2024年8月27日
PwC Japanグループ
PwC Japanグループ(グループ代表:久保田 正崇、以下「PwC Japan」)は、PwC Japanが開発した投資家の視点を意識した大規模データ分析ツールを用いて、企業のPBR改善や企業価値向上を支援するサービスを本日より提供開始します。
開発したツールは、2,000社超の上場企業に係る大規模データを投資家の視点から統計分析し、企業の財務・非財務要因が企業価値に与える影響を定量的に把握・可視化するものです。このツールによる分析結果に基づいて、クライアント企業の企業価値向上を支援します。また、本サービスの提供開始に合わせ、企業の皆様に詳細をご紹介するセミナーの申込を本日より受付開始します。
① PBR(ROE×PER)について、多くの企業がROEの向上に取り組みながらも、市場(投資家)の期待が反映されているPER向上への取り組みは不十分な状況のもと、投資家側と企業側の重要視する経営指標やその値に認識のずれが生じています。データ分析により投資家の視点を定量的に把握することでこのずれを修正し、投資家との効果的なコミュニケーションを促進します。
② 機関投資家が用いているものと同様の大規模パネルデータを活用するとともに、機関投資家等の計量分析担当者(クオンツ)が従来から用いている分析モデル/手法を使用することで、より投資家の視点に近い形で市場での価格決定要因を抽出しています。
③ 社外データを活用した分析をPwC Japanが行うため、企業側でのデータ収集・整備・分析のためのリードタイムを節約することが可能となります。クライアント企業は分析結果に基づく課題認識と対応策の策定に専念できます。
本ツールの分析により、PERやそれを構成する資本コストおよび期待利益成長率に影響が大きい財務・非財務要因を把握し、さらにその結果を競合他社と比較することで、企業価値向上に向けた効果的な改善策の策定を促します。
東京証券取引所が「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」に関する要請を出した2023年3月末時点で、東証プライム上場のうち約半数の企業でPBRが1倍を下回っていました。その後1年間である程度改善しましたが、2024年3月末時点でも依然4割弱(649社)の企業が1倍割れの状況です。前述のとおり、PBRはROEとPERの掛け算になっており、その改善のためには、ROEかPERのどちらかを向上させることが必要です。ROEについては、多くの企業が改善に取り組んでいますが、その取り組みが市場(投資家)にうまく伝わらずに株価に反映されていないという課題を抱えているケースも多いと思われます。そのような企業にとっては、ROEだけでなく、もう一方のPER、およびそれを構成する資本コストや期待利益成長率を改善させることが有効です。
また、国内の機関投資家の投資判断において、非財務(サステナビリティ)情報の重要性が増しています。近年、機関投資家のサステナビリティ投資残高は急成長しており、そのポートフォリオに占めるサステナビリティ投資の割合は2023年3月末で65%に達しています。つまり、過半のポートフォリオで何らかの形で企業の非財務要因が考慮されていると理解できます。
このような新しい状況下で、投資家の期待に的確に応えて企業価値向上につなげるための一つの方法として、データ分析を活用して投資家の視点から企業価値に影響する財務および非財務の活動を客観的に捉え、より効果的な戦略構築、投資判断を検討することが考えられます。
PwCの「社会における信頼を構築し、重要な課題を解決する」というPurposeを体現するため、PwC Japanは、投資家が株式評価の上で重要視している財務・非財務要因を特定し、企業が投資家の視点を踏まえて市場で適切に評価される経営アクションへつなげていくことを強力にサポートしてまいります。
以上
PwC Japanグループは、日本におけるPwCグローバルネットワークのメンバーファームおよびそれらの関連会社の総称です。各法人は独立した別法人として事業を行っています。
複雑化・多様化する企業の経営課題に対し、PwC Japanグループでは、監査およびブローダーアシュアランスサービス、コンサルティング、ディールアドバイザリー、税務、そして法務における卓越した専門性を結集し、それらを有機的に協働させる体制を整えています。また、公認会計士、税理士、弁護士、その他専門スタッフ約12,700人を擁するプロフェッショナル・サービス・ネットワークとして、クライアントニーズにより的確に対応したサービスの提供に努めています。