行動6(租税条約の濫用防止)は、条約締約国でない第三国の個人・法人等が租税条約を濫用することで、不当に租税条約の特典を享受することを防止するための、①OECDモデル租税条約の改訂、および、②国内法に関する勧告、を行うことを目的とした取組みです。
行動6に関する議論については、2014年3月24日にディスカッションドラフトが公表され、パブリックコメントおよびパブリックコンサルテーションを経て、同年9月16日に第一次提言が公表されました。さらにその後、更なる検討が必要とされた事項について、フォローアップ作業が行われ、2015年5月22日に改訂されたディスカッションドラフトが公表され、パブリックコメントおよびパブリックコンサルテーションを経て、2015年10月5日に最終報告書が取りまとめられました。
最終報告書では、租税条約の濫用を防止するための租税条約上での最低限必要な措置(ミニマムスタンダード)として次の2つの措置を講じることを提言しています。
また、最終報告書では、租税条約を締結するかどうか、又は、既存の租税条約を改正するかどうかを判断する前に考慮すべきタックス・ポリシーを特定し、OECDモデル租税条約の前文に追記することを提言しています。
租税条約については、今後、行動15の多国間協定の開発への参加等を通じて、行動6で提言されたBEPSに対抗する措置を含む租税条約の拡充が進められていくことになります。
また、我が国の国内法での対応については、レポートの中で国内法上の租税回避の防止策の一つとして掲げられている出国時課税制度について、2015年度(平成27年度)税制改正において導入がされています。