04 People & Culture

組織・カルチャーづくり

インクルーシブなカルチャーと
プロフェッショナルの「自律・規律」が
多様な選択・働き方を実現する

グループマネージングパートナー(オペレーション)
出澤 尚
PwC Japan合同会社 執行役副代表

チーフ・ピープル・アンド・カルチャー・オフィサー
佐々木 亮輔
PwC Japan合同会社 執行役常務

「自分の働き方は自分で選択する」
新しい働き方の推進

PwC Japanでは、多様な専門性を持つ人材が各自の力を存分に発揮し合い、プロフェッショナルとして垣根なく協働できるカルチャーが、組織としての提供価値を最大化し、社会やクライアントの課題解決に貢献することにつながると考えています。 私たちは、お互いの強みを活かしながら共通のゴールに向かって生き生きと働けるインクルーシブなカルチャーを第一として組織づくりに取り組み、2023年度も年間で1,000人超の純増員を達成し、PwC Japan全体では約11,500人の規模に成長しました。

インクルーシブなカルチャーを土台とし、それぞれが持つ強みを十分に発揮するためには、時代や社会の変化を踏まえた、働きやすい環境を整えることが欠かせません。 2023度は自分の働き方を自分で考え、選ぶ制度「Design Your Workstyle」を推進しました。 Design Your Workstyleは新しい働き方を示す指針であり、プロフェッショナルとしての「自律」と「規律」を両立させることで、メンバーそれぞれの多様な選択を尊重する仕組みです(詳細は後述)。

このような取り組みの結果、PwCグローバルネットワーク全体で社員・職員を対象に毎年行っているGlobalPeople Survey(GPS)において「PwCで働くことに誇りを持っている」「働くことを通じて充実している」といった項目に肯定的な回答をした人の比率(People Engagement Index PEI)は、過去最高だった2022年度を上回り、78%となりました。 GPSの回答率そのものも92%に達し、参加率が上昇する中でもPEIが向上していることは、これまで取り組んできたことの成果の1つと考えています。

コロナ禍を経て、社会のありようが大きく変化する中、PwC Japanはこれからもインクルーシブなカルチャーを醸成し、一人一人が安心して強みを発揮できる組織となるべく、多様な能力と技術の結集(Talent and skillagility for the future)、チームとして最大のパフォーマンスを発揮するためのインクルーシブリーダーシップ(Inclusive leadership by all for all)、個々人が最大のパフォーマンスを発揮するための心身の健康の維持と促進(Be well, work well)の3つをテーマに掲げ、各分野の施策を推進していきます。

  • Talent and skill agility for the future

高度な専門性を持つ人材が
世界で活躍できる制度

1つ目のテーマは、Community of solversとして社会やクライアントの課題を解決できる多様なプロフェッショナルの確保と、専門性の継続的な向上です。

人材の拡充では、PwC Japanのメンバーからの紹介者を増やすことに力を入れています。 社内のメンバーが紹介をしやすいようにITインフラも充実させ、紹介を促進する環境を整えました。 また、PwCのビジネスやカルチャーをできるだけ多くの人に知ってもらえるよう、ダイレクトに社内情報を発信する取り組みにも力を注いでいます。 一例として、テクノロジー分野に長けた人材にPwCの取り組み事例を知っていただくためのシリーズ「テクノロジー最前線」をWebサイトに掲載するとともにSNSでの告知も行い、予想を超えるアクセスをいただきました。

テクノロジー人材だけでなく、さまざまなバックグラウンドと専門性を持った方に入社いただく中で、入社した一人一人が早期にプロフェッショナルとして活躍してもらえるように、オンボーディングにも力を注いでいます。 最近では、PwCの歴史やDNA、カルチャーを理解してもらうため、PwC Japan共通のプログラム受講後、所属部署個別のオンボーディングプログラムを受けるという流れをつくることで、一人一人のスムーズな立ち上がりを支援しています。

また各自の専門性を高めていくため、自発的な学習を支援するプログラムを用意しており、これらの受講率も年々高まっています。 デジタルアップスキリングプログラムは全スタッフを対象として過去数年間展開しており、知識とスキルの底上げがなされています。 さらに従来展開してきたマネージャー昇進者向けのトレーニングプログラムを、シニアマネージャーやディレクターへの昇進者にも拡大し、マネジメント力とリーダーシップ力を身につける機会を大きく広げました。

キャリアづくりの面では、これまで法人間の転籍を前提に行っていたPwC Japanグループ内の公募制度(Open Entry Program)を出向の形態でも応募可能にしたことで、キャリア形成の選択肢が拡大しました。

また、海外のPwCのネットワークファームへの出向機会も期間や役割など幅が広がっています。 約36万人からなるPwCのグローバルネットワークは、社会やクライアントの課題解決に世界レベルで貢献できる最適なチーム組成にも結びついています。このネットワークを活用するグローバルモビリティプログラムでは、PwC Japanのプロフェッショナル148人が日本国外に赴任し、47人の人材が海外からPwC Japanに赴任しています(2023年度末時点)。

  • Inclusive leadership by all for all

多様な能力と個性を
チームにまとめる

2つ目のテーマは、全てのメンバーによる「インクルーシブリーダーシップ」の実践です。 具体的には、お互いの違いを認識し強みを発揮し合うことで、チームとしての価値提供に貢献することです。

インクルージョンについてより深い理解を促していくために、誰もが異なるバックグラウンドを持っていることや、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)が自分の言動に影響していることなど、インクルーシブなマインドセットに関する知識を体系的に学ぶプログラムを導入しました。 10時間以上の学習や対話セッションを経て、修了後には、インクルーシブなマインドセットや振る舞いに必要な知識の習得を示すバッジ(Inclusive Mindset Badge)が提供されます。

