
VRゴーグルで実現するハイブリットワーク時代の新しいコミュニケーション―PwCあらた有限責任監査法人PwC入所式の事例―
2022年12月に新入職員の入所式をメタバース(仮想空間)で開催し、初めての試みとして全新入職員にVRゴーグルを着用してもらいました。今回はその実現に向けた取り組みと、コミュニケーションツールとしてのVRゴーグルの可能性を紹介します。
2022-02-08
内部統制報告制度(J-SOX)導入から10年以上が経過し、J-SOXのために導入されたフローチャート、業務記述書、リスクコントロールマトリックスのいわゆる3点セットは少しずつその形を変え、効率化が進んでいると思われます。一方で、J-SOX導入後もほとんどビジネスの形態に変更がなく、3点セットにも大きな変更がないまま現在に至る企業も一定数存在しているのではないでしょうか。近年の企業を取り巻く環境の変化やテクノロジーの進展により、内部統制に関する新たな課題が次々と出現しつつありますが、被監査会社からは特に下記のような課題をよく耳にします。
今後もあらゆる業務領域でDXが進み、業務の一層の効率化および迅速化が図られていくと考えられます。そのような中で、企業にはリスク評価を適時に行い業務実態とリスク評価を整合させ、これまで以上にスピーディーに内部統制を更新・改善していくことが求められています。また、テクノロジーの活用ありきではなく、J-SOX業務の見直しをはじめ、現状の課題を解決するための方向性および実現のためのアプローチを明確にした上で、適用すべきテクノロジーを検討することが重要になります。加えて、リスクアプローチの観点から、リスク評価の客観性を担保しつつ精度の向上を図り、リスク評価の結果に則してデザインされた内部統制の効果とテクノロジー活用による効率化のレベルを考慮する必要があります。上記のポイントを踏まえると、図表1のようなフレームワークを活用することが有用であると考えられます。
適用するテクノロジーの検討に際しては、テクノロジーを活用する具体的な場面を想定することが重要であり、そのためには図表2のような手順で手続きを具体的にイメージできるレベルまでブレイクダウンしていくことが有効です。
また、テクノロジーを利用して内部統制の改善を進める場合には、特に手作業が多い領域、業務プロセスがデジタル化している領域、定型化された作業が多い領域について優先的に取り組むことで、大幅な業務の効率化につながると考えられます(図表3)。
*1 PIとは、プロセスをデータに基づいて可視化し、業務プロセスに関する課題意識に対して価値ある新たな気づきを導くデータ分析の手法のことを指します。
*2 ERP評価ツールとは、ERPシステム内におけるシステム設定値の統制、各種マスターDBメンテナンスに係る統制、アクセス権限に係る統制の状況を網羅的にレビューすることを可能とするツールのことを指します。PwCが開発したERPシステムの監査ツール「ACE-S 2」ではシステム設定値統制、アクセス権限統制(高権限、職務分掌)をレビューすることができます(手作業の統制は対象外)。
*3 GRCツールとは、リスクやコンプライアンスなどに関するさまざまな基本情報/基本機能から構成されるプラットフォームと、リスク管理、コンプライアンス管理、内部監査などさまざまな機能を提供するアプリケーションから構成されるツールのことを指します。
ここからは、内部統制の整備・運用および内部統制評価にテクノロジーを適用した事例をご紹介します。
内部統制評価は、大きくは計画段階、実施段階、報告段階の3段階に分けられますが、各段階におけるテクノロジーの適用例としては、下記のようなものがあります。
上記のような取り組みを通して内部統制の整備・運用および評価の改善を行うことで、下記のような効果が期待できます。
以上のように、業務実態とリスク評価を整合させ、課題解決の方向性と実現のためのアプローチを明確にした上で、適用するテクノロジーを検討することが、スピーディーな内部統制の更新および改善に役立つと考えます。
*4 全社的な内部統制とは、企業全体に広く影響を及ぼし、企業全体を対象とする内部統制のことを指します。
*5 業務プロセスに係る内部統制とは、業務プロセスに組み込まれ一体となって遂行される内部統制であり、その1つとして決算・財務報告プロセスに係る内部統制が挙げられます。
*6 ITに係る全般統制は、業務処理統制が有効に機能する環境を保証するための統制活動を意味しており、通常、複数の業務処理統制に関係する方針と手続きのことを指します。
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