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産業機械・自動車(IM&A)セクターの企業全般が不確実性の高まりに直面するなか、世界のM&A活動は2022年に減速しています。PwCが2022年の見通しにおいて指摘した逆風(サプライチェーンの混乱、商品価格の上昇、熟練労働者の不足、世界的な半導体不足)は全て強まっており、2022年下半期にはディールメーカーにとって課題と機会の両方が生じる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連し、中国の多くの都市でロックダウン(都市封鎖)が実施されたため、製造業の生産高が減少し、アジア太平洋地域からの輸出に支障をきたしています。同時に、ロシア・ウクライナ紛争は、すでにストレスを受けているサプライチェーンを悪化させており、企業はロシア事業からの撤退や制裁措置への対応に追われているため、必然的に経営の焦点はM&Aを含めた他の戦略的優先事項から逸らされています。少なくとも短期的にはこの状況が続くと思われます。
エネルギーと商品価格の変動および高騰により、エネルギーと原材料の大量消費者であるIM&Aセクターには引き続き混乱が生じています。一方、ビジネスサービスや航空宇宙・防衛など他のセクターは、現在の逆風の影響をあまり受けていないように思われます。その結果、後者はM&A活動にとって魅力的なセクターであり続けることが予想されます。
競争上の優位性を得るためにはテクノロジーが中心要素になる、と考えるIM&Aセクターの全てのビジネスリーダーは、引き続きM&Aに取り組んでいくでしょう。IM&A企業はかねてからテクノロジー資産の買い手となっていますが、現在はセクターを超えて融合する例が増えています。例えば、自動車セクターとエネルギーセクターは、電気自動車、水素自動車、自動運転車(AV)、バッテリー、充電ステーションなどeモビリティに特化したテクノロジーを開発するため、密接に連携しています。ビジネスリーダーがテクノロジーによるビジネスモデルの変革を目指していることから、自動化、デジタル化、次世代素材、再生可能エネルギーによる生産の分野において、テクノロジー関連のさらなるディールが今後も予想されます。
「デジタル化の重要性が高まり、IM&Aセクター内において新興技術の活用競争が活発化することで、2022年の後半もM&Aの機会は創出され続けるでしょう」
賃金のインフレ、熟練労働者の不足、そして多様性や包摂性、福利厚生といったESGに係る課題に対してステークホルダーの注目が高まっていることを背景として、IM&A企業は人材により大きな重点を置いています。
その結果、ディールメーカーはデューデリジェンスにおいて、労働力の問題を優先的な重点分野とするようになっています。いかなるディールの成功も、適切な人材にアクセスできるかどうかに大きく依存するからです。
2022年下半期のもう1つの重要なM&A動向としては、企業が事業活動を見直し、事業ポートフォリオの成長分野に投資を集中させるために非中核資産の売却を検討するなど、ポートフォリオの最適化を進めている点が挙げられます。
さらに、現在の市場が不透明であることから、特に自動車部品やエネルギー集約型産業のニッチ分野においては価値の保全が2022年下半期の焦点となり、ディストレストM&Aが推進されると予想されます。
「2022年はM&Aが低迷していますが、非中核資産の価値化を目指す大企業によるポートフォリオの最適化や、プライベート・エクイティ(PE)の待機資金(ドライパウダー)が主導するビジネスサービス分野におけるディール機会については楽観視しています」
※本コンテンツは、PwC米国が2022年6月に公開した「Global M&A Trends in Industrial Manufacturing and Automotive Sectors: 2022 Mid-Year Update」を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。