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PwC Japanグループは2023年12月8日、メディア関係者を対象に、「期待の見直しと成長への備え―グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2023―」と題したセミナーを開催しました。当日は社外からも登壇者をお招きし、業界全体の動向やゲーム業界に関する最新トレンドと課題について講演しました。本連載では3回にわたり、その様子をご紹介していきます。
第1回となる今回は、PwCコンサルティング合同会社 ディレクターの岩崎明彦による、エンタテイメント&メディア業界の概況についてお届けします。ここではグローバルと日本におけるエンタテイメント&メディア業界の動向について解説しています。
本セミナーの採録動画はこちらからご覧いただけます。
※法人名、役職、内容などは2023年12月時点のものです。
本イベントは、PwCが提供する「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」の内容に基づいて開催されました。
「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」は、消費者および広告主がエンタテイメントとメディアに対して時間とお金をどのように消費しているかをまとめたオンラインデータソースです。53の国と地域におけるエンタテイメント&メディア業界の13のセグメントについて、それぞれ過去5年間の実績と今後5年間の予測データ、およびその動向についての定性的な情報を提供しています。
PwCグローバルネットワークのプロフェッショナルが、毎年このデータソースを基にレポートを作成しており、レポートではその年の特徴的なトレンドをハイライトしています。2021年は「パワーシフト」、2022年は「断層と亀裂」、そして2023年の今回は「期待の見直しと成長への備え」をメインテーマとして取り上げました。
全世界のエンタテイメント&メディア業界の総収益は、2022年は前年比成長率5.4%の2.32兆米ドルとなりました。今後、前年比成長率は低下し続けるものの、2023年から2027年にかけての年平均成長率は3.6%になると予想されており、2.78兆米ドルへ成長する見通しです(図表1参照)。
また、エンタテイメント&メディア業界の総収益上位3カ国を比較してみると、市場規模は米国が最大であるものの、成長率は2023年に中国が米国を抜き1位となる見通しです(図表2参照)。
各セグメントの年平均成長率を見ていくと、「VR・モバイルAR」「OTTビデオ」「ビデオゲーム・eスポーツ」「インターネット広告」などのデジタル領域に関するセグメントの成長率が非常に高くなっています。一方で、「従来型テレビ」「新聞・雑誌」などはマイナス成長が見込まれています(図表3参照)。
業界の収益構成動向としては、コロナ禍やインフレの影響により個人消費の成長が鈍化する一方、広告の市場規模は堅調に伸びを見せ、2027年にかけて個人消費を上回ると見込まれています。例えば、OTTセグメントでは個人消費に含まれるサブスクリプション型動画配信の2023年から2027年の年平均成長率は7.0%にとどまる一方、広告型動画配信は13.8%の成長となる見通しです(図表4参照)。
続いて、日本におけるエンタテイメント&メディア業界の動向をグローバルと比較して見ていきましょう。
日本ではグローバル全体と比較して成長率が低くなる見込みです。エンタテイメント&メディア業界全体の年平均成長率はグローバル3.6%に対し、日本は2.1%となると予想されています(図表5参照)。
また、マーケットシェアも年々低下することが予想されています。2027年までに対世界市場では6.6%、対アジア市場では18.4%まで低下する見込みです(図表6参照)。
セグメント別成長率に関しては、「VR・モバイルAR」がグローバルよりも高い成長を見込むものの、それ以外のセグメント別の成長トレンドの全体傾向はグローバルと類似していますが、成長率はグローバルより低い成長を見込んでいます(図表7参照)。
続いて、エンタテイメント&メディア業界にどのような変化が起こっているのかを定性的に見ていきます。
2021年はパンデミックからの立ち直りで将来的に明るい見通しが立っていましたが、個人消費の停滞や各社の市場シェア低下の環境変化を起因とし、2022年は成長が鈍化しました。
このような環境変化の中で成長を続けていくには現状のビジネスモデルだけにとどまらず、成長戦略を再設定する必要があると見込んでいます。この成長への新たな備えとして「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」では
が必要であるとしています(図表8参照)。
有望分野の特定について、レポートでは「広告」「ゲーム」「ライブ」の3領域と、「アジア」でのビジネス展開を今後の有望分野として紹介しています(図表9参照)。
「広告」については、広告をつけて展開するサービスが消費者に受容されてきており、広告型動画配信サービスAVOD(Advertising Video On Demand)や無料の広告型動画配信テレビサービスであるFAST(Free, Ad-supported Streaming TV)など、広告付きのビジネスモデルが有望であると見込んでいます。
「ゲーム」については、ゲーム広告の急成長により市場規模が拡大していることや、映画を筆頭にゲーム発のIP利活用による事業展開が活発になってきていることから有望であると見込んでいます。
「ライブ」については、パンデミックからの回復もありエンタテイメント&メディア業界の年平均成長率の4倍である9.6%での成長が見込まれており、各セグメントでのライブビジネスは有望であると見込んでいます。
「アジア」については、人口の多さや可処分所得の高さにより新興市場においてビジネスが急伸していることから有望な地域であると見込んでいます。
各分野の詳細はレポートをご参照ください。
人工知能の活用については、エンタテイメント&メディア業界ではカスタマーサービスの自動化など効率化のための利活用や、生成AIを用いたコンテンツの自動生成など高度化のための利活用ができると見込んでいます。
積極的に新しいテクノロジーを取り込むことで企業がさらに成長できる有望な分野であると予想していますが、一方で活用に向けて情報倫理の遵守や著作権問題への対応、既存のクリエーターとの交渉などの課題もあります。そうした課題に対応しながらも、人工知能の活用を阻害せず成長戦略を設定していくことが今後の成長の新たな備えとして有効であると予想しています(図表10参照)。
次回は、有望分野の1つである「ゲーム」をテーマに、社外からの登壇者と共に最新のトレンドや今後の展望をご紹介します。
PwC Japanグループが2023年12月に開催したメディア向けセミナー「グローバル エンタテイメント&メディアアウトルック 2023ー期待の見直しと成長への備えー」の様子を動画でお届けします。
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