やインフラの老朽化が進展する中、予防保全に基づくメンテナンスサイクルの徹底やライフサイクルコストの低減を図り、時代の変化に対応した公的ストックの適正化を進めることが求められている。
各インフラ所管省庁では、長寿命化等による効率化等の効果も含めた中長期的なインフラ維持管理・更新費見通しを公表し、地方公共団体における取り組みを推進するとしている。そのため、全国の公立の老人福祉施設等の現状及び更新費用の見通し等を把握するとともに予防保全等の対策による更新費用の効率化の検証を行う。
こうした背景を踏まえ、本調査研究では、全国の公立の老人福祉施設等について、地方公共団体に対して、アンケート調査等を実施して情報を収集・整理するとともに、老人福祉施設等に係るインフラ維持管理・更新費用等、長寿命化の取り組みによるそれらの効率化効果の見える化に資するよう、本業務によって得られた情報を体系的に整理する。
認知症の要因の一つとして難聴が指摘されている。難聴はQOLや認知機能に影響をあたえ、介護予防や生活の質を維持していく上でも重要なテーマである。そのため、補聴器の早期の利用により、QOLの低下などを予防することが重要である。
一方で、加齢性難聴のように、本人が気づかないうちに症状が悪化し、適切な支援や受診につながらないケースもある。本事業では、高齢難聴者の適切な補聴器利用に向けた取り組みの課題および対策を検討するため、自治体が高齢難聴者の存在を把握する取り組みについて、その実態を調査した。
令和2年4月27日に開催された未来投資会議構造改革徹底推進会合では、「介護現場のICT化による働き方改革及び生産性向上の実現」に向け、タブレットやスマートフォンを活用して介護やケアなどの記録を電子化し、効率的に勤務管理機能を実装すべきとの方向性が示された。
これを受け、勤務管理システムの介護現場への実装に向け、介護現場の働き方改革に資する項目の整合化・標準化を目的として本事業を実施した。なお本事業では、ICT化の対象業務として、シフト表の作成を中心に据えつつも、希望休の集約、シフト表完成後の職員への展開および調整、勤怠管理、給与支払といったシフト表作成前後に付随する業務についても一体的に捉えて検討することとした。