組織成長を実現する、生産性の高い働き方―成功に必要な7つの要素―
PwCは給与維持型の週4日勤務制度のソリューション「Four Day Workweek Approach」を提唱しています。本稿では、組織成長と業務時間削減を両立するための7つのポイントを紹介します。また、生産性が高い働き方・仕事の進め方へのシフトする方法について、日本マイクロソフトでのチェンジマネジメントの事例を交えながら紹介します。
2022年上半期のエネルギー・ユーティリティ・資源（EU&R）分野のディール活動は、ディール件数、価格合意からディール実行に要する時間ともに、PwCの年初予想を下回りました。
年初以来のインフレの進行、金利上昇、地政学的混乱、コモディティ価格のボラティリティなどにより、取引価格の不確実性が高まっていることを考えれば、現在のM&A活動の鈍化は当然の流れとも言えるでしょう。しかし、こうした不確実性にもかかわらず、以下の理由により、今後のM&A活動は短期および中期的に堅調に推移すると予想されます。
- 潤沢な資金調達
- エネルギートランジションの継続的な加速
- サプライチェーンにおけるセキュリティニーズの増大
- 現在のマクロ経済環境において浮上する価値創造機会への期待感
PwCは、温室効果ガスを大量に排出する資産の倫理的責任に関する議論や、それがM&A活動にもたらし得る影響について引き続き注視しています。例えば、多くの企業がすでに、温室効果ガスを大量に排出する資産を自社の中核事業から切り離す、または売却するなどの措置を講じています。しかし、こうした措置がかえって温室効果ガス排出量の増加や排出の長期化につながるのではないかという懸念につながっており、投資家はむしろ批判的な視線を向けています。こうした資産の売却を図る企業は、「グリーンウォッシュ」とのそしりを受けないために、また売却が頓挫するリスクを回避するために、幅広いステークホルダーと綿密な協議を行い、適宜自社のM&A戦略を調整していく必要があるでしょう。
「ディールメーカーは、不確実性を理由に一息ついていますが、それも長くは続かないと思われます。気候変動やサプライチェーンへの対応に加え、価値獲得機会への追求欲から、ディールメーカーが交渉のテーブルに着くのも時間の問題でしょう」
鉱業・金属
- ESG（環境・社会・ガバナンス）要因とサプライチェーンのセキュリティが、鉱業・金属分野におけるM&Aディール活動を推進する主な要因であることに変わりはありません。これらの要因に対する企業（そして政府）の関心は、2022年に入って以降、高まる一方です。
- 投資家は銅やニッケルなどの重要鉱物に対し、引き続き非常に高い関心を寄せています。バリューチェーン上流のユーザーはこれらの鉱物の供給確保のためにM&Aを検討しており、買い手が増加するとともに、競争も激化しています。
- 一部の大手プレーヤーは、迫り来る供給不足と温室効果ガス削減目標という2つの理由から、自社のポートフォリオにおいて重要鉱物の優先度を高めつつ、温室効果ガスを大量に排出する資産を減らしています。
- 新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の拡大やロシア・ウクライナ紛争が脱グローバル化に拍車をかけており、M&Aの境界線の見直し、クロスボーダー案件数の減少、資本フローの方向転換が進むことが予想されます。しかし、中国はこうしたトレンドの例外となる可能性があります。中国企業はサプライチェーン強化のために海外に目を向けているほか、最近では、国内のCOVID-19ロックダウンや渡航制限（これらにより多くの投資家が国境を超えた案件を進めることができなくなっています）が解除されつつあることから、2022年下半期にはアウトバウンド取引が増加する可能性があります。
- 2022年上半期において、石炭、ニッケル、鉄鉱石、鉄鋼のスポット価格の上昇率は30％を超えました。コモディティ価格が変動すると、買い手と売り手の価格ギャップが広がる可能性があり、短期的にはディール活動が鈍化する可能性があります。今後6カ月間は、買い手が売り手株主とリスクを共有する方法として、アーンアウトの設定や株式交換取引の増加が予想されます。
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石油＆ガス
- コモディティ価格の激しい変動と高騰に伴い、世界の石油・ガス関連M&Aは「一息ついている」状況にあります。価格が現在の水準、またはそれ以上で安定すれば、M&Aの動きが再び活発になると思われます。すでに一部の資源開発（E&P）事業者が、非コア事業資産パッケージや保有ポートフォリオの売却に乗り出していることが確認されていますが、売り手と買い手の価値評価に大きな乖離が見られるのが現状です。
- 世界の多くの地域でエネルギー危機が深刻化する中、クリーンエネルギーへの移行プランと国のエネルギー安全保障との間で、国家レベルで軋轢が生じています。
- 短期、および中期的には国のエネルギー安全保障を支えるガス関連のディール、長期的には温室効果ガス排出量削減を支えるM&Aが見られると予想されます。
- 欧州がロシア産ガスへの依存度の低減に取り組む中、天然ガス資産および、天然ガス・液化天然ガス（LNG）の長期供給契約に対する需要が世界的に高まっています。
- ロシアからの事業撤退を進める石油・ガス会社が受ける影響はまだ完全には明らかになっていませんが、非常に低コストの生産事業が失われることで、準備金、キャッシュフロー、バランスシート全体に影響が及ぶと思われます。これらの事業者は、戦略的地域における資源開発に関する資産の統合や、既存資産の開発を継続することで、長期的なエネルギー移行のための資金調達を図るものと思われます。
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化学
- 化学業界におけるM&Aは2022年の立ち上がりこそ芳しくなかったものの、その見通しは依然として明るいと言えます。ディール件数は過去最高だった2021年比で約14%減少しましたが、過去5年間の平均を上回っています。なお、大型案件上位5件のうち4件が米国の買い手によるものです。
- 原材料費とエネルギー価格の上昇によって利益低下の圧力に直面している一部企業にとって、マクロ経済の状況やCOVID-19の影響が逆風となる恐れがあります。しかし、PwCが年初時点で挙げたM&Aの推進要因の多くは、依然として有効です。
- 化学系会社は、事業売却や持続可能な材料のサプライチェーンへの統合により、温室効果ガスの削減と循環型社会の実現に向けて、引き続き取り組んでいくことが予想されます。
- 一部の地域では貿易動向と生産の両面で混乱が続くと予想されるため、企業はサプライチェーンのレジリエンスを高め、2022年下半期にM&Aを促進すると考えられます。
- M&A向け資金は依然として蓄えられています。最近のディール件数や取引価格水準がCOVID-19パンデミック以前の水準を上回る傾向が続いていることが示すように、優良資産に対する競争によって、高い価値評価が維持されています。
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電力・ユーティリティ
- インフレ圧力と金利上昇により、電力・ユーティリティ分野のM&A活動における価値評価のギャップが広がり始めています。
- ソーラーパネルおよびその他の部品の入手性や価格など、サプライチェーンにおける課題が脱炭素化活動に影響を及ぼしており、再生可能エネルギー関連のM&A活動のペースがやや鈍化する可能性が見込まれます。
- 持続可能なエネルギー開発目標は、引き続き良好な投資環境を生み出し、従来型の再生可能エネルギー関連テクノロジー、送電インフラ、炭素回収、蓄電池、水素、その他の気候関連テクノロジーにおけるディール活動や資本投資は堅調に推移すると予想されます。
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今後の見通し
大規模なエネルギートランジションが進む中、近年の世界的なマクロ経済情勢により、エネルギー価格や入手性にさらに高い注目が集まっています。特に、再生可能エネルギー、炭素回収、蓄電池、送電インフラ、その他のクリーンテクノロジーなどの高成長分野において、企業ビジョンに沿ってM&A戦略を進める企業は、中・長期的にステークホルダーに価値と持続的な成果をもたらす可能性が非常に高いと言えるでしょう。
※本コンテンツは、PwC米国が2022年6月に公開した「Global M&A Trends in Energy, Utilities and Resources: 2022 Mid-Year Update」を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。
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