性別や国籍にとどまらない
インクルージョンの推進を

PwC Japanのインクルージョン&ダイバーシティの推進では、ジェンダー、ナショナリティ、障がい、LGBT+に注力した活動を行っています。

インクルージョンを重視する意識と行動への変化を測るため、I&Dの指数(GPS Inclusion Index)を計測しており、障がい、ナショナリティ、LGBT+といった属性別の指数を毎年向上させることを目標としています。

ジェンダーについては、2030年までのできるだけ早い段階で女性管理職比率を30%に引き上げることを目指しています。 その先行指標として、採用応募者・採用者の女性比率や、昇進・退職の女性比率について、男女差をなくしていくため、定期的なモニタリングを行っています。

さらに、女性の働きやすさを支える環境の整備として、誰もが家庭やプライベートも大事にしながら仕事に力を発揮できる組織づくりを推進しています。 例えば男性の育休取得は、「産後パパ育休(出生時育児休業)」制度などの法令を踏まえた整備にとどまらない、育休を取得しやすい制度づくりを行っています。 2023年度の実績は、男性の育休取得率90%、平均取得週数(土日除く)は7.2週間でした。今後も個人の意思を尊重し、さまざまな声に耳を傾け、取得率100%を実現することを目指しています。

ナショナリティについては、前述したグローバルモビリティプログラムを通じたグローバル人材の育成とキャリア開発を強化しています。 さまざまな経験を持つグローバルな人材が協働する環境は、Community of solversを支え、クライアントの海外展開支援にも結びつきます。

障がいの分野では、PwC Japanグループ内の業務サポートを担う「オフィスサポートチーム(OST)」を拡大しています(OSTの詳細は「Special Contents:People & Culture」を参照)。 また、PwCグローバルネットワークは2020年からThe Valuable 500※1に加盟しており、障がいのあるメンバーがプロフェッショナルとして社会で活躍できる場を創出しています。 私たちは、障がいのある当事者とその家族や関係者が自分らしく活躍するため、その壁になるものを取り除くという考えに基づいた活動を実施しています。

LGBT+では、性別、性自認、性表現、性的指向などの違いに先入観を持たず、あらゆるハラスメント、差別、不平等のない組織づくりを行うことを目指しています。 PwC Japanは、work with Pride※2が策定するLGBT+インクルージョンに関する取り組み評価「PRIDE指標2022」にて、2018 年から5 年連続で最高位の「ゴールド」を受賞し、さらに「レインボー認定」と「ベストプラクティス」を併せて、参加企業で初めて単独で3つの賞を同時受賞しました。

また、「Inclusion Network」というコミュニティ活動にも力を入れています。 テーマ別に関心を持つメンバーが自由に集まり、対話と交流を通じてインクルーシブなカルチャーの推進を図っています。

※1 The Valuable 500: 2019年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した、障がい者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革を、世界500社のビジネスリーダーが起こすことを目的とした、世界的なネットワーク組織。 経済や政治が主に話し合われるダボス会議において、「障がい」にフォーカスしたセッションが設けられたのは初めてのこと。

※2 企業等において性的マイノリティに関するダイバーシティ・マネジメントの促進と定着を支援する任意団体

  • Be well, work well

デジタルも活用しながら
働き方に関するリスクに対応

3つ目のテーマは、PwC Japanのメンバーが心身ともに健康で、柔軟な働き方を実践できる組織づくりです。

働きすぎを防止するため、デジタルを活用した労働時間管理を実施しています。 実態に即した労働時間・残業時間の把握や、過重労働の防止とその兆候の早期発見の観点から、PCの稼働状況をモニタリングしています。この見守りの仕組みによって日々の働き方の状況把握と改善を行った結果、組織全体における労働時間や残業時間の適正化が進んでいます。 今後は管理職の働き方のモニタリングとケアも強化していきます。

同時に健全で働きやすい職場環境の整備に向けて、ハラスメント防止のための研修を強化するとともに、ホットラインや人事への相談件数や内容といった実態を適切に把握しながら、必要な対応を実施していきます。

働き方の柔軟性を高め
パフォーマンスを最大化

2022年より「Design Your Workstyle」という制度を設け、場所、時間、就業形態の柔軟性を高めながら、個々人のライフステージに合う働き方を推奨しています。

Design Your Workstyleの1つの柱はハイブリッドワークで、プロフェッショナルであるメンバーの「自律」と「規律」への信頼をベースにした柔軟な働き方を実現することを目指しています。

PwC Japanでは、オフィスへの出社とリモートによる在宅での業務のどちらか一方を画一的に推奨することはしていません。 働き方を画一化するのではなく、プロフェッショナルとして最大のパフォーマンスを発揮するための勤務形態を自律的に選択し、実践することを一人一人に期待しています。 ライフステージや家庭の事情を考慮した上で、短日・短時間勤務を受け入れるとともに、フレキシブル・ライフ・デザイン休職により一定期間休職を認める制度も導入しました。

今後もPwC Japanは誰もが健康的に、かつ、ライフステージや個別の事情に沿って働ける環境づくりに取り組み、一人一人が最高のパフォーマンスを発揮して社会とクライアントの課題解決に貢献する組織として、成長を続けていきます。

Special Contents

”相手を受け入れ、知り合うことから始まる、壁を超えるための仕組みとインクルーシブカルチャー”
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