行動規範の策定・浸透に関するアドバイザリーサービス

企業が望ましいカルチャーを醸成するにあたって、多くの企業は従業員への期待を込めて、その要となる行動規範を策定しています。

一方で、行動規範を策定してはいるものの、その効果が期待通りに発揮されていないケースも散見されます。その要因は企業によりさまざまですが、主として以下のようなことが考えられます。

  • 行動規範の存在がそもそも認識されていない
  • 行動規範の既存文書体系における位置づけが不明瞭であり、その重要性が認識されていない
  • 行動規範のボリュームが膨大または視覚的に判読しにくいものであるため、内容が伝わっていない
  • 行動規範の内容が抽象的であり、日常業務とのつながりが弱い
  • 行動規範の内容と現場の実態との乖離が大きく、“建前”と捉えられている

行動規範が期待通りの効果を発揮するためには、内容を熟慮するだけでなく、従業員にその内容を納得してもらい、実践につなげてもらうための浸透活動が必要です。PwCは、行動規範の策定・改定から、浸透、効果測定、改善に係る活動まで一貫したサポートを提供しています。

PwCのアプローチ

カルチャー醸成におけるPDCAサイクル

行動規範を通じてカルチャーを醸成するためには、行動規範を策定して終わり、ではいけません。さまざまな浸透施策を検討、実施し、効果測定の結果を踏まえて施策を見直すなど、継続的かつ一貫して取り組む必要があります。カルチャーの醸成には、研修の実施や組織構造、人事制度の変革が効果的な場合もあります。

カルチャー醸成における PDCAサイクル

行動規範の主な構成要素

実効性のある行動規範を策定し、望ましいカルチャーを醸成するためには、以下の要素を盛り込むことが望ましいと考えられます。

  • マネジメントの思い(Tone at the top)
  • 管理職の責任
  • 役職員のあるべき行動の基本原則
    • 顧客、市場、株主、取引先、社会、従業員などステークホルダーごとに何を約束するのか(何をアウトカムとして提供するのか)。どのように行動するのか
    • 役職員はどのように責任(遵守責任、スピークアップ・相談する責任、リスクマネージャーとしての期待)を果たすのか
  • 行動のための判断基準・フロー
  • 心理的安全性の確保に係る記載(スピークアップと通報者保護の宣言)
  • コンプライアンス
    • ゼロトレランスリスク(絶対遵守)に係る記載(AML・反社、内部者取引、利益相反、情報管理、贈収賄、ハラスメントなど)

行動規範の実効性を高めるための観点・工夫

  • 創業の理念や会社のヒストリーの引用
  • 認識・判断・行動のプロセスに整合した判断基準・フローの記載(迷った際の判断原則、行動の優先順位付けなど)
  • Q&Aやグレーゾーンケースなど、実務的な活用に役立つ情報の記載
  • 実務的な解釈、ルールに係る関連ポリシーの参照リンクなどの記載
  • 通報先、相談先の記載

既存文書との関係性の整理

行動規範が従業員に違和感なく受け入れられるには、各構成要素の内容が既存の文書の内容と整合し、かつパーパスなどの企業理念と一貫していることが求められます。そのため、行動規範を策定する際は、独立した文書として考えるのではなく、他の文書とのつながりを念頭に置く必要があります。

既存文書との 関係性の整理

構成要素のトレンド

行動規範のトレンドとして、コンプライアンス(ゼロトレランスに係る記載/回避すべき行動)だけではなく、あるべき行動や積極的に実施すべき行動も盛り込むことで、ポジティブなカルチャー醸成を図る企業が増えつつあります。

Behavior Curve(行動曲線)

行動規範策定のアプロ―チ

行動規範を策定する際は、要素の抽出、ドラフト、レビュー&リリースの3段階でアプローチします。要素を抽出する段階から従業員を巻き込むことができれば、内容への関心や納得感が高まり、策定後の浸透をスムーズに進めることができます。

行動規範策定の アプロ―チ

策定した行動規範の浸透

行動規範を企業内に浸透させ、望ましいカルチャーを醸成するための手法としては、経営層からのメッセージ発信、カルチャー研修・ワークショップの開催、カルチャーサーベイの実施、組織構造・人事制度の見直しなどが挙げられます。PwCでは、さまざまな手法を組み合わせたロードマップの作成から、各取組を実行に移す際の実務支援まで、一連のサポートを提供しています。カルチャー醸成のための各種サービスは、こちらのページでもご案内しています。

策定した行動規範の 浸透

主要メンバー

辻田 弘志

パートナー, PwC Japan有限責任監査法人

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大野 大

シニアマネージャー, PwC Japan有限責任監査法人

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