STORY Part1 「その場で聞く」ことの大切さ。
入社してすぐに、自分の無力さを思い知らされる出来事がありました。先輩から資料作成を依頼され、長い時間をかけて自分なりに満足のいく仕上がりで提出をしたつもりでした。しかし、帰ってきた修正を見て愕然。「この文章では、言いたいことが伝わりにくいですね」「グラフは見づらいので消しておきました」。どの指摘にも反論の余地はなく、大きな悔しさだけが残りました。この悔しさをバネに、以降はなるべく指摘を受けないようなスライドを仕上げようという考えが強くなった私。しかし、新入社員が常に高いクオリティを保つことは難しく、ただ悩むだけで成果の出ない時間が増えていきました。そんなときにもらった先輩の言葉に救われました。「1人で完璧に進める必要はないので、早い段階で状況を教えてください。チーム全体で進めていきましょう」。自分が時間をかけて完璧にこなすことが、チームにとっては必ずしも最善ではない。この日から、仕事への捉え方・進め方が大きく変わりました。
先輩のアドバイスを受け立てた目標は、「適切な時間で完成度が高い仕事をできるようにする」ということ。そのために、分からないことはとにかく「その場で聞く」ように心がけました。1つの仕事に対してかかる時間や進め方を考えたら、まずはそれが上司のイメージと合っているかどうかを「その場で聞く」。そうすることで不要な作業が減り、仕事のクオリティも向上していきました。
また、仕事の「本質」を見極めることも意識しました。「そもそもこの作業はどのような目的で行うのか」「この資料でクライアントに伝えたいことは何か」。徐々に、本質を掴み、無駄を省くことができるようになっていきました。初めのうちは「調べる」「つくる」「整理する」など、すべきことが明確な作業を任されることが多かったのですが、少しずつできることが増えていき、「プロジェクト全体の論点を考える」「解決策を模索する」など、抽象度の高い仕事に携わることが増えていきました。仕事の難度が上がるにつれ達成感も大きくなり、年々仕事が楽しくなってきています。