
産業・サービス分野における世界のM&A動向:2025年の見通し
2025年の産業・サービス分野におけるM&A活動は、企業がポートフォリオの拡大、再編、洗練に向けた取り組みを強化していることから、成長へ向かうことが見込まれます。
産業機械・自動車(IM&A)分野のディール活動は、世界的なマクロ経済環境にもかかわらず、買い手と売り手が同様に機会を見出しているため、2023年上半期と同様に安定したペースでディールが発生すると予想されます。ウクライナ紛争、景気後退懸念、インフレ、エネルギーコスト、金利などの要因は、引き続きビジネスや成長予測に影響を与えています。このため、当事者たちは、ディールは基本に立ち戻り、リスクを軽減しようとするため、デューデリジェンスのレベルが高まっているとみています。
こういったビジネスを取り巻く環境により、ポートフォリオと戦略の見直しが改めて注目されています。これらの見直しにより、テクノロジーやケイパビリティーにおける戦略的なギャップが浮き彫りになっています。企業は、特にロボティクス、オートメーション(自動化)、人工知能、サイバーセキュリティ、データ分析などの分野で、これらのギャップを埋めるために買収を検討しています。ディールはニアショアリングを活用し、サプライチェーンの不確実性の軽減、環境・社会・ガバナンス(ESG)目標への対応、価値創造機会の推進にも役立っています。
厳しいマーケット動向の中で、企業はポートフォリオのパフォーマンスを評価して、さらなる戦略的・全社的な投資のために非中核資産を売却するかどうかを判断します。売り手は、成長と収益性を高めるためにポートフォリオの最適化を目指します。戦略的な売却方法として、現在の資本配分の最適化や、新しいセグメントやサブセクターへの資本の再投資が考えられています。
「ディール活動に対する需要は増えてきていますが、マーケットの課題や不確実性、さらにはバリュエーションにより、当面は安定した水準で推移すると思われます。フォーカスを絞った戦略的買収と非中核事業の売却がこのペースを牽引するでしょう」
「強力なバランスシートを持つ企業は、戦略的なケイパビリティーを獲得し、業務および技術のフットプリントを変革したいという強い意欲を持っています。 ESGはまた、特に欧州の産業機械企業にとって重要な価値創造の手段となりつつあります」
当面のディール活動は現在のペースが続くと予想され、グローバル市場、特にミドルマーケット領域で確実性が増すにつれて活動が活発化すると予想されます。ディールの活発化は、テクノロジーやケイパビリティーの戦略的ギャップを埋めるための買収、資本配分を最大化するための事業売却や、より大規模で変革的なM&Aの組み合わせによってもたらされるでしょう。
ビジネスサービスのM&Aとテクノロジー主導のディールは、引き続き比較的高いマルチプルとより入札の多い(競争率の高い)オークションを牽引すると予想されます。厳しい資金調達状況が続くことで、2023年下半期にはPEの大規模なディールへの意欲が減退する可能性があり、大規模なIPOは公開市場における投資家の信頼を獲得できないと予想されます。さらに、地政学的な緊張、特に中国との関係が、産業分野におけるインバウンドおよびアウトバウンドの機会に影響を与える可能性があります。
よく考え抜かれた綿密なM&A戦略を持つCEOは、市場の回復に合わせて、ディールの機会を最大限活用し、価値創造と持続的な成果を生み出すための最良のポジションにいるでしょう。
※本コンテンツは、PwC米国が2023年6月に公開した「Global M&A Trends in Industrial Manufacturing and Automotive: 2023 Mid-Year Update」を翻訳したものです。翻訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。
2025年の産業・サービス分野におけるM&A活動は、企業がポートフォリオの拡大、再編、洗練に向けた取り組みを強化していることから、成長へ向かうことが見込まれます。
産業・サービス分野のディールは、2024年の後半にわたり、安定したペースで行われる見込みです。金利の高止まりや規制への懸念など、市場には引き続き難題があるものの、買い手と売り手の双方が、さらなる成長と価値創造を推進するためにM&A市場に注目する傾向が強まっています。
2024年の産業機械・自動車(IM&A)セクターのディール活動は、インフレや金利上昇といった市場の課題が緩和され、ディールメーキングの柔軟性が高まることから、年間を通じて増加すると予想されます。
主にテクノロジーとESG関連の分野において、ポートフォリオの最適化と事業売却は戦略的なM&A投資とともに2023年のCEOの重要課題となります。