
シリーズ「価値創造に向けたサステナビリティデータガバナンスの取り組み」 第1回:サステナビリティ情報の開示により重要性が増すデータガバナンス・データマネジメント
企業には財務的な成果を追求するだけでなく、社会的責任を果たすことが求められています。重要性が増すサステナビリティ情報の活用と開示おいて、不可欠となるのがデータガバナンスです。本コラムでは情報活用と開示の課題、その対処法について解説します。
デジタルテクノロジーの発展がもたらす事業環境の変化に、多くの企業が直面しています。企業はこれまで、クライアントからはよりよい製品・サービスを、株主からは資本効率性を、そして規制当局からは事業のセキュリティや安定性を主に求められてきました。しかし昨今、ステークホルダーの期待や不安もまた、デジタルの観点を含んだものへと変化しています。例えば、クライアントからはUI/UXの改善やデジタルチャネルの活用を、株主からはテクノロジーの発展を踏まえた成長戦略を、規制当局からはデジタルサービスがもたらす新たなリスクへのプロアクティブな対応を求められるといった具合です。
このような中で企業がステークホルダーからの期待に応え、価値を創出するためには、成長するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進と安定性を高めるためのリスクガバナンス、それぞれの経営アジェンダに対応していく必要があります。
DX推進は「機会獲得」の手段に他なりません。「ボラティリティ(変動可能性)を最適化する」という意味ではリスクガバナンスと同質であり、これら2つの経営アジェンダを融合し対応していくことが、これからの企業経営にとって肝要です。DX推進とリスクガバナンスを融合させた「DX経営ガバナンス」は、各DX施策の方針を定め、リソースと権限を割り当てる(再配分する)「方向づけ」、成果や有効性、リソース消費の実態を把握し、リスクを分析する「モニター」、そして外部ステークホルダーの期待・動向および自社の内部環境を総合的に評価し、機会とリスクのバランスを意思決定する「価値評価・意思決定」に分類できます。
PwCは、アシュアランスにおける監査保証業務、内部統制やレジリエンス態勢構築の知見、コンサルティングにおけるDX戦略立案・施策実行の知見などに基づいて、DX経営ガバナンス態勢の構築を総合的に支援します。「方向づけ」の段階では「DX組織設計」、「モニター」においてはポートフォリオ診断、「価値評価・意思決定」においては「DXシナリオチャレンジ」や「ステークホルダー対応」といった、各段階に応じた適切な支援を提供します。
またこれらのサービスは、PwCの知見のみならず、「デジタルガバナンス・コード」や「DX推進指標」、「COBIT2019」、「システム管理基準」および「システム監査基準」などの公知の情報に基づいて提供されるため、内外ステークホルダーへ容易に説明することが可能です。
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