プライバシーメガトレンド5:従業員のプライバシー文化の多様化

従業員は、職場のテクノロジーにどのように対応するかによって、独自のプライバシー文化を築いていくでしょう。

その理由とは?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な大流行によって、テクノロジーを活用して従業員の勤務状況や生産性を把握する動きが加速しました。同時に、社会的な不安により、顔認証や人工知能など人種や社会経済的な格差を助長しかねないテクノロジーに厳しい目が向けられるようにもなりました。

ある調査によると、消費者のプライバシーに対する懸念は状況に応じて異なります。従業員が、テクノロジーやプライバシーに対するこうしたさまざまな考え方を職場に持ち込み、また、データやテクノロジーに関する雇用主の倫理観にグローバル市場がどう反応しているかを見聞きすることで、職場のプライバシーに関して共通の見解や期待が形成されていきます。

サイバー攻撃に関する従業員の懸念は、自身のプライバシーへの潜在的な影響が中心


個人データの第三者への流出
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自身のキャリアへの影響
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給与・退職金データへの不正アクセスによる個人的な金銭的損失
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就労不能・目的未達
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自身の健康データへの不正アクセス
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PwC「Workforce Pulse Survey」2020年7月
2020年7月14~16日:集計ベース1,071名
Q:職場で個人および会社のデータが侵害された結果生じる以下の項目について、どの程度懸念しますか?

このトレンドの推進要因とは?

  • データ集約型の技術革新
  • テクノロジーの影響による個人的・社会的な弊害に対する社会の懸念
  • 社会の不安
  • 労働組合が存在価値を維持したいというニーズ

ビジネスに及ぼす影響とは?

従業員のプライバシー文化の醸成に前向きで、足並みが揃っている企業は、従業員の生産性を向上しやすく、最新テクノロジーやデータアナリティクスを職場や製品・サービスへ容易に導入できるでしょう。

一方、三極のプライバシー規制モデルにまたがって事業を行う多国籍企業の場合は、テクノロジーをグローバルに展開する際、大きな課題に直面することが予想されます。従業員の生産性と投資対効果を最適化するため、地域ごとに異なるアプローチを検討する必要があるかもしれません。

CEOが取るべき行動とは?

  • 最高人事責任者(CHRO)に、データやテクノロジーに関する自社の価値観に沿った従業員向けプライバシープログラムを展開するよう指示し、積極的なプライバシー文化の醸成を目指す(職場での最新テクノロジーやデータの利活用に対するプライバシーや倫理面での影響評価を検討・公表する従業員審議会の設置、従業員向けフィードバック制度の整備、在宅勤務環境のセキュリティを含め従業員が職場や自宅で個人のプライバシーを管理できる仕組みの整備など)
  • カスタマーサービス、広報、人事の各責任者に、製品やサービスの倫理的パフォーマンスに関するフィードバックの仕組みを整備する任務を与える

 

「デンマークにはヒュッゲ(hygge)という考え方があります。ヒュッゲとはデンマーク語で友人と飲食を共にしたり、その日の出来事を語り合ったりしたときに得られる心地よさを表す言葉です。私たちは社会的な文脈における情報共有の許容範囲を理解する上でこの考え方を取り入れています。デンマークも欧州の他の地域と同様にEU一般データ保護規則(GDPR)に従っていますが、それでも状況が異なれば最適なバランスも異なるということに気づけば、企業は成功するでしょう」

Charlotte Pedersen,PwCデンマーク プライバシーリーダー

7つのプライバシーメガトレンドのご紹介

